Hakuto-日記

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エゴグラムって知ってますか? 【性格の自己診断】

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[Gerd AltmannによるPixabayからの画像]

 
エゴグラムって聞いたことがありますか?
性格の自己診断ツールです。
 
心療内科などでは医師が診断のために用いています。
実はこのエゴグラム、簡単に自己診断ができます。
 
自分の性格の特徴を目で見ることができます。
 
それだけではなくて、相手のエゴグラムがわかると付き合いかたもわかってきて便利です。
 
以前、職場の部下にエゴグラムを作成してもらったことがあります。
 
気づかなかった発見があり、その後の部下との付き合い方にとても役立ちました。
 
今回は、そんなエゴグラムについて紹介します。

エゴグラムって何?

自分の性格って意外に自分ではわからないもの。
でも、エゴグラムを使うとそれがとてもよくわかるのです。
 
エゴグラムは、TA(交流分析)の自我状態の分析のためにアメリカのジョン・M・デュセイ博士が考案しました。
 
TAとは、フロイトの精神分析の流れから派生したもので、過去の体験や無意識といった目に見えないものを分析しなくても、相談室のクライアントの様子を観察すれば自我状態がわかることをカナダ生まれのアメリカ人の精神科医エリック・バーンが気づき、研究し発展させたものです。
 
人の心の動きは、言葉のみならず、筋肉あるいは臓器レベルでも観察することができ、この刻々と変化する人間の行動(言語、声音、表情、ジェスチュア、姿勢など)が自我状態を表しているのです。
 
エゴグラムは、この自我状態を5つに分類し、棒グラフにして示したものです。
 
グラフにすることにより、5つの自我状態のそれぞれの関係と心のエネルギーの量がわかります。
 
なお、デュセイのエゴグラムは直感法という専門家がクライアントを観察してグラフを作成しますが、日本では質問紙法のエゴグラムが開発され、自身でもエゴグラムを作成することができます。
 
エゴグラムで自己のパーソナリティを理解し、改善点を見つけ、より快適に生きていきましょう。
 

5つの自我状態を知る(こころの仕組みと働き)

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[press 👍 and ⭐によるPixabayからの画像]

 
私たちは自分の中に3つの私がいます。
 
それは、親「P」と成人「A」そして子ども「C」の3つです。
 
「P」(Parent)は、親から影響を受けた価値観や育て方などで、この「P」は父親的で批判的な「CP」(Controling ParentまたはCritical Parent)と母親的で療育的な「NP」(Nuturing Parent)に分けられます。
 
成人「A」(Adult)は、客観的で現実的な見方をします。
 
「C」(Child)は、子どもの心そのもので、本能的で自由奔放な子ども「FC」(Free Child)と親の顔色を伺う「AC」(Adapted Child)に分けられます。
 
以上のように、私たちの自我状態はCP、NP、A、FC、ACの5つに分けることができます。
 
たとえば、近くで火事があったとします。
 
「きっと火の不始末だな。もう少し近かったら我が家まで焼けるところだった。まったく何をやっているんだ」
 
「まあ大変。みんな無事に逃げられたかしら。無事であることを祈るわ」
 
「消防車が来てもう鎮火し始めている。今日は風もないから我が家まで飛び火してくることはないな」
 
「うひゃー、近くで火事なんてめったにみられないぞ。見に行かなくちゃ」
 
「火事なんて見たくないのに連れてこられちゃった。早く帰りたいな」
 
上から順番に「CP」「NP」「A」「FC」「AC」の自我状態です。
 
もう少し詳しく見ていくと、自我状態のそれぞれの機能には、肯定的な側面と否定的な側面があります。
 
これらをまとめると次の表のようになります。
 

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パターンを知る

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[Britta van ElkによるPixabayからの画像]

 

パターンで大まかな傾向をつかみ、エゴグラムを理解するのに役立てることができます。

けれど、逆に人をパターンに当てはめてみることは自分や他人を正しく観ることにはならないので注意する必要があります。

以下に代表的なパターンを示します。

 

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エゴグラムをどのように活かしたらよいか

エゴグラムの活かし方を話す前に、TAの基本的な考え方を知っておく必要があります。

人生の立場

人は生まれるとすぐに、通常は母親との間で基本的信頼関係が築かれます。

ところが、成長する過程で「そっちへ行っちゃダメ」とか「○○しちゃダメ」など否定的なストロークを受け取り、基本的信頼関係にゆがみが生じてきます。

そうやって成長して大人になるときに、自分や他人、世間に対しての感じ方や捉え方の態度が作られていきます。

この人生に対する態度は4つの立場に分けることができます。

①私もあなたもOK
 自他肯定
②私はOK、あなたはNOT OK
 自己肯定、他者否定
③私はNOT OK、あなたはOK
 自己否定、他者肯定
④私もあなたもNOT OK
 自他否定

