(プリントをデジカメで複写)
バイクだと山道にも気楽に入っていける。オフロードならなおさらだ。
そうした気軽さと機動性のよさがバイクのいいところ。
そして信号の少ない北海道の走りは爽快の一言に尽きる。
そのうえなんだか自然を独り占めしているような気持ちになる。
そんな道央から道東の二日目だった。
大雪山をぐるっと半周
(羽衣の滝 プリントをデジカメで複写)
昨夜は美瑛の町で夕食を食べてから旭岳のキャンプ場に行ったのでただ眠るだけだった。翌朝 、近くの天人峡へ羽衣の滝を見に行った。
そこは忠別川の上流で大雪山国立公園の山麓にある。柱状節理と紅葉が美しいところだが、まだ紅葉には早すぎた。
写真に撮った滝がここに流れ落ちている「羽衣の滝」だったかどうかを確認するためにネットを見ると、大規模な土砂崩れが起こり、2013(平成25)年5月以来、通行止めになっていたそうだ。
通行ができるようになったのは、2018(平成30)年6月だったということを知った。ずいぶんと長い間通行できなかったことに驚く。
この滝は「日本の滝百選」にも選ばれていて、北海道最大の落差を誇るそうである。雄大な風景の中の滝を撮っておくべきだった。
次に向かったのは、大雪山をグルッと反対側に回り旭岳東側の大雪高原である。
どうしてわざわざ大雪高原に行ったのか覚えていないが、おそらく紅葉の写真を撮りに行ったのだと思う。あわよくばヒグマが見られるかもしれないと考えたのかも。だがやはり紅葉にはまだ早く、ヒグマを見た記憶もない。中途半端な時期だったようだ。
(大雪高原 プリントをデジカメで複写)
カメラは、昨年のときはニコンFMを使っていたが、このときはキャノンNew F1を持って行った。ところがピントリングの回転方向が逆になり、結局どっちがどっちなのか分からなくなったことと、シンプルなマニュアル機から急に多機能のカメラになって操作に慣れずというか使いこなせなかった。結局、その数年後には手放してしまった。
持って行ったフィルムはすべてリバーサルフィルムだった。ところが写真の管理が悪くてこのとき撮影したフィルムが見つからない。わずかにプリントした写真が残っているばかりである。
ただ、フィルムが見つかっても使い物にはならなかっただろう。古いフィルムはほとんどカビにやられていた。そりゃそうだ。防湿庫などには入れておらず、マウントしてただそのケースに入れておいたのだから当たり前だ。
屈斜路湖畔の砂湯キャンプ場
(美幌峠からの屈斜路湖 プリントをデジカメで複写)
大雪高原からは来た道を戻り、東へ向かう。
夕方、美幌峠に差し掛かる。ここからは眼下に屈斜路湖が見下ろせる。
このとき夕日に薄く染まった空がとてもきれいだった。森の中にでっかい湖があり、自然の雄大さを感じた。こうして自分が見て感動していることになんて、これらの自然はまったく意にも介さない。人類がこの湖を発見するずっと以前から何万回も昼と夜とを繰り返してきた景色なのだ。
この日は屈斜路湖畔にある砂湯キャンプ場を目指す。美幌峠から見ると屈斜路湖の対岸になる。美幌峠を下って湖を半周した。
砂湯キャンプ場は川湯温泉に行く手前の林の中にある。絶好のロケーションで静かなキャンプ場だった。
どこにテントを張ろうかと考えながら場所を探す。やはりバイクを止めているひとの近くに決めた。そしてどちらともなくお互いに話をした。歳は同じくらいの若者だった。彼は数日前からここにいるとのことだった。
「ここの砂を掘ると温泉が湧き出すので砂湯というんだって」そう言って教えてくれた。
「全身が入れるまで掘るのは大変だけど、向こうにすでに掘られたところがあって、だれでも入れるよ」
そう言って昼間の出来事を話し始めた。
「誰もいないときに入っていたら、すぐ近くに観光バスが止まっちゃって。そしたらみんなこっちを見てるんだよ。いやー、出るに出れなくてこまっちゃったよ」それを聞いてその様子を想像して笑ってしまう。
「周りに囲いとかないんですか」
「何にもなくてスノコがあるだけ」
「へぇー、じゃあ、夜なら大丈夫ってことですね」
「夜ならバスは来ないからね、でも暗いからライトを持って行った方がいいよ」
とかそんな会話をした。
そして夜中にこっそりと砂湯に浸かりにいった。真っ暗闇のなかで入ってもちっとも楽しくなかった気がする。けれどちょっとした冒険した気分だった。
今回のまとめ
今回は移動距離は短いのだけれど行ったり来たりで346キロ走った。
紅葉の時期にはまだ早く、写真には今ひとつだった。
この日特に印象に残っているのが砂湯だ。それにキャンプ場も気持ちが良かった。
今と違い、あの頃は情報が少なかったから、出会った人からの情報がとても貴重だった。それに普段は見知らぬ人と話などすることはないのに、こうした旅行ではよく出会った人と話をしている。
そうした出会いを36年経っても案外忘れていないことに驚く。景色は写真がないと思い出せないのに面白いものだと思う。
では、このへんで(次回に続く)
天人峡観光
http://www.welcome-higashikawa.jp/areaguide/tenninkyo/
大雪高原沼めぐり
https://www.env.go.jp/park/daisetsu/data/numa-meguri.html
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