年季の入ったダナーライト。
昨年の山行時にとうとうボロボロになった。
さすがにもう履けないなあ、そう思って下駄箱の中に入れっぱなし。
その時のことは以前ブログに書いた。
こうして約1年半が過ぎ、ついに修理をする気になった。
どうしてこれまで放っておいたのか、それは修理代が高そうだからである。
ではどうして今回修理する気になったのか、それはプロに頼まず自分でやってみようと思ったからだ。
多少見た目が悪くても、山でしか履かないのだからそれでもいいと心が納得したからである。
では、リペアの過程をご紹介します。
もし、これからやろうと思っている人、それも安く仕上げようと思っている方の参考になれば幸いです。
リペア前の状態
昨年4月下旬の山行により、雨と岩でボロボロになったことは以前のブログで紹介した。その後、キャンプで一度履いたきりなので、その時の状態とほぼ変わりがない。
それにしてもよく見ると結構傷んでいる。
街で履く分にはなんとかなると思うが、山歩きに使うとなれば寿命は早く来るだろう。
ともかくもう無理というまで履いてやりたい。
リペアのための準備
リペアのために行ったこと、それは、以前にも調べたことはあるけれど、改めてYouTubeでプロが行った方法とDIYで行ったブログ記事とで勉強し直したことである。
YouTube動画では触れられていない部分がブログ記事にはあって参考になった。
まず、リペアする上でよくわからなかった点について整理しておきたい。
不明点その1)動画やブログで使われている道具を揃えると結構お金がかかる。もっと安上がりにする方法は?
不明点その2)塗料となるクリームを薄めるために専用の液が必要なのか。
これらについては、以下の記事の中で述べていくことにする。
まず、道具として必要なものは次のものたちである。
- 馬毛ブラシ・豚毛ブラシ。馬毛はほこりを落とすのに最適だとか。豚毛はクリームを塗った後に馴染ませたり艶を出したりするのに適しているとのこと。
- パレットあるいは小皿。これは染料を混ぜ合わせて好みの色を作るため。
- 靴クリーナー。汚れ具合に応じて、固く絞った雑巾も有効。水性洗浄剤タイプ、乳液タイプ、クリームタイプ、洗剤タイプなどがある。
- ボロ切れ。クリーナーで浮いた汚れを拭き取るため。そのほかにも。
これに補修剤が必要となる。
ただ、いちいちすべてを買い揃えるのはもったいない。
そこで、馬毛ブラシは持っていないので豚毛のみで対応。なお、細かいところは歯ブラシを使用した。
パレット代わりには、持っていた100均のステンレストレーとプリンの空き容器を使用。また、塗る範囲が広いので筆(タミヤの安いやつを購入)を使うことにした。
クリーナーは、登山靴用にもっていた水性洗浄剤(Grangers Footwear & Gear Cleaner)を使用。
このほか、作業時の汚れ防止としてダンボールを敷いてその上で作業をした。
さて、さまざまなサイトで圧倒的に支持されていた着色補修クリームは、SAPHIR レノベーティングカラー補修クリーム。ただしこれは1,500円くらいする。1本だけならいいのだが、どうも3本程度の色を混ぜ合わせる必要があるらしい。
ではどんな色を混ぜ合わせたら良いのか。ある方靴の場合、ブログには3番、5番、19番を使ったとある。
しかし、3本となると4,500円。ちょっと気が引ける。
同じようなものでもっと安いものはないものか。あった。それもコロンブスという日本製。こちらはなんと440円。これなら3本でサフィアの1本よりも低価格。
では、サフィアの製品とコロンブスの製品との違いは何か。それは、サフィアの方にはパテの成分が含まれていて、コロンブスにはないということ。だからコロンブスの補修クリームを使うとき、深い傷などがある場合はアドベースというパテで埋めてやる必要がある。価格は補修クリームのアドカラーと同じ。
当然、コロンブスの製品を購入した。
作業手順
1 ほこり落とし
まずはブラシでほこりを落とす。
2 汚れ落とし
クリーナーを使って汚れを落としていく。
3 サンドペーパーによる皮の地ならし
ボロボロになった皮を落としてなめらかにする。
4 窪んだ部分にパテを塗る(補修クリームを混ぜる)
パテ(アドベースは白色)を仕上がりより薄い色と混ぜて窪んだ部分に筆で塗る。
購入したコロンブスのアドカラーは、サフィア・レノベィティングクリームの3、5、19番に近い色でキャメル、薄茶、濃茶の3種類。それとアドベース。
こちらはヨドバシ・ドット・コムで1本381円で購入できた。
ただし、薄茶の在庫がなく、少し遅れて送られてきた。このため最初のパテ埋めでは、アドベースにキャメルと濃茶を混ぜて窪み部分に厚めに塗りつけた。しかし色味はだいぶかけ離れてしまった。
5 サンドペーパーで凸を削る
サンドペーパーで表面の凸を削り、なめらかにする。
6 補修剤の色の調合
補修剤の色を調合して今の靴の色に近づける。キャメルと濃茶の混ぜ合わせでは普通の茶色になったので、あわてて黒色を追加購入した(焦茶を作るには黒を混ぜることがわかったため)。
ぼくのシューズの場合、キャメル2に対して薄茶1、これに少しずつ黒を加えていくとかなり近い色になった。
7 塗装する
はじめはすこし水で薄めて全体に塗り広げた。乾かして再度塗り重ねる。最後にもっとも違和感のない色となるように、そして少し多めに調合して広い部分に塗り広げる。塗料が余ったら、細かいところにも塗って行った。
それは、もし塗料がなくなった場合でも細かいところなら後から調合した色が少し違っても目立たないだろうと思ったからである。
8 コバを黒く塗る
最後に、コバに黒色のアドカラーを塗って完成。コバはかなり毛羽立って凸凹があったため、初めは水を加えて細かい隙間にも黒色が入り込むようにした。
水を使ったのは、コロンブスのサイトに「水を少量加えると混ぜやすくなります」とあったからである。
こうして塗り上がったのが次の写真である。
履く前に最後の仕上げ
以上でリペアは完成なのだが、メンテナンスとしてやっておきたいことがある。
それは、皮を長持ちさせるためのものである。
まずは、デリケートクリームを全体に塗布。さらに、皮の硬くなった部分にミンクオイルを塗った。皮の端っこあたりはかなり乾燥してしまっているため、指で塗ると指先が少し痛かった。もっとこまめに手入れをするべきだったと反省。
最後に撥水スプレーをかけたら使用前のメンテは終了。
この後、実際に山登りに履いて行った。ちょっぴり気をつけて歩いたこともあるけれど、いきなり大きく塗装が剥げるというようなことは起こらなかった。
大山登山で5時間歩行。天気は曇り。特にぬかるみはなし。
下山直後の状態は次の写真。
これならもうあと数年は使えそうだ。
最後に
ぼくのダナーライトは復活した。
どうして急にそれも自分でリペアする気になったのか。
それは今週末から屋久島に行くことにしているからだ。
できるだけ荷物は減らしたい。でもずっと登山靴(モンベル・アルパインクルーザー2300)だけで通すのはちょっと辛い。
その点、ダナーライトは街でも山でもいける。
そんなことで修理する気になったのである。
そして、仕上がりが思った以上になったのがなにより嬉しい。
まさかここまで復活するとは。
ぼくの登山の原点である大山登山。
ここで試し履きをして、とりあえず屋久島に履いて行っても大丈夫そうであることがわかった。
ただ、体の方は現在筋肉痛。
天気はあまりよくなさそうだ。果たして歩き切れるかどうか。ちょっと心配ではある。
では、このへんで
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