1984年6月に中古のオフロードバイクが納車になった。
8月中旬には北海道へバイクツーリングに行く予定で、その練習のためにバイクで登山口まで行き、キャンプをして登山までしようと計画した。
選んだのは甲斐の乾徳山だ。
乾徳山は標高は2,031メートルの山で、山頂付近に岩場があり眺望がよい山だという。
登山は毎度のことだが、たいていバテる。
そしていつも弱音ばかりを吐く始末である。
なのに何度も同じこと繰り返しながら山に登っている。アホなのか。たぶんそうなのだろう。
今回は、ツーリングとキャンプと登山の話です。
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ツーリング・キャンプ
84年8月5日、午前8時に出発する予定が、またもや寝坊して8時に起きた。どうも朝が弱い。
そういうわけで相模原の自宅を9時20分に出発した。
足はYAMAHA XT250T というオフロードバイクだ。
ザックはシートに縛り付けていて、身軽な状態で乗っているが、重たい登山靴を履いているため、少々ギアが入れにくい。
今回目指すのは甲斐の国の乾徳山である。テント泊なので40リットルのザックで来ている。
R16を使ったが、混雑していた。別な道にすれば良かったと愚痴る。それに風邪を引いていて鼻水がたれて喉も痛くて体調がいまいちである。
橋本へ抜けて道志道に入る。このころの道志道はところどころにダートが残っていた。そのおかげで車が少なく、オフロード初心者にはとてもいい練習コースなのだった。
12時に山中湖に到着する。セブンイレブンで食料を買い込み、ついでに食事もすませる。そこから河口湖に出ると、お祭りをしているらしく渋滞していた。遅く出発した上に渋滞とは。なかなか車の脇を通り抜けることができず、走ったり止まったりを繰り返す。
バイクは低速ではふらつきやすいのである。まだ数回しか乗っていないこともあり、アクセルワークもぎこちなく、非常に神経を使う。まあ、ようは下手くそだということだ。低速であるほど技術の差が出る。あまり長いことこうやっていると左の腕の握力がなくなってクラッチを握るのが辛くなってくる。まさに試練である。
河口湖の先からは有料のトンネル道路を使って先を急ぐ。午後2時半に石和駅、3時に徳和の乾徳山登山口に到着した。
遅れた分を取り戻すために急ピッチで登る。しかしすぐにバテて、20分歩いては5分休憩、次は15分歩いて休憩。ついにはちょっと登っては休みという状態になってしまった。
午後5時、どうにかこうにか今日のキャンプ地の大平小屋にたどり着いた。心底ホッとした。あービールが飲みたい。だが、持ってきていないので大平牧場の牛乳を飲んだ。明日は登れるのか少々不安である。
乾徳山頂
日が暮れると山の中は真っ暗になった。なんだか心細くなり7時には寝袋の中に入る。寝てはみたが2時間おきに目が冷めてしまう。夜が長く感じる。
午前4時に起床し朝食をすませる。夜露がすごく、テントがびしょ濡れだ。おかげで撤収に手間取る。ただ天気は良さそうだ。
一段と重くなったザックを担いで6時に出発。いざ、頂上へ。
歩き出しは草原を行き、続いて樹林帯が現れる。さらに上に登ると岩場が出現した。岩場には鎖場があったりして変化に富む山である。だだし、樹林帯を抜けると直射日光を避けるところがない。
6時40分、扇平に到着。そこから1時間、7時40分に乾徳山に登頂する。眺めは抜群に良かった。山頂で30分ほど休む。
山頂直下でザックをデポし、サブザックで登っていたので、下りはザックを置いていたところへ引き返す。ザックを担いだところ、なんだかとてつもなく重く感じ、下るのに脚がふらつく。
扇平より少し下ると月見岩のところで道が分岐している。下りは登りとは別ルートを通ることにする。国師ヶ原の四辻から大平高原に行く道をとる。
10時、道満山の山頂で30分ほど休憩。履いて来たジーパンが背中の汗で濡れてしまっていたので気休め程度に乾かす。
11時、登り口の徳和まで下りて来た。沢の水で顔を洗い、濡らしたタオルで体を拭いた。
さて、これからバイクで家まで帰るのである。まずは最初のガソリンスタンドでガソリンとジュース2缶を補給。ジュースはもちろん自分用。12時に塩山で再びジンジャーエールを補給し、残ったパンで昼食をとる。
まだ時間も早いので、有料道路は使わずにR20で帰ることにした。山梨県から神奈川県に入ったあたりからやたらに工事が多く、渋滞。それでもR20に乗ってから1時間ちょっとで相模湖についた。そこから相模原の自宅まで1時間、午後3時15分に自宅に着いた。
通り道の家の近くにはスタンドがなかったので、荷物を降ろしてから近くのスタンドまでガソリンを入れに行く。家に戻ると夜露に濡れたテントを広げて乾かした。
ようやく作業を終えたのは午後5時だった。ツーリングと登山、つかれた〜。
まとめ
乾徳山には13年後、9歳の長男を連れてもう一度登っている。
そのときは車ででかけ、夕方に徳和の登山口に着き、車中泊をした。
このとき、近くの旅館で風呂に入れるというのでお願いしたところ、これからお湯を張るので少し待ってほしいということだった。この時も8月で前回とは違って下旬だったがまだ暑い日が続いていた。
このときは以前とはまた違うルートで、銀晶水や錦晶水の水場を通るルートで登り、夕方に下山している。
9歳の男の子が頂上近くの大きな岩場を鎖をたよりによじ登ったので、周りの人から歓声が湧いた。
山頂で昼食にしたのだが、やたらにハエが多くて参ってしまい。早々に下山した。
息子は、帰りの車で後ろに倒した座席のうえに横になってずっと眠っていた。
ところがこちらも疲れて睡魔が襲い、何度も休みながら帰った記憶がある。
このように、乾徳山は変化があって面白い山なのだが、かなりの時間を歩かなければならず、強行軍を行えばその反動が大きい山である。
こんど登るとしたら、真夏の暑い時期だけは避けたいと思う次第である。
なお、大平牧場は閉鎖されたとのことなので今は牛乳は飲めません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、このへんで
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