昨日、里山の麓まで自転車で行き、ぷらぷらと歩いてみました。
天気は良かったのですが、寒ーい一日でした。
日本海側の北陸から東北にかけてはかなりの雪が降ったとの報道がありました。
みなさんの住んでいるところは大丈夫でしたか。
関東は、冬は天気のいい日が多くてありがたいです。
今日は、そんな里山をゆっくり歩いたら、こんなものを見つけたという話。
それは、復元されたという棚田です。
【目次】
そこは、厚木市の七沢というところで、谷間にあるいわゆる谷戸といわれるところです。
どうやらそこで棚田復元事業というものをやっているみたいです。
棚田のもっと上は
とりあえず、棚田を横目に見ながら林道を登って行きました。
林道で舗装されてるのですが、かなり傾斜があります。
道は沢(七沢)に沿っています。見上げるとヒノキでしょうか、下枝が払われてすっくと伸びている木が並んでいます。
この辺りは植林が盛んで針葉樹ばかりです。一般車はこの辺りで通行止め。登れるのは許可車のみです。そしてここで七沢から離れます。
その先のトンネル(照明はありません)を抜け、少し行くと今度は谷田郎川の上流の方に沿って道がつけられ、岩が多くなります。
今回はその辺りで引き返し、再び棚田のところに戻ってきました。
もう一度よく見ると、棚田の上部が稲刈りの終わった田んぼ。下の方は草がぼうぼうとして段差があるばかり。復元されているのは上部だけのようです。
まるで使用前使用後、この場合使用中と使用後というのか。ともかく使われている田んぼと風化している田んぼです。
その様子から、昔使われていた棚田の一部を残す取り組みをしているということのようです。
それにしても寒い。手がかじかみます。自転車を置いた駐車場に戻り、エスビットでお湯を沸かしアールグレイの紅茶を飲んで少し温まりました。
里山の保全活動
家に帰ってから棚田について調べてみると、厚木市の「里山の保全活動を行う市民ボランティアを募集します」というサイトを見つけました。
活動内容を見ると、「稲作体験(田植え、草取り、稲刈り、脱穀、収穫祭)、棚田の整備・保全、畑作業、炭焼きなど」となっています。
どうやら、市が市民と一緒に里山を守っていこうという取り組みのようです。
活動団体が「七沢里山づくりの会」というところをみると、市民団体が市の支援を受けて活動を行なっているのだと思われます。
では、市は何に基づいて里山保全活動を行なっているのでしょうか。
それは「厚木市里地里山保全等促進条例」によるものでした。
その目的は「里地里山の多面的機能の発揮及び次世代への継承を図り、もって市民の健康で心豊かな生活の確保に寄与すること」というものでした。
里地里山とは、「原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域」と定義しています。
そして、「特有の生物の生息・生育環境として、また、食料や木材など自然資源の供給、良好な景観、文化の伝承の観点からも重要な地域」とされています。
そして、人口減少、高齢化、産業構造の変化によって大きな環境変化を受けて生物多様性の劣化が懸念されていると書かれていました。さらに鳥獣被害の影響もあるようです。
なるほど、つまり、里山近くに住む人や農業や林業で働く人が減少したせいで、山と町の境になる地域が荒れてきているため、生物多様性という動物や植物の生息に変化が生じているということでしょうか。
けれど、人口が減少している日本の現状から考えると、日本中の全ての里地里山を保全するのは難しいことのように思えます。厚木市の人口はどうでしょうか。
まあ、厚木市でも保全区域を決めて活動を行なっているようなので、昔の生活環境を後世に残すという意味合いなのでしょう。
産業構造から考えると、農業や林業のような第一次産業が富をもたらすようにならないとこれからやろうとする人は出てこないでしょう。
NHKによれば2015年の各産業の割合は、第一次産業が4%、第二次産業が25%、そして第三次産業が71%だそうだ。
第三次産業ばかりに人が集まっても、食べ物は作れないので日本の食料自給率はますます下がっていくのだろう。
生物多様性
実は里地里山の保全には、その上に「生物多様性あつぎ戦略」なるものがありました。
そこでは、以下の事業を行なっているとあります。
①山地の保全と再生
②里地里山の保全と再生
③水辺の保全と再生
④農地の保全と再生
⑤市街地における自然の創出
⑥全市における生物多様性の保全と再生
⑦生き物に関する調査の推進
⑧生物多様性の普及啓発
自分の住んでいる街ではないけれど、市民と一緒に、また企業や大学等の協力を得ながら様々な取り組みを行っているようです。
まさか生物多様性の保全について活動しているとは思いませんでした。
おそらくこのような取り組みをしているのは厚木市だけではないでしょう。
それこそ地球規模の問題をひとつの小さな自治体が取り組んでいるということを知りました。
生物多様性とは?その重要性と保全について |WWFジャパンにも、「「生物多様性」は、この地球という一つの環境そのものであり、そこに息づく生命の全てを意味する言葉に他なりません。」と述べられています。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
若い頃は山登りといえばただ頂上を目指すだけ。周りのものは目に入っても見えていませんでした。
ゆっくり歩いたら、ちょっびり勉強になり、頭も使ったという話でした。
なお、写真は感度を上げすぎたようです。ねむい写真ばかりで申し訳ありません。
良かったらこちらもどうぞ。
では、このへんで
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