Hakuto-日記

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キャンプでつかうアルミ鍋 アルツハイマー病に関連はあるのか?

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Andrey MuzychukによるPixabayからの画像

 

先日、アルミの熱伝導率が高いので焦げ付きにくい理由をを書きました。

challe.info

 

キャンプ用のクッカーってアルミが多いですよね。

 

そう言えば昔騒いだアルミニウムとアルツハイマー病との因果関係はどうなったのでしょう。

 

調べてみた結果は、どちらの主張も正確性に欠ける、というものでした。

現段階では関連性があるかどうかはわからないということです。

 

それはひょっとして病気の原因の可能性があるってこと?

いえいえ、どうやらその可能性はほとんど考えられないということがわかりました。

 

今回はそのあたりを解説します。

 

【目次】

 

 

アルミニウムとアルツハイマー病に関連はあるのか

 

アルミニウムがアルツハイマーを引き起こすかもしれないというニュースは、1996年3月15日、 毎日新聞朝刊の報道が発端だったとウィキペディアに書いてありました。

 

もう四半世紀も前。そんなに昔のことなんですね。


ということは、若い人はこんなニュースで世の中が騒いだことも知らないということになりますね。

 

若い方がこれを読んでいたら、昔こんなことで騒いでいたんだなあと思ってください。


国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報、アルミニウムの安全性について (Ver.190711)により、アルミがアルツハイマー病の原因になっているとする研究といやいやそんなことはないという研究との両者の主張と問題点をまとめると次のとおりです。

 

関連があるとする研究報告

  • アルツハイマー病患者は、アルミニウムが含まれるベーキングパウダーを使用した食品摂取が多く、脳のアルミニウム蓄積が認められた。
  • 飲料水中のアルミニウム濃度が高い地域や慢性的なアルミニウムの暴露によりアルツハイマー病の発症率が高かった。

この研究の問題点

  • アルミニウム以外のアルツハイマー病の発症要因が考慮されていないこと
  • その他の飲食物による摂取量が考慮されていないこと


関連がないとする研究報告

  • アルミニウムを多く含む医薬品 (制酸薬) の摂取や飲料水中のアルミニウム濃度、職業的アルミニウムの暴露とアルツハイマー病や記憶力に関連性はなかった。

この研究の問題点

  • アルツハイマー病に対するリスクの考え方に一貫性がなく、正確性に欠ける。

 

WHOのEHC (Environmental Health Criteria;環境保健基準)の報告結果

「アルツハイマー病の発症とアルミニウムの因果関係は完全に否定はできないが、アルミニウムの摂取が原因でアルツハイマー病が発症するという根拠もない」。

 

 

以上のとおり、因果関係があるかどうかは今のところ不明ということでした。

 

 

 

アルミ鍋からはどのくらいアルミが溶出するのか

 

もし、関連があると仮定したとすると、アルミ鍋からはどのくらいアルミが流れ出るのか知りたいですね。

 

同サイトによれば、すべての加熱調理をアルミニウム製の調理器具でおこなった場合の摂取量は、1.68 mgと推計されるそうです。


ちなみに容器包装からのアルミニウム溶出は、アルミ箔製品から0.01 mg、飲料缶0.02 mgで、合計すると1.71mgになります。


これだけだと多いのか少ないのかわかりませんね。

 

 

実は食べ物にもアルミは含まれている

 

食べ物にもアルミが含まれているって知っていましたか。
それは主に食品添加物で厚生労働省のアルミニウムに関する情報によれば次のとおりです。

 

アルミニウムは、天然にも土壌、水、空気中のちりなどに広範に存在します。土壌などから吸収されたアルミニウムが野菜、穀類、魚介類などに微量に含まれるほか、膨脹剤、色止め剤、品質安定剤などの食品添加物にアルミニウムが含まれています(表1参照)。


