金峰山、瑞牆山に山行した結果、今後の使用に問題が生じた登山用具がある。
物を大切にする、もったいない精神でこれまで使ってきた。
残念ながら今後も使うには修理する必要がある。ただ、それでも不安が残る。
いずれにしろ修理せずにそのまま使うには問題がある。
今回はそんな登山用具の見直しを行ったのでその話。
レインウェア
現在使っているレインウェアはモンベルのストームクルーザーだ。
そういうと、現行の製品を思い浮かべる方も多いと思うが、実は40年も前のもの。
レインウェアなんてそうそう出番があるわけでもないし、それに20年数年も本格的な登山をしていなかったため、タンスに仕舞い込まれていた。
だから、見た目には問題はない。
そんなレインウェアの経年劣化に気づいたのは3年前の自転車による日本一周の最中だった。最中と言っても出発して2日目のことである。
雨の2日目、レインパンツのシームテープが剥がれてきた。気がついたのは古河のホテルにチェックインして部屋で脱いだ時だった。
「こりゃひどい、もうだめだ」と思って夕方、古河の街に出てレインパンツの売っているところを探す。
運良くたまたまあったホームセンターで買うことができた。
しかし、ホテルに帰ってジャケットの方のシームテープも剥がれてきたのを見つけ、シームグリップというリペア剤をAmazonで買ってその先に予約したホテルで受け取り、そこでせっせとテープを貼り付けた。
もう手がベタベタになり大変だったが、その後はなんとか剥がれずにすみ、日本一周を終えても大丈夫だった。
ちなみにパンツの方は使わないので、お土産を買ったときに一緒に家に送り返した。
旅を終えてから残り少なくなったシームグリップでパンツの方も簡単に修理した。
要するに今回の金峰山で一日中履いていたレインパンツのシームテープがもうベロベロに剥がれてきたのだった。
そんな状況なので、瑞牆山では晴天なのに途中で脱ぐことができなかった。
実は今回ジャケットの方もそのとき剥がれていなかった襟りゃフードのシームテームが剥がれてきてしまった。
登山靴
山行に履いていった靴はダナーライト。
こちらも30年以上経つ年代もの。
これまでしばらく山には履いて行かなかったが、たまに雨や雪の日に履いていた。
しかしやっぱり手入れをしていなかったせいだろう。履き口の皮が破れてきていた。
定年前にもう一度この靴で登山をしようと思い、履き口を修理(交換ではなくもう一枚薄い皮を被せる)してもらい、さらにソールも張り替えてもらった。
このシューズは軽い上に完全防水(ゴアテックスブーティというものがライニングされた先駆け)。ビブラムソールが程よい硬さで滑りにくく、また、アウトソールとミッドソールとの間に硬いプラスチックの板が挟んであり(現在はこれがないものもあるようだ)、多少石がゴロゴロしていても足の裏が築き上げられて痛くなるようなことがない。
ただ、それでも登山靴というよりはトレッキングシューズの部類なので、小さな岩の出っ張りにつま先を乗せるような登り方には不向きである。
今回の金峰山、瑞牆山では鎖場などの岩場がたくさんあった。
すると、つま先部分が結構岩に削られるのである。さらに雨が降って皮が柔らかくなったところにこれをやったので、もう皮がボロボロになってしまった。
たぶん、ゴアテックスはまだ健在だとは思うのだが、このまま履き続けるとさらにダメージは大きくなるだろう。
ダウンジャケット
登山用具として使っていたわけじゃないけれど、ダウンジャケットもよれよれになっている。
ブランドとしてはアウトドアのCAMP7というものなのだが、ライトオンで買ったタウン用のダウンである。
これも日本一周に持っていったものだが、ナイロン生地の隙間から年中フェザーが飛び出してくるというシロモノである。
もう長いこと使っていて、袖口のゴムがびろびろになっている。お店の人に勧められてXLを着ていたのでゴムが伸びると手がすっぽり隠れてしまう。
日本一周中、火のついたガスストーブの上に袖を持っていってしまい、あわや穴が開くところだった。少し生地が溶けてしまっている。
さて、どうする?
金峰山、瑞牆山に行ったのはゴールデンウィーク前半の4月28日から30日。
後半も山に行く予定にしていた。5月2日は仕事が入っていて、5日はパソコンボランティアで会場の使用報告などの事務手続きをする係にあたっていた。
だから3日から4日にかけて、金峰山、瑞牆山と同じようなパターン(途中でテント泊して軽いにで山頂を往復)でいける山を探していた。
5月1日はフリーである。
この日、かなりの雨が降っていたが、海老名のららぽーと内にあるモンベルまで出かけてきた。
ここで一気に必要なものをまとめて購入した。もう勢いである。
まずはレインパンツ。
モンベルのレインパンツはなんと9種類もある。
大きく分けるとゴアテックスと、モンベル独自のドライテックという防水透湿性素材に分けられる。
もちろんゴアテックスと言いたいところだが、ゴア製品のなかに気にいるものが見つからなかった。トレントフライヤーという製品は軽くてコンパクトなのだが、柔らかすぎて強度に不安を感じた。バランスの良いストームクルーザーはサイドの防水ジッパーが硬いのでいまいち気に入らない。
最終的にドライテックのレインハイカーという入門用のものがストームクルーザーとほぼ同じ重量でコンパクト性に優れていて気に入った。
ただし、防水性能はゴアの50,000mm以上に対し20,000mm以上、透湿性は35,000g/㎡・24hrsに対し8,000g/㎡・24hrsと性能は低い。
シームテープベロベロのストームクルーザー(当時は上がセット売り)パンツは嵩張る上、重量を測ると241gだった。
購入したレインハイカーは197g(平均・カタログ値)で丸めるとかなりコンパクトになる。
続いてダウン。
こちらは重量、コンパクト性、プライス、さらにバイクに乗るときにフードが邪魔なのでフードなしという基準でスペリオダウンに決定。
CAMP7よりかなりコンパクト。
出典:モンベルオンラインショップ
さて、経年劣化の中には入れなかったが、ダウンシュラフも購入した。
富士見平のテント泊ではダクロンの3シーズン用を持っていったが、これが寒かったのと嵩張ることがネックになっていた。
そのため着替えや防寒用のシャツが入れられなかった。
同程度の保温性でダウンシュラフにすれば、ダクロンの約半分くらいの大きさになる。
そこで定番の#3を買う。
【収納サイズ】∅13×26cm(3.0L)
【適応身長】183cmまで対応
【快適温度】 4℃
【使用可能温度】 -1℃
出典:モンベルオンラインショップ
最後に登山靴である。
こればかりは足にフィットしていなければならない。
試しにサイズを出してもらう。厚手のソックスも用意されていたので、そのソックスを履いてシューズに足を入れる。
すると、スポッと足が納まった。なんとぴったりなのである。こんなことは滅多にない。
紐を締めて専用の試し歩き用の三角の台の上を歩いてみる。
ダナーライトより靴自体ががっちりしている。でこぼこも足の裏に感じにくく、捩れに強いことがわかる。
それなのにソールは柔らかめで少し沈み込むのがわかる。
ソールのゴムが柔らかいのだ。これがモンベル独自のトレールグリッパーというやつなのだと思った。カタログにはグリップ力があって摩耗にも強いと書いてある。
摩耗に強いのかどうかはわからないが、グリップ力はありそうだ。
ともかく金峰山や瑞牆山のような岩場がある山を歩くにはぴったりの靴で、履いた時から足にぴったりなのだから買わない理由はない。
問題は値段である。
十数秒もったいをつけてから店員さんに「これにします」と言った。
最後に
以上が見直した登山用具である。
このあとレインハイカーを除いて次の山で使用したので、その結果もあらためて感想を書いてみようと思う。
気がつけば山用品はほとんどがモンベルになった。
とくにモンベルのデザインが好きだからというわけではない。製品の質とコストパフォーマンスが高いので自然とそうなっただけなのだ。
これらの用具を駆使して、安全に百名山に挑もうと思う。
では、このへんで
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