Hakuto-日記

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再び来たぜ、北海道 【北海道バイクツーリングの思い出8】

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(プリントをデジカメで複写)

1984年8月、初めて北海道バイクツーリングをした。

終わった時「さて、来年も行くか!」と感想を書いた。

そして、そのとおり翌年もやって来た。

 

実はこの間の2月初め、夜行列車に揺られて函館までやって来た。そこから洞爺湖、そしてお気に入りの小樽を一人旅している。

 

これで一応北海道の中央から西側、南側へ行ったことになる。残るは東側の道東だけである。

 

そこで、2回目のバイクツーリングでは道東を回ることにした。

撮影旅行でもある今回のツーリング

2回目ともなるとだいぶいい加減で、簡単なコースと走行距離くらいしかメモしていなかった。地図を見ながら少しずつ思い出したことを書いていこうと思う。

 

このときは写真学校の夜間コース2年目で、ダートを走るというよりも写真を撮るのが目的になっていた。

 

あの頃、北海道といえば前田真三氏のシンプルな構図の写真が有名で、特に美瑛の丘の写真が人気だった。同じ写真を撮っても仕方がないのだが、やっぱり撮りたい。そうして出来上がった写真を見てあまりの違いに落ち込むのだ。

 

写真機材でいえば、前田真三氏はあの頃4X5(シノゴ)や8X10(エイトバイテン)という大型カメラで撮っていて、35ミリとは写真の粒子の細かさが大きく違っている。

 

アメリカのお気に入りの写真家、アンセル・アダムスはヨセミテ国立公園を8X10で撮っている。こちらはモノクロームで焼き付けの際に白から黒までの階調を整えてファインプリントと呼ばれる美しいプリントを作り上げている。前田真三の写真もカラーではあるが負けず劣らず美しい。

 

こうした機材もさることながら、実はその土地にじっくり腰を落ち着けて、その景色の一番いい状態の時にシャッターを切っていることが、素晴らしい写真になった秘訣であることにこの時は気がついていなかった。よほど運がよくなければ、ちょっと遊びに行って撮った写真が、その土地を知り尽くした人の撮った写真にかなうわけがないのだ。

 

今回のツーリングコース

今回のツーリングコースの概略は次の通りだ。

 

北海道へは前回と同様に東京からフェリーで苫小牧に入る。そこから富良野、美瑛を通り旭岳キャンプ場。

 

翌日は天人峡、大雪高原、美幌峠から屈斜路湖畔。次の日はオンネトーへ行き能取湖から羅臼。

 

そして羅臼からカムイワッカ、乙女の涙を見て再び羅臼から野付半島のトドワラ、そして塘路湖畔。

 

最終日は岩保木山から釧路湿原を見下ろし、釧路港からフェリーに乗った。

 

苫小牧から旭岳の麓へ

早朝にフェリーが苫小牧港に着くときのあの感動をもう一度ということで、東京港から日本沿海フェリーで苫小牧に向かう船に乗った。

 

残念ながら2回目というのは、あの初めての時と同じ感動は味わえなかった。初めてというのはたった1回限りで、そのことがとても貴重な体験であるということだ。

 

下船するときに皮のツナギを着た大型バイクのお兄さんに出会った。たぶん同じくらいの年かちょっと上くらいだったろうと思う。ロングヘアで背が高くすらっとしていた。

 

今回は9月の連休(敬老の日が15日で日曜日のため16日が振替休日)を利用し、有給休暇を加えて8日間の予定だ。今回も北海道滞在は5日間となる。昨年は8月下旬でも寒かったので9月ともなればやはり肌寒い。そこでその皮のツナギのお兄さんに聞いて見た。


「皮のツナギだけで寒くはないですか」
「それが意外と風を遮ってくれるので寒くないんですよ」ということだった。自分はこれまで一度も着たことがないので確かなところはわからない。けれどその姿は実にカッコよかった。

 

その人とはこれから向かう方向が同じことがわかり、途中まで一緒に走ることにした。

 

昨年の最後に通った道を逆にたどり、日高手前の富川で左に折れる。そのさきの平取町で一緒に朝食を食べる。さらに北上し金山でそのお兄さんと別れた。彼は金山湖に向かい、こちらは富良野を目指す。

 

走っていると「麓郷の森」と書かれた看板が目に入った。

 

数年前、ここ北海道を舞台にした『北の国から』という連続ドラマが放映され、とても人気があった。そのことは知っていたのだが、ちゃんと通して見たことがなかった。それでもミーハー気分で麓郷の森へ行ってみることにした。

 

『北の国から』はご存知方も多いと思うが、81年10月から82年3月まで放映された。麓郷の森はそのロケ地になったところで、撮影が終わったあと主人公の五郎が建てたという家が展示してあった。

 

ドラマはその後スペシャルとして83年から2002年まで放映されたそうだ。

 

つい先日、五郎役の田中邦衛さんが亡くなられたが、そこはいまでも人気のある施設だという。

 

行ってみるとその一角だけ観光地となっていて、大型バスが駐車場に止まっていた。駐車場から歩いて行くとその先に開けたところがあり、少し離れて家が数軒建っていた。こうした暖かい時期に見れば自然に包まれて「癒されるなあ」などと感じるのだが、冬の寒さを想像するとやはり住むには厳しすぎると思った。

 

そこから富良野の街に出て昼食。今度は丘のまち美瑛に向かう。するとそこにはまさに前田真三の世界が広がっていた。なだらかに続く丘、ところどころに生えている木々。

 

前田真三の切り取った風景がフレームから溢れ出ていた。興奮して自分もシャッターを切る。

 

この日はそこから山の方へ向かい、旭岳麓のキャンプ場に泊まった。

 

 

 

この日のまとめ

f:id:Hakuto-MA:20210503204003j:plain(プリントをデジカメで複写)

 

早朝に苫小牧に到着し、気のあったお兄さんと金山まで一緒に走る。あのとき「オンロードもカッコいいな」と思った。いや、背が高くすらっとして大型バイクに跨る姿がカッコよかったのだ(それもあり、後年オフロードからオンロードに転向した)。

 

麓郷の森ではミーハーとなったがドラマをよく見ていなかったので今ひとつ盛り上がらなかった。

 

けれど美瑛の景色は美しかった。前田真三さんがここに魅せられたのがよくわかる。あの頃、時代はバブルに向かっていて皆が豊かな生活を実感し始めた頃だった。そんな心にゆとりのあった時代に前田真三の静かな風景写真が見事にマッチしたのだろう。

 

では、このへんで(次回につづく)

 

 

前田真三写真集 

 前田真三カレンダー

 

アンセル・アダムス写真集

 

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