今回は、昨年から現在までに購入した登山用具について、実際に山で使用した感想を綴っていこうと思う。
いずれも長期使用ではないため、耐久性については今後の記事を待っていただきたい。
テント
製品名:アライテント トレックライズ0(一人用3シーズンテント)
昨年購入し、GWに初めて使用した。
金峰山、瑞牆山、両神山の登山で合計3泊したのでその使用感についてお伝えします。
設営について
風があればテントを広げてすぐに四隅にペグを打つ。風がなければ先にポールを通した方が設営しやすい。
四隅以外で地面に固定するのは、一般的なフライシートによるものではなく、テント本体から伸びているロープを固定する。ロープはフライシートの穴を通して外に出す方式である。フライシートからロープを伸ばすより強度が増すと考えられる。
ポールの差し込み口は斜めにカットされており差し込みやすい。そして反対側は袋状になっているため、いちいち反対側に回ってポールの先をグロメットに差し込む必要がない。
その代わり、撤収する際はポールを抜くのに少々手間取る。
使い勝手について
出入り口の反対側に吹き流しの通気口があるため、テント内でストーブを使った際に風が通って匂い(固形燃料を使っているので)がこもらない。
フライシートの前室は、そこで料理ができるほどの広さはなく、せいぜい靴を置いておくスペースだと考えた方が良い。
それも、風雨が強いとフライシートの下の隙間から泥の跳ねが靴の上まで上がってくるため、シートなどを靴の下に敷くかかぶせておいた方がよい。
それでも、フライシートのファスナーを閉めたままテントの出入り口を開けて置けるので、靴の脱ぎ履きがここで行えるのは便利。雨の日もテント内を汚すことがない。
また、ストーブを使う際も出入り口を開けておくことができて酸欠にならずに済む。ただし、周りに燃えるものは置かないこと。万一テントが燃えた時は、急いで外に飛び出すこと。
出入り口を開けた時に丸めて留めるフックは、留める時はいいのだが外しにくい。見ないで下手にやると余計に絡まってなかなか外せなくなる。これには不満。
なお、吊り下げ式ではないため、先にテント本体を片付けることはできない。雨の中の撤収はびしょ濡れの覚悟を持って行うことになる。
居住性について
狭いテントではあるが、足元にザックを入れておくスペースはある。
そして、中心のテント高が100㎝あるため、ぼくの場合はマットの上に座っても頭をかがめずに座ることができる。頭がぶつからないというのは狭さを感じさせない。
また、天井部に物を引っ掛けたりするループが付けられているので、ライトを吊り下げたり、寝る時にメガネを引っ掛けたりできて重宝した。
なお、テント本体の下に専用のグランドシートを敷き、テント内には薄い銀マット(80㎝X200㎝)を敷いている。グランドシートはテント本体の汚れをかなり防げるため、汚れ落としの手間がかからない。
また、銀マットは格段に居住性がよくなる。ただし、グランドシートはコンパクトになって問題にはならないが、銀マットはかなりザック内のスペースを食う。
スリーピングマット
製品名:シートゥサミット コンフォートライト インサレーティッドマット
マイナス4度くらいを3シーズン用のダクロンシュラフで過ごしたが、背中からの冷えはまったく感じられなかった。
空気はパンパンに入れない方が快適性が増す。ただし、空気が少ないと座った時にお尻が地面に着いてしまう。
このマットは寝返りを打ってもカシャカシャという音が小さい。それでも気になる人には向かない。気にしなければ音は聞こえていても感じなくなる。
日本一周ではモンベルのフォームパッドを使用していたが、こちらはだんだんへたってくる。寝心地もエアーマットの方が断然快適である。そしてコンパクト。
しかし、欠点もある。それがパンクのリスクである。
テント下の尖った石で穴を開けないためにも薄い銀マットはあった方が良いと思われる。それにテント内でストーブを使う時は特に気をつけなければいけない。熱いストーブに触れたらひとたまりもない。
日本一周のような長期の旅の場合なら、今度もフォームパッドの方を選ぶだろう。
スリーピングバック
製品名:モンベル シームレスダウンハガー800 #3
定番商品である。
昨年改良されて外側に縫い目がなくなった。ストレッチ性は多少落ちたとのことである。
