パソコンボランティアの手ほどきに来訪した相談者に対応した。
相談内容は「エクセル、表のコピー」ということだった。
実際に話を聞いてみると、確かにエクセルではあった(エクセルやワード互換の違うソフトであることが多い)。
しかし、表のコピーではなく、費目別収支表からの費目別シートに自動的に表示させたいという要望だった。
話によれば、今までコピーをしていたが、写し間違いが生じる可能性があるためとのことだった。
つまり、「表のコピーをしないで済むようにしたい」というのが相談内容だったというわけである。
便利な関数を発見したが
話を聞いてみて、いままでそういった関数を使って表を作ったことがないし、そんな関数があったかどうかわからなかった。
そこで提案したのが、月毎に関数で費目別に集計し、その月ごとに集計したものを年間分として再集計したらどうか、と言うものだった。
すると、集計だけでなく細かい内訳が見えるようにしたいとのことで、お気に召さないようである。
また、予算額から差し引いて、残高がいくらあるのががわかるようにしたいということでもあった。
そこで、ネットで調べると条件に合致するデータを抽出するFILTER関数なるものを見つけた。
FILTER関数って? そんな関数あったかなと思いながらも、目的に合致していそうなので、「やってみましょうか」ということで相談者が持ち込んだパソコンでやってみることにした。
ところが、エクセルの関数でこのFILTERを探しても出てこない。
では、「直接入力してみましょう」ということで、ネットで調べた計算式の必要な部分を入れ替えて入力してもらった。
ところがエラー(どんな表示がされたのかは不明)となる。
もう一度、FILTER関数の説明を見ると、この関数は Microsoft365で使える関数とある。この方のEXCEL2013や2019などでは表示されないとなっていた。
どうにか他の方法で目的を達成
FILTER以外で同じようなことができないか。
探してみると、全く同じではないがそれに近いものが見つかった。
ただし、INDEX関数、LARGE関数、ROW関数を組み合わせて使うと言うものである。
一つひとつの関数の計算式を調べて意味を理解する時間がないので、調べた通りを入力してもらう。もちろん必要な箇所は相談者が作った表のセルに合わせる。
使ったのはこんな計算式だ。
=IFERROR(INDEX(元データの最左列,1/LARGE(INDEX((条件式)/ROW(条件範囲),0),ROW(A1))),”")
これを全て手入力してもらう。
そして最後にENTERキーを押す。
残念、数式にエラーがあるとのこと。
もう一度ひとつずつチェックしていく。
そしてようやくカッコが一つ入力漏れであることが判明。
カッコを入れて再度ENTERを押下。今度は無事に成功するが、ただ数字が表示されただけだった。
説明を見ると、この計算式を他のセルにコピーして完成とある。
オートフィルをつかってコピーしてもらうと、ちゃんと選択した費目のみが表示された。
最初の数字は日付であることが判明し、セルの書式設定で日付に変更してもらうとちゃんと日付が表示された。
とりあえず、これで目的達成。相談者は喜び、とても満足していた。
(注)この他の方法もあります。
便利なフィルタ機能
「こんな方法もありますよ」と言って、フィルタ機能を紹介した。
また、テーブルを使えば行の追加も楽だし、フィルタ機能も自動で使えるようになると説明したところ、いままで知らなかったらしく驚いていた。
「なんだ、こんなに簡単に費目別にできるなら、これをコピーすればよいですね」
と、これまでの苦労はなんだったのかと思ってしまったが、「難しい関数を使っていると、計算式を壊してしまった時に自分でもわからなくなるし、他の人に代わった時にその人が使えなくなりますからね」とお話しした。
その方も納得し、この方法で行うことにしたようだ。
ただ最後に、「自分の勉強のために家でやってみようと思う」とのことだった。
70歳を過ぎても意欲的な姿勢にエールを贈って終了とした。
最後に
今回はぼくにとっても勉強となる相談対応だった。
FILTER関数という新しい関数があることを知ったし、なかなか便利な関数であると思う。
こうやって指導しながら、実は自分が勉強になるということを今回もあらためて認識することになった。
最近はエクセルを仕事で使うことが少なくなったので、いい頭の体操でもある。
それに、とても喜んでいただいたので指導した甲斐があるというものだ。
ただ、この日の講座「写真編集」が聞けなかったことだけが残念であった。
では、このへんで
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