7月の最後の金曜日、スーパーカブで群馬県の菅沼キャンプ村に向かった。
翌日の土曜日に奥白根山に登るためである。
その後、中禅寺湖畔の菖蒲が浜に移動し、日曜日に男体山に登る予定だ。
日本百名山の20座目と21座目になる。
キャンプ村受付は17時まで
7月29日(金)は職場の安全点検のため休みとなった。2泊3日で登山ができる。
さて、どこに行こうかと考えた。
少し前に奥白根山を調べて1泊で行く予定を立てていた。
ひょっとして男体山は近いんじゃない? と思って調べてみるとやっぱり近かった。
よしそれならと言うことで、奥白根、男体山を2泊3日で回ることにした。
ちなみにぼくの持っている「日本百名山 山あるきガイド」(JTBパブリッシング)では日光白根ロープウェイを使って登るコースが紹介されている。
しかし、前日泊して登る必要がある。我が家からは約210kmの距離なのだ。
そこで近くのキャンプ場を探すとそれは菅沼にあった。しかもそこから奥白根山への登山道が続いている。
また、男体山登山口である二荒山神社近くには菖蒲が浜キャンプ場がある。
どちらも麓にあるためテントをを担いで登る必要がない。
よって、今回はソロ用のアライテントではなく、自転車日本一周で使ったモンベルのムーンライトⅡを持っていくことにした。
ただ、例によって前夜の準備が遅くなり、当日は出発が9時半となってしまった。
適度に休憩を含め、スーパーカブで時速30キロ平均のペースなので7時間ほどかかる。これに昼食の時間が必要になる。ところが菅沼キャンプ村の受付は14時から17時となっている。つまり、昼食時間は30分以内と言うことになる。
ゆっくりして家を出たとはいえ、睡眠時間は足りない。ツーリングを楽しむ予定が少々辛いものとなってしまった。
平塚からのルートは129号から16号に入り、途中から離れてどんどん北上していく。続いて17号でさらに北上し291号に入る。そのまま行くと122号になり渡良瀬渓谷沿いを進んでいく。
沼田に向かう分かれ道の手前に道の駅があった。疲れがピークに達していたのでここで休憩。ちょうどよく四阿にベンチが置いてある。そこに座って目を閉じていたらいつの間にか眠っていた。
時計を見ると10分程しか経っていなかったが、なんだかスッキリした。
再び走り出すとすぐに左に沼田大間々線の62号・70号線が伸びている。そこを曲がると急に上り坂になりギアを落とす。
しばらく走っていくと懐かしい看板を見つけて昔の思い出に浸る。まず、老神温泉。ここは写真仲間と大蛇祭りを撮影に来たところだ。続いて吹割の滝。ここは職員旅行でも家族旅行でも来たことがある。
午後3時を回った頃だろうか、ちょうど峠のような場所で雨が降り出した。その先の木陰にバイクを停めて様子を見る。すこし小降りになったので再び走り始めるとまたすぐに雨脚が強くなり出す。
今度はしっかりとレインウェアを着ようと広い場所で停車する。ただ、雨は想定していなかったため、ウェアはザックの中だ。荷台のゴムを全て外すして取り出したので手間取った。次はすぐに取り出せるようにしておこうと思う。
今回はザックの他に日本一周で使った防水のダッフルバックにテントなどを入れてきた。また、パッド入りのジャケットも着てきた。このジャケットも登山中はダッフルバックに入れておくことができる。
その後再び雨は止んだが、あと少しでキャンプ場というところでさっきより激しい雨になった。
こうして16時50分、受付時刻終了間際にキャンプ村に到着した。
菅沼登山口から奥白根山
翌朝、4時に起床する。朝食は昨夜ダイソーメスティンで炊いた炊き込みご飯の残りを食べた。ところが炊き上がったのは芯が残ってなんとか食べられるというレベル。今朝は水を足しておじやにしてみたが、ボリボリと言う食感はそのままだった。
テントを畳んでバイクに括り付け、ザックを背負って6時に出発。登山口まで行ったところで水を汲んでくるのを忘れたことに気が付き、キャンプ場に戻って水を汲む。
こうして登山口から歩き出したのは6時20分だった。
道路脇の駐車場はほぼいっぱいになっていた。少し進んだ奥にも15台くらい停められる駐車場がある。その手前を右に折れて登山道が伸びている。
草原の中を歩いていくと明るいダケカンバの林に入る。そのあたりまではほぼ平らだが、その後は急な斜面の上りになる。道はまるで水の干あがった川底のように大小の岩が転がっていて、とても歩きにくかった。
登りが始まると息が切れて何度も休みながら登った。そうしていると後ろからきたパーティーにどんどん追い抜かれていく。しかしそのうちにだんだん体が慣れてきて、呼吸を整える回数が減っていく。
結局はさっき追い抜いていった人たちが休んでいるところを追い抜いたりして、上の弥陀ヶ池に到着したのは皆ほぼ同じになった。
その弥陀が池には8時7分に着いた。ほぼ標準タイムだ。
ピークはどこ?