まだ一晩使っただけであるが、おそらく最低使用可能温度の−1°くらいを体験したので、その結果感じたことをお伝えしようと思う。
あまり比較しても仕方がないとは思うのだが、大昔にカモシカスポーツで買ったダクロンの3シーズン用シュラフやモンベルのダウンハガー650の2番を使用してきたので、それとの違いについて述べたい。
4月の終わりにダクロンのシュラフで–4°くらいを経験した。このときは寒くてまんじりともせずに夜明けを迎えた。この時と同じように両神山の清滝小屋でのテント泊ではダウンハガー800の3番でも寒く感じ、シュラフ内にダウンジャケットを入れて体に掛けた。
マットはシートゥサミットのエアーマットでどちらも同じである。どちらも下からの冷えは感じられなかった。しかし、ダクロンの方は足元が寒くてたまらなかった。体の方はダウンジャケットを掛けていればそれほどの寒さは感じなかった。
それが、ダウンハガー800#3では体の方は寒くてダウンジャケットをかけたが、足元の寒さはまったく感じなかった。
ここが大きな違いである。
また、顔の部分からの冷気の侵入は、しっかり顔の周りを締めていないとはっきりと感じられて首元が寒かった。
これは、ダクロンも同様。ここで、寒い時期に使用するにはネックバッフルという襟巻き状のチューブの有無が快適性を左右する。
このネックバッフルがあれば、ぎゅっと顔の周りを絞る必要がないのである。そして冷気の侵入が防げて首元が暖かい。
3番にこれがないのは夏の使用も考えてのことだろうから妥協せざるを得ない。
ファスナーは左右を選ぶことができ、噛み込まないように工夫されていて、実際にそうしたことは起こらなかった。これが噛み込むとすぐに抜け出せないなどストレスなので、ここは重要だと考える。
なお、ストレッチ性能は前モデルに比べて多少落ちているとのことだが、あまり自由に動けてもマットから落ちてしまうので、特に寒い時期では不都合は感じられなかった。
登山靴
製品名:モンベル アルパインクルーザー2300 Men’s
両神山へ行く直前に購入。馴らしもしないでいきなり登山に使用したが全くトラブルは生じなかった。
モンベルでの目的別の分類ではアルパインの残雪期登山に属する。6つに分類された表のハードな方から2番目である。
値段もさることながら、皮の素材は手入れが面倒なので布製を選択。ちなみに革製は約1万円高くなる。
店では、おなじ布製ではひとつ下のアルパインクルーザー800と比較してみた(履いてはいないけど)が、より硬くて捻れにくいのが2300だった。
重量はそれほどではないがテントを担いで登ることから、よりしっかりした2300を選択した。
これまで履いていたダナーライトはさらにその下のトレッキングに属するシューズと同様に思われる。
2300を履いて両神山を登った感想は、岩場でも足がぐらぐらしないので疲れないということ、岩場の登りでは靴が硬いので爪先に体重が乗せられること、モンベルがいう通りトレールグリッパーという独自ソールは滑りにくいことなどが優れた点である。
こうした昔ながらのマイペースな登山にはとても安心感のある優れた靴である。
一方、軽い荷物で軽快に、そしてスピード登山を目指すひとには向かない靴である。
両神山のような険しい山でもトレイルランニングをされている猛者もいたので、自分の登山スタイルに合った靴が一番だと思われる。
そして、長期滞在による天候の変化にも安心なのはアルパインに属するシューズであるといえよう。
最後に
テントはさまざまな種類があり、さまざまなテントがテント場に張られているのは見ていて楽しい。
こうしてさまざまなメーカーが機能性とコンパクト性を競ってくれているのはありがたいことだ。
スリーピングマットは、ユーチューブでエアマットの音なども聞けるが、実際に試して比較できる場所がない(あるかもしれないが少ない)のが残念である。
ダウンシュラフはダウン性能と縫製方法による違いが大きい。だが、よいダウンって一般の人にはわからない。いずれにせよダウンの性能を落とさないためにはいかに雨に濡らさないかということである
登山靴に関しては、一番大事なのは自分の足に合った靴を選ぶことである。今回ぼくはたまたまモンベルの靴(幅広ではなくレギュラーサイズ)が足にあったけれど、新しく登山靴を購入される方は、納得がいくまで試し履きをして選んでほしい。
では、このへんで
広告