先日は、時々出したては眺めるナイフのことを書いた。
今回はその反対で、いつも一番よく使うナイフについて紹介したい。
とりあえず、人様に紹介できるようなナイフはこれが最後だ。
さて、いちばん出番が多いとはどんな時でしょう?
North Man とは
廃番ナイフ専門店 クリークのホームページによれば、「関市の高い技術によって主に輸出用として生産されていたノースマン。」と説明されている。
このナイフを買ったのは、30年くらい前のこと。
当時、11月初め頃になると、毎年のように上高地に集合していた。東京写真専門学校(現:東京ビジュアルアーツ)を卒業生で、川口政雄ゼミの関係者が集まって「霧氷の会」を作っていた。
学生だったぼくも、川口先生が亡くなられて代わりに登板した宮本宏先生に誘われて初めて参加した。
それ以来、毎年参加していた。
通い出して数年後、上高地で撮影した後、白川郷に行くことになった。
仕事があるものは帰って車3、4台で向かったと思う。
途中、どこかの公園で車中泊。外で食事を作っていたら雪が降り始めた。
翌朝、白川郷の合掌造りが見渡せる山に登ったが、ノーマルタイヤだったため、ヒヤヒヤだった。
もちろん、タイヤチェーンは持っていたが、ほんの僅かの距離なのでつけるのが面倒だったのである。
そしてその帰り道、中央高速か東名高速かは忘れたが、ともかく南下しているときに関市を通った。
メンバーの一人が、「ブローニーの封を切るのにいいナイフがほしい」というので、たぶん関の刃物会館(当時からあれば)だったと思うが、そこに立ち寄った。
とくに使用目的はなかったけれど、せっかくなのでその時持っていた有り金をはたいてぼくもナイフを買った。それが、NORTH MANだった。ただ、当時はその文字が読めず、ただ「関のナイフ」としてしか認識はしていなかったが。
ぼくの NORTH MAN
ぼくの買ったのは、刃渡り5センチ、全長14.5センチの小型のポケットナイフ。たしか5千円くらいだった。
ハンドルはマイカルタだと思われる。
たしかケースなどには入っておらず、裸で売られていたと思う。
買った当初はとくにこれに使いたいというものがなかったので、たまにしか使うことがなかった。
しかしよく切れるナイフなので、木工など木を削ったりするときに切り出しナイフの代わりに使ったりした。
登山の時にも持っていったりしたが、ほとんど使うことがなかった。
だんだんと使うようになったのは、ペーバーナイフとして使いやすかったからだ。
それまで使っていたペーバーナイフが行方不明になって、このナイフを使ったところ、非常に使いやすかった。
それからインターネットでショッピングするようになり、届いた段ボールを開けるのにも使い勝手がよい。
以前は、L.L.Bean のウェンガー製アーミーナイフを使ったことがあるが、こちらは刃渡りが短すぎて使いづらかった。
そうしてしょっちゅうネットショッピングをしている最近では、このナイフの出番がいちばん多いというわけである。
最後に
このナイフを眺めると、買った時のことが思い起こされる。
そしてとても使いやすく、よく切れるナイフである。
さらに日本の刀匠の伝統を引き継ぐ関の刃物であることが所有する満足感を与えてくれる。
こうしたことが、このナイフを使うたびにちょっぴり幸せな気分をあたえてくれる。
ナイフとの出会いは小学校の頃に使った肥後の守。竹とんぼなどを作って遊んだ。
その後切り出しナイフを使うようになった。
これは今も手元にある。刃のある部分だけを柄に差している安物だがよく切れる。
肥後の守の方は行方不明になっている。
働くようになって手にれたのがビクトリノックスで、その後お土産としていただき、現在は3本持っている。
そのうちの1本はロック付きなので、これが一番良く使った。
アーミーナイフはこれ以外に上にも書いたウェンガーのものがある。
次に買ったのはオピネルにNORTH MAN、そしてSANDVIK、A.G.Lussell。
こうしてみると、スイス、日本、フランス、スウェーデン、アメリカと満遍なく揃っている。
高価なものはないけれど、みな実用的で気に入っている。
では、このへんで
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