弥陀ヶ池から一度稜線に出てから白根山を目指す。
奥白根山は、白根山というのが正式名称で、国土地理院地図にも白根山と記載されている。他の白根山と区別するために日光白根山と呼ぶこともあるし、前白根山に対して奥白根山と呼ぶこともある関東以北の最高峰(2578m)である。
稜線までも急な道だが、そこからもまたさらに急な斜面をほぼ一直線に登っていく。するとだんだん溶岩の塊がゴロゴロした道になり、富士山に登ったときのことを思い出していた。
登山者も小学生くらいの子供を連れた家族が結構いて、その子供たちが元気に登っていく。
登るにしたがってさらに勾配が増していく。岩の壁のようなところを乗り越えると狭い崖の上に出た。
そこから左へ少し広くなった岩の道を登っていくと白根山と書かれた標識があった。9時5分、「やったー到着だ」と思ったら、さらにその向こうに数人が集まって立っている小さな岩山があった。そしてその右側にも似たような場所がありそこにも数人が座っていた。
今いる場所だって頂上のようなものではあるが、さらにもうちょっと高い頂上が向こう側にありそうだ。
ただ、少し広い場所だったのでここで休憩することにした。そこからは真下に弥陀ヶ池、その向こうに菅沼と丸沼が見える。
10分ほどして下の弥陀ヶ池で追い抜いた人たちが登ってきたのでその後に続く。
数メートルをいったん下るのだが、三人組のおばちゃんたちのひとりが真ん中で座ったまま動けないでいる。「真ん中でこめんなさい。お先にどうぞ」というのでぞろぞろとそのおばちゃんの横をすり抜けて崖を降りていく。
再び登り返して左に行き、大きな岩を乗り越えるとそこが一番高い白根山山頂である。
先頭の中年男性二人組はポーズをとりながら写真を10枚くらい撮っていた。そのあいだにさっきのおばちゃんたちがやってきて、最後の大岩の前で騒いでいる。それを二人組の後に続いて登ってきたソロの女性がルートを教えていた。
二人組の写真が撮り終わったので次の女性に写真をとりましょうかと聞いたら写真は撮らないという。それではと、その方にお願いしてシャッターボタンを押してもらった。
写真を撮ってもらうとすぐに向こう側へ降りた。なにしろもうすでにおばちゃんたちが標識の前でポーズをとっている。
少し下るとそこには白根権現の小さな祠が建っている。そこで手を合わせて登頂できたことに感謝した。
ここでロープウェイの山頂駅と五色沼へ向かう道とが分かれている。白根山頂が狭いため皆この辺りで休んでいた。
この辺りは溶岩の岩だらけで殺伐としている。残念ながらガスが出てきて遠くの山は拝むことができなかった。
つづく
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