相模川水系の入漁券を買った。
4月から3月までの1年券である。通称「年券」。
たいていは3月の解禁から始まるのになぜか相模川は4月から。
今回は年券を買ってから3回目の釣行になる。
またしてもボウズではあったが、おしい場面もあった。
そんな話と新しいウェーディングシューズを履いた感想を書いてみる。
手術前の釣行
コロナもだいぶ落ち着いてきて、ようやく手術ができる。
手術というのは昨年2月にMTBで転倒し、骨折した手首を留めているプレートの除去手術のこと。
その手術がコロナのため延期となっていたのである。
手術をすると、しばらく釣りに行くのは難しい。
だから、入院前の最後の休日を使ってスーパーカブでちょいと行ってきた。
釣りの準備は先週していたので、あとは朝、起きれるかどうか。
それで前の晩は10時頃には寝たのだが、どうも疲れが溜まっていたようで目覚めたのは8時半。
朝イチを逃したので、午後に賭けることとした。
それに入院の手続き書類を記入しておかねばならなかった。これが結構面倒臭い。もう同じ病院に3度入院しているので要領はわかっているつもりだが、記入する欄が多くていやになる。
思えば60歳から毎年入院して手術をしてきた。左肘骨折(肘頭尺骨骨折)によるワイヤー留め手術、その除去手術、左手首骨折(橈骨遠位端骨折)によるプレート留め手術。
そして今回はその除去手術となる。
釣りのことであった
どこに行こうか迷ったが、近くて下見済みの谷太郎川に行くことにする。
以前、この川の下流部は入渓したことがあるので、今回は上流部に行くことにした。
やっぱり釣れない! 【いつかはきっと】 - Hakuto-日記
中流部はます釣り場となっている。きょうは車がいっぱいだ。停め切れない車が路上にも数台停まっていた。
林道の終点に数台停められる駐車場がある。
ここに到着したのが2時50分。準備が整うまでに20分かかった。
監視員現る
釣りを開始して10分くらい経った頃、「こんにちは」と声をかけられた。
入渓したとき、川に沿うようについている登山道にも登山者の姿は見えなかった。
さらに、フライを見逃さないように集中しているところにに声をかけらえたので、ビクッとした。
見上げると監視員だ。思わず年券をつけている背中を見せる。
「はい、見えますよ、年券ですね」そういってから
「釣れますか?」
ああ、一番訊かれたくないやつだ。
「いえ、ぜんぜん。姿も見えないですしね」と言ってから、「まだ始めたばっかりではあるんですけど」などと言い訳を言う始末。
今回はドライフライなので根がかりもなく、上の木の枝にも十分注意したので……と言いたいところだが、フライがよく見えず、流しすぎて落ち込みに沈んだフライが回収できず。
そして木の枝にも一つ。
出たっ、ドキッ、軽っ
川の中には木の枝が少なく、これに引っかかることがなくてこれまでより快調に釣り上がっていく。
全く反応がないので快調とは言えないのだが、これまでの自分と比較するとひどく快調といえる。
ときどきは、狙い通りのところにフライを落とすことができ、居れば絶対出るであろう自然な流れを演出することができた。
それでも出ないのだから、やっぱりいないと言うことなのか。
こうして吊り上がり、最初の堰堤に着いた。
ここのプールを狙う。張り出した木々の枝の隙間でフォルスキャストをしたり、ロッドを真横に振ったりしてフライを奥まで届ける。
身を屈め、プールの右から順に左へと探っていく。
中央の少し右側に石があり、その石の周りを探る。
一瞬フライが消えた。慌ててロッドを合わせる。
すると、小さな魚がこちらに飛んできた。フライはすでに後ろに飛んでいる。
ちょうど、石の隙間に水が見えるくらいの浅瀬に落ちたので写真を撮ってから流れに戻してやった。
残念ながらヤマメではない。おそらくハヤだろう。
その後しばらく同じところを流してみたが反応なし。
中央は水の量が多くて水が白く渦巻き、少し先の方まで伸びている。
今度はその流れ出しの辺りにフライを流す。
