Hakuto-日記

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つるつるすべる岩に苦労する 【早池峰山】

紅葉の東北盛岡へ夜行バスで向かう。

今年の初夏に続いて2度目の盛岡。

前回は岩手山に登った。その岩手山は火山活動の活発化で登山できなくなっている。

先に登っておいて良かった。

今回は、日本交流分析協会の全国年次大会の出席に合わせての登山。

目指すは早池峰山、そして八幡平。

 

盛岡

10月9日、高速夜行バスがバスタ新宿を23時20分に出発する。

翌10日午前5時50分頃盛岡に到着。予定より20分遅れだった。朝食は、もう恒例となった牛丼屋の朝定食。それから盛