表1 アルミニウムを含有する食品添加物の用途と対象商品

用途
主な対象食品
膨脹剤(ベーキングパウダーなど)
一部の菓子パン(メロンパンなど)、焼菓子(スポンジケーキなど)、
 
揚げ菓子(ドーナツなど)、蒸し菓子(小麦饅頭など、蒸しパン)など
色止め剤
漬物(ナスの漬物、シソの実漬など)
形状安定剤(煮崩れ等の防止)
魚介類(たこ、いか、くらげ、うになどの魚介類)など
品質安定剤
野菜等(芋、豆、ごぼう、れんこん、栗など)の煮物
着色料
食品全般


なお、大部分のパンと菓子パンは、パン生地を膨脹させるために「パン酵母」を使用しており、膨脹剤は使用されていません(パン酵母の発酵過程で発生する炭酸ガスにより生地が膨脹します)。

 

 

 

1日のアルミ摂取の許容量はどのくらいか

 

以上のとおり、人はアルミを食品や調理器具、容器包装から摂取しています。飲料水にも含まれています。

 

では、アルミは健康に役立つのでしょうか、そしてどの程度とればいいのでしょうか。また、どの程度までなら安全といえるのでしょうか。

 

残念ながら、アルミニウムの体内の働きについては、はっきりと解明されていないそうです。ただ、地球上にアルミは多く存在するため、摂取しないでいることは無理なようです。

 

では、どの程度までなら安心といえるのか。

 

WHO(世界保健機構)では、1日あたりの摂取量を2.5mg〜13mgとしています。MAFF(英国農漁食料省)3.9mg、SNFA(スウェーデン食品局)12.1mg、FDA(米国食品医薬品局)9〜14mgとなっています(「アルミニウムと健康」より)

 

日本国内での摂取量は、平成30年の内閣府食品安全委員会の資料によると、食品、アルミの調理器具からの溶出、飲料水など全てから摂取するアルミニウムの推定摂取量は、成人の場合0.69mg/kg体重/週となっており、PTWI (2 mg/kg体重/週) を下回っています。

 

PTWIとは、食品の安全性を評価している国際機関(JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)が定めた、人が一生涯摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される暫定的な許容量(暫定耐容週間摂取量、PTWI) で、アルミニウムの摂取量を体重1kg、一週間当たり、2mg と設定しています。 

 

たとえば、体重60kgの人は、2mg×60/7 でPTWIの基準だと1日あたり17mgとなります。

 

日本の成人の場合、0.69mg/kg体重/週ですから、60kgの人は1日あたり5.9mgの摂取量ということになりますね。

 

 

なお、アルミの飲料缶は酸や塩の影響を受けて溶解性が高まるので、コーディングが施されています(現在はスチール缶も同様)。 

 

 

 

体内に入ったアルミの99%が体外に排出される

 

このように食品や飲料水から摂取したアルミニウムは、99%以上は摂取されずにそのまま排泄され、残りの1%も腎臓を通って尿として 体外に排出され、吸収されるのはおよそ0.1%ということです。

 

 

 

まとめ

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

これまでの話をまとめると、アルミがアルツハイマー病に関連しているかどうかは現段階ではわからないということ。もし関係しているとした場合でも、アルミ鍋によるアルミ摂取量はわずかなので心配する必要はない。

 

また、食品に含まれるアルミと合わせても、日本の成人は国際基準からみてかなり少ない摂取量だということでした。

 

なお、アルミ鍋は酸やアルカリに弱く溶け出しやすいため、使ったらすぐに別容器に移し替えるのがよいということです。なるべくなら摂取量は少なくしたいですね。


おまけです。

 

以下のブログにアルミの文化鍋で炊いたご飯についての感想が載っています。

鍋によりそれぞれ炊きあがりが違うという面白い記事でした。

 

たまには鍋でごはんを炊くのもいいですね。

 

粘り、甘みのバランス抜群のご飯が炊ける文化鍋。

粒がしっかりと立っていて、なおかつ粘りや甘みも程良い。鍋炊きでは最もバランスが良く、食べ応えのあるごはんだ。

ただ、人によっては、若干硬めに感じるかもしれない。

 

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