するとふたたびフライが消えた。来たっ、とばかりロッドを合わせる。しかし、ちょっと早すぎた。まったく手応えがない。
おまけに木の枝のある方へ向けて合わせてしまったので、すっかり絡まってしまった。
もう回収不能と諦めて、ロッドをまっすぐにして強く引いた。
フライだけでなく、ティペットも切れて短くなったので、ティペットを継ぎ足して同じ場所を流してみたがやはり反応なし。
すぐに諦めてプールの左側を攻める。このときも泡や木の葉などの流れと同じように自然に流すことができたのに、まったく反応がなかった。
ここであきらめて、堰堤下のプールを撤退したのだった。
そこから登山道に出て、堰堤の上を探ってみたが反応なし。流れが岸にぶつかるところなんかいそうなんだけどなあ、と少し粘ってみたがだめ。6時になったので引き上げることにした。
新しいウェーディングシューズ
最後に新しいウェーディングシューズの感想を。
購入したのはPazdesign(パズデザイン) ライトウェイトウェーディングシューズⅥ(SP)というやつ。
WILD-1でいろいろ試し履きをして、一番足に合うやつを買った。
やはり靴は実際に履いてみないと、自分の足にぴったりの靴に出会うのは難しい。
試し履きをしたって妥協してしまうと後で後悔する。デザイン優先で選んで後で幾たび後悔したことか。
安い方から順番に履いていく。現品限りで安くなっている靴に欲しいサイズがあった。けれどサイズ表記が同じでもメーカーによって若干サイズが異なる。ちょっときつかった。
特価品は諦めて、通常価格のうち安いものを履く。サイズも一つ下のものも出してもらって試し履きをした。こうして選んだのが紹介したシューズというわけだ。
だから、足には合っている。ただ、登山靴と違い、店内を歩き回ることはしていない。だから歩いてどうなるかということが心配だった。
実際に歩いてみて、まず感じたのは「軽い」ということ。これまでのSIMMSに比べて断然軽い。SIMMSはがっちりした作りで耐久性があった。軽いということは耐久性は劣るかもしれない。
けれど、この軽さは水に濡れたときに特にありがたみを感じる。非常に楽なのだ。
それに、サイズは同じなのに靴の表面積が小さいため、川の流れに入った時に水の抵抗が少ない。SIMMSに比べるととても川の中を歩きやすい。
それと、同じフェルト底なのだが、パズのほうがスリムだ。これも足元を軽快にしてくれている。
また、脱ぎ履きだが、靴紐が簡単に緩められ、大きく開くことができるのでまったく不自由を感じない。これはSIMMSも同様だった。パズは足首の部分はフックに引っ掛けるようになっている(これもSIMMSと同じ)が、フックの内側が狭くなっていて、靴紐がそこで止まるようになっている。だから緩みにくく、外れにくい。
いいことづくめだが、少し気になった点も挙げておきたい。
それは、靴紐を上までしっかりと締めると(もちろんしっかり締める必要がある)、足首を曲げたときにすこし窮屈に感じることだ。
ただ、3時間ほどこれで歩いてみたが、足が痛くなるようなことはなかった。
このPazdesign(パズデザイン) ライトウェイトウェーディングシューズⅥ(SP)は、山岳渓流で釣り上がっていくにはとても歩きやすいシューズであるということが言えると思う。
最後に
今回も釣れなかったが、反応があったということが少し進歩だ。
それに、失ったフライも2つだけというのも進歩だと思う。
こうして多少気を良くして帰り、夕食を食べて一杯やっていた。
なんとなく首の後ろをさわるとなにかざらざらしている。
よくみると血の塊だ。
やられた! 東丹沢メイ物のヤマビルに違いない。
血を拭き取り、恐るおそるシャツを脱ぐ。
すると襟にちょうどヤマビルの形の血の跡がついていた。
続いてTシャツも脱いでみる。大丈夫、血の跡はついていない。
よかった。家まで連れ帰ってはいないようだ。
それでも一応荷物とバックの内側を点検。
よかった。大丈夫。
いつも帽子はキャップを被っているが、今度からはハット型の帽子にしよう。そうすれば襟からの侵入を防げるだろう。
では、このへんで