自然渓流でフライフィッシングができた。
ふたたびこうしてフライフィッシングに戻ってくるまでには心の壁を乗り越える必要があった。
それは自分が勝手に築いた壁。
乗り越えてしまえばどうということもないけれど、壁を突破したという満足感を感じている。
なにごとも止めるのは簡単だが、始めるのには困難が伴うものだ。
修理を終えたウェーディングシューズをどこで試すか
修理を終えたばかりのウェーディングシューズをどこで試そうか。
管理釣り場か自然渓流か。
どうせなら自然渓流に行きたい。
冬の間、下見に行った川がある。
最初に行ったのは道志川、次は小田原の早川、そして先日行ったのは丹沢の谷太郎川である。
このうち、一番近いのは谷太郎川だが、山岳渓流の様相で上に木が覆いかぶさるところが至る所にある。
するとかなりの確率でフライを引っ掛けてしまうだろう。
フライのロッドが振りやすのは道志川と早川である。
ここは10キロほど近い早川に行ってみようかと考えた。
ネットで最新情報を調べると、当日(春分の日)は工事のため濁りが入りそうだということで、しばし悩む。
最終的に「行ってみなけりゃわからない」、まずは行動することが大事とばかり、早川に行ってみることにした。
早川は、昨年からキャッチ&リリース区間ができたとかで、YouTubeでも紹介されている。
そこでは、成長したニジマス、ヤマメ、サクラマスが釣れるらしい。
ただ、問題はハイプレッシャーだということである。
でも魚は必ずいる。そのことが背中を押してくれる。
初めての早川で
午前10時半、小田原漁港前の釣具店に到着。ここで日釣り券を買う。
そこからすぐ近くの公園に行き、すぐ横の空き地にスーパーカブを止める。
ここで身支度を整える。時間を見たら11時半になっていた。
そこからは、階段がつけられていたので容易に河原に降りることができた。
また、公園内にトイレもあり、とてもありがたかった。
とりあえず、さっき渡った橋の下から上流に向かって釣り始める。
ここまではまだ水に浸かっていないので、張り替えたソールは全く問題がない。
橋の下あたりは広がっていた川が狭まって淵になっている。
フライはとりあえずドライで試してみた。
全く反応はない。それに魚影も全く見えなかった。もちろんライズもない。
次にフローティング・ピューパをつけてみる。CDCの部分だけが浮いて、ピューパの部分は水面下になるものだ。
しかし、巻いただけで試してはいなかった。本当にそんなふうに流れているのかはわからない。
フライが小さくCDCの量も少ないため、加えて逆光ということもあり、水面に落ちたフライが全く見えなかった。
フライがありそうな場所を眺めながら何度か流す。
なんとなく飛沫が上がったような気がして合わせるが何も出ず。
これを数回繰り返していると、なんかおかしい。ティペットの先を確認するといつの間にかフライがなくなっていた。
たぶん、遠くへ飛ばそうとして力を入れ過ぎたため、ティペットに結び目ができていたのだろう。それにフライが浮いていなくて岩に引っかかったところでなんとなく合わせたので結び目から切れたのだと思う。
そう、早川は河原が広いので、つい実力以上に飛ばそうとしてしまったのである。
橋の下付近から少し釣り上がると、だんだん浅くなっていき、二手に分かれていた流れが合流する地点がある。
こんどはウエットをつけて流してみる。
絶好の場所だと思い何度か流すが全く反応がない。
やはり多くの人が責めそうなポイントに流してもダメなんだろうな。
そうそう、この流れが合流する地点の支流のほうは浅瀬になっていたので川の中に立ち入ってみた。張り替えたソールは全く問題がなかったので安心する。
1時頃、昼食のためにスーパーカブのところまで戻る。
カブの隣に椅子を出して座り、お湯を沸かしながら前日にスーパーで買ったパンを齧る。
人が立ち入らなそうな場所を探す
後半は、先ほどの合流地点の上流の低い堰堤の落ち込みを狙う。少しずつフライを落とす場所を変えながら満遍なく探っていくが反応なし。
堰堤の上の浅瀬にはサギが数羽舞い降りて来ていた。
堰堤の脇の草が生い茂る藪の中を漕ぎながらさらに上流へ向かう。ウェーダーや袖に草の種(ひっつき虫)がいっぱいついて来た。
川に出られそうな場所が何箇所か見つかり、そこからキャスト。まったく人が入ったことがないとはいえないが、あまり多くの人は入らないだろうという場所だ。こんどはニンフをつけて流した。
マーカーの位置を変えながら何度か流すが反応なし。
しかもここでは草を釣ったり、根がかりしたりと大変だった。
根がかりして諦めかけた時にスッとフライが浮いて来た。上がって来たのは川の中で腐った草の茎だった。
ここも諦めてさらに上流の、こんどは草地から離れた河原にでる。早い流れから落ち込むプールになっている場所まで進み、草地の近くまで釣り下がる作戦である。
自分より少し上流にフライを落としナチュラルドリフトさせ、ドラックがかかったところから少しずつラインを手繰り寄せる。
こうしてニンフが泳ぐ様子を演出しているつもりなのだが、実際はどうなっているのかわからない。
こうして少しづつ下りながら探っていく。
だいぶ下った頃にちょっぴり引っ掛かりがあった。すぐに抜けてしまったのだが、一瞬白い飛沫があがった。そしてティペットの先を見るとフライがなくなっていた。
今回も岩にフライが引っかかって結び目から切れたのだろう。でも、一瞬飛沫が上がったのは?
それにしても同じ過ちを繰り返すとは。結び目には気をつけていたのに。
ただ、ドライフライに比べてニンフの釣りは、マーカーがあったり水の中からフライを引き上げるのでキャストが難しい。
まあ、ドライフライでもちゃんとキャストできないわけであるが。
ここで一旦引き上げて、トイレ休憩にする。この時点で3時半。
公園のトイレを借りてから5時までの1時間、最初の橋の下の下流に行ってみる。
ここ早川は不思議なところで、もうすぐそこが海なのにずっと渓流が続いている。普通なら川幅が広がってゆったりと流れていくものだという認識が覆される。
橋の下の淵から下流は再び瀬になる。それも早い流れである。
ここで何度がフライを流してみた。
だが、釣れたのは河原の柳だけで、2回も釣り上げてしまった。
幸い全て回収。最後のを回収して終了とした。
最後に
久しぶりの自然渓流。釣果はゼロ。
自然渓流では昔もほとんど釣れなかった。
やはり釣ったのは草や小枝ばかり。
今回、自然渓流にやってきて見つかった課題は、
1 キャストを練習すべきであること
2 キャストの始めにフライを足元の岩や草に引っ掛けないようにすること
3 何度も通って経験を積むこと
以上、3つの課題を挙げた。
そのうえで感じるのは、上手な人に教わることが上達の早道だろうということだ。
フライフィッシングに限らず、上手な人はこんなハイプレッシャーな川でもちゃんと釣果をあげている。
釣りは奥深い。
では、このへんで
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