 

エゴグラムでの人生の立場

 人生の立場とエゴグラムには相関があります。

CPが高い人はやや他者否定のところがあります。

NPが高い人は他者肯定、FCが高い人は自己肯定、ACが高い人は自己否定の傾向があります。

Aは人生の立場との相関関係はありません。

 

エゴグラムの分析

エゴグラムの分析にあたっては、次のようにしてみると理解しやすいです。

そのとき注意することは、全体の位置が高いか低いかということです。

エゴグラムは心のエネルギー量が反映されていますから、全体に低い位置にあるときは、エネルギーが不足しているということになります。まずは体調が整っているかどうか自分に問いかけて見ましょう。

次に注目するのは、一番高いのはどの自我状態なのか、2番目はどこかということです。

そして一番低いのはどの自我状態なのか、最後はAがどこに位置しているかをみます。

現在、なぜか生きにくいと感じていたり、自分のここがいやだ、あるいは人から欠点を指摘されて自分を変えたいと思ったことがあるのなら、エゴグラムがその処方箋をしめしてくれます。

それには自分で理想的なエゴグラムを書いてみるのです。

そして実際のエゴグラムと比較してみることにより、どこを変えたらよいのかが明確になります。

そのときに気をつけておきたいことがあります。

  1. 高いところを下げるのではなく、低いところを上げるようにする。そのほうが変えやすいためです。高いところを下げるには抵抗が働きます。
  2. 自己変革には大きな心の抵抗が邪魔をする。人はもともと恒常性(ホメオスタシス)があり、変化を望みません。自分を変えようとするには決意することが大切です。

また、人はすぐには変われません。コツコツゆっくりと変わっていくとうことを心得ておくことが大事です。

 

それぞれの自我状態の高め方

低かった自我状態を高める方法を『自分がわかる心理テスト2』からいくつか拾ってみます。


1CPを高める
・批判の練習をする
・人を叱る
・目標を立てて最後まで努力する
・時間・金銭にやかましくなる

2NPを高める
・家族や友人にささいなものでもプレゼントする
・相手の気持ちになって考えてみる
・人の長所を見つけ、ほめる
・ボランティア活動に参加してみる

3Aを高める
・日記をつける(考えを文章にする)
・感情に押し流されないで、客観的事実を確認する
・結末を予測して、状況全体を把握する
・5W1H(what, when,where,why,who,how)を検討する

4FCを高める
・冗談を言ってみる
・嫌な感情からいち早く気分転換する
・芸術・娯楽を楽しむ
・短い空想を楽しむ

5ACを高める
・人が話しているときはじっと聞く(自分の言葉で相手をさえぎらない)
・話し始める前に相手の顔色をうかがってみる
・相手の話に相づちを打つ
・相手をとにかくたてる実際にやってみよう

 

エゴグラムの種類

エゴグラムにはたくさんの種類があります。

代表的なエゴグラムを紹介します。

1 TEG(東大式エゴグラム)

 心療内科等で診断のためによく使われるエゴグラムで商品化されています。

2 ELC(エゴグラムチェックリスト)

 九州大学心療内科の杉田らにより開発されたエゴグラムです。特徴は嘘をついていないかを検証する質問(Lie score)が入っていることです。

3 TAOK

 適正科学研究センターで開発されたエゴグラムです。120からなる質問にマークシートで回答し、これにOKグラムが記されて一覧表示されます。

4 SGE(Self Grow-up Egogram)

 自己成長エゴグラムです。エゴグラムから生活の歪みを把握してストレスを解放しようというものです。こちらは著作権フリーで次のURLからダウンロードできます。
https://willelearning.com/wp-content/uploads/2017/05/74b0d09619ba86e5cadc462f24bc3384.pdf

5 自己洞察テストE・G・O

 エゴグラム研究会が開発したエゴグラムです。特徴は各自我状態をたてに並べ、右に行くほど点数が高くなっています。また、棒グラフではなく折れ線グラフで作成します。

 

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

どうですか、やってみたくなりましたか?

交流分析の考え方は次のようになっています。

まず、気づくこと。それは、自分や他人の性格、相手との会話のしかた、いつも気まずくなる会話の原因、自分の生活の態度や生き方、1日の時間の過ごし方などです。

気づいたら、自ら変わりたいという自発性を持ち、自分のどこをどのように変えたいのかをしっかり考えて行動することです。過去と他人は変えられません。変えられるのは現在の自分だけです。

そうやって身近な人と親密な関係を気づいていきます。

これが自律するということです。このようにして自分らしく豊かな人生を生きることを最終的な目標としています。

エゴグラムを理解することは、こうした道を歩み始めたことになるのです。

 

では、このへんで

 

記事の中で引用したのは次の書籍です。

Amazon.co.jp: 自分がわかる心理テスト

 

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