11月3日は文化の日。
この日は晴れの特異日と言われ、九州での晴れの確率は高い。
そこでこの祝日と土日をつないで連休となるように休暇の希望を出したところ、うまく休みを取ることができた。
そうしたらその前日の2日も休みのシフトとなり、これで5連休が与えられた。
当初から山に行くことは考えていたけれど、どこの山とは決めていなかった。
それが5連休。
こうなったら有効に使いたい。
そこで調べたところ、九州にある百名山は6座あり、屋久島を除き、5山をうまく繋げば4日間で登ることができそうであることがわかった。
九州五山巡り計画
「九州 百名山」で検索していたら、4泊5日で九州にある百名山を5座制覇した人のヤマレコだかヤマップだかの記事が見つかった。
1日目は九州に到着して前泊、2日目は九重山と祖母山、3日目以降阿蘇山、霧島山、開聞岳の順で1日に1座ずつ回っていた。
ものすごい健脚なのか。そう思ったが、同じルートの標準コースタイムを調べると貧脚のぼくにもなんとか回れそうだということがわかった。
移動手段はレンタカー。テント泊は無し。
こうしてまずは飛行機の格安チケットを確保し、次に登山口近くの宿を探した。宿は最初の日だけは少々高めのところしか見つからず、あとはゲストハウスとビジネスホテルを確保できた。
最後はレンタカー。大分空港で借りて鹿児島空港で返却ということで検索したところ、「見つかりませんでした」という返事。他のサイトでも同様。
そこで個別にトヨタレンタカーで調べてみるとレンタル可能であった。ただ、帰りの航空便を翌朝の便にしたため(もちろんこちらの方がかなり安かったから)、前日に鹿児島中央の営業所に返却した方が翌日のバス代を考慮しても割安だったので前日返却とした。
こうして移動手段、宿の手配が完了し日本百名山の九州五山に登るための準備を整えた。
なお登山する順番は、少し変更して九重山、阿蘇山、祖母山、霧島山、開聞岳の順とした。
出立
格安空港券(Peach)で予約したのでわざわざ遠い成田空港までやってきた。我が家からはちょうど3時間かかった。
到着は12時ちょっと過ぎ。あゝ、腹減った。
搭乗手続きを済ませてからレストランを探すもどこか分からず、そのまま出発ロビーに行く。荷物の数と大きさ、重さのチェック(大きさ制限のほか、荷物は2つまで、重さは7キロまで)を受けてエスカレーターに乗る。
案内表示に促されるまま進んでいくとやがて人間が一人立っていて、搭乗券のチェックを受けた。さらに進んで手荷物検査だ。ザックに入れたカップの中に喫煙用ライター(ビッグミニ)が入っているが、一つはOKのはず。だがザックだけ二度X-RAYスキャンを通された。
幸い中を広げて確認されることはなかった。これはないしょだが、後で考えたら緊急用セットの中にビッグミニを入れていたのを忘れていた。
無事に通過して搭乗ロビーに行くと、ANAの売店があった。メニューは少ないがカレーなどを食べることができる。ここでかき揚げ蕎麦を食べた。
1日目、九重町長者原(ここのえまち ちょうじゃばる)泊
大分空港には定刻通り15時半に到着。空港内のセブンイレブンで行動食や非常食、そして明日の朝食用のおにぎりを買う。
空港を出ると目の前に各社のレンタカーの看板が見える。以前、仕事で来て到着が遅れたので急遽レンタカーを借りた。運転免許証をもってこなかったので部下が全て運転してくれた。
あのとき借りたオリックスレンタカーの看板を見てそんなことを思い出す。そのあとで宿泊したホテルもオリックスグループのホテルだった。
さて、トヨタレンタカーの看板はどこだろう。
通りまできて眺めると、遥か遠くに緑の看板が見えた。どうやらあれらしい。それにしてもトヨタだけポツンと離れているなあ。
営業所に行って名乗ると、受付の女性に「免許証を見せてください」といきなり言われる。テキパキしていると言えばそういえるのだがちょっと怖い。その後も早口で契約内容の確認とか保険の説明をしてくれる。
ビッツだったらいいなあと思っていたが、車種はパッソだった。
その女性は当然知っているだろうという感じで車の操作説明が必要かと聞いて来た。「お願いします」とエンジンの掛け方を教えてもらう。「ほかに聞きたいことは?」と言われたが、「わたしになにもかも説明させるつもり?」と思われそうだったので、「いえ、だいじょうぶです」と答えてしまった。
そのあと運転位置を調整したら、サイドミラーも調整したかったがやり方がわからずそのまま発進した。
車の運転なんて約2年ぶりだ。それにトヨタ車はあまり馴染みがない。これまで乗って来たのは三菱、三菱、三菱、シトロエン、マツダで、レンタカーもトヨタ車はノアくらいのものなのだ。
次いで疑問だったのが、シフトのSとB。まあ、とりあえずDポジションで大丈夫か。
いずれも翌日山道を走っているときに、一旦止まって再度ミラーのレバーを動かしたらミラーが動いたこと、下り坂でSモードにしてみたらうまくエンジンブレーキがかかったことで解決した。
初日、長者原の宿にはぎりぎり真っ暗になる前に到着。オーナーに夕食について尋ねると、レストランはやっておらず、夕食は食事付きプランの方だけだという。困ったなという顔をしていたら、近くのスーパーを教えてくれた。お弁当も置いてあるという。
荷物を部屋に置いてすぐに買い出しに出かける。外はもう真っ暗になっていた。慣れない車で夜道は走りたくなかったが、仕方がない。
行ってみると、残念ながら弁当は売り切れていた。
宿に戻り、まずは温泉に浸かる。他に誰もいない。たっぷり温まった。
2日目、九重連山の久住山に登る
11月3日、少し明るくなった6時過ぎに宿を出発し、牧の戸峠に向かう。15分ほどで到着。するとなんと駐車場はもう一杯になっていた。どこか空いていないかと探したら、どうにか1台分空いているところがあった。ラッキー。
6時25分、登山を開始する。
始めはコンクリートで舗装された登山道を登っていく。見慣れない景色そして見慣れない植生がこれまで見て来た風景とだいぶ違って不思議な気分だ。
少し上ると腹がゴロゴロ言い出す。昨夜の食べ過ぎのせいだろうか。弁当を買いに行ったスーパーで売り切れだったので代わりに自家製のさつまいもの天ぷらを買ってきた。
それが二本分(300〜350gくらい)もあろうかというビックな芋。それに持って来たアルファ米の山菜おこわを食べたのだ。明らかに食べ過ぎである。九重分れまで行けばトイレがある。まあ、そこまでは大丈夫だろう。
大分では自転車日本一周の時にも腹が痛くなって飲食店のトイレを借りたことがあり、あの時の切羽詰まった状況よりは全然ましだ。
沓掛山まで登ると、その後は平坦な尾根道が続く。
九重連山は標高が低いわりにはかなり高い所を歩いてるような気になる。それは雲が下に見えるからだ。この尾根道はいってみればスカイラインだ。
進行方向正面に太陽が上った。まぶしすぎてルートがよく見えない。早朝の太陽に向かう登山はあまり経験がない。
霜が降りてきていたので九州でも零下になるんだなぁと思う。日が当たってるところはそこがぬかるんでいた。
コンパスアプリのナビをオンにして、写真をたくさん撮っていたら、スマホのバッテリー低下のサインが出てしまった。ナビは相当バッテリーを喰うみたいだ。
やがて九重分れに到着。トイレのお世話になり、明るい気分で再出発。
九重分れまでは草原が広がっていたが、ここから先はほぼ火山の岩ばかり。そして最後の登り。
8時半少し前、久住山登頂。
ここから眺める景色を見ていると、今まさに、地球という星の上に立っているという感覚に陥る。ほとんど建物が見えいせいだろう。
そういえば阿蘇山が見えていたはず。
そんなことをすっかり忘れて降りて来てしまった。
時計を見ると8時45分。予定になかったが、これなら中岳まで往復できそうだ。
持っていた地形図は途中で切れていたが、コンパスアプリの地図がある。お陰で安心して足を伸ばせる。
こうして御池(みいけ)を巡って中岳に登り、天狗の城を登って九重分れに戻った。
九重連山にはピークがたくさんある。今回は久住山と中岳、沓掛山だけだったが他にもたくさん登る山がって面白そうだ。近くにピークがたくさんあるのでどれも登ってみたくなった。
つづく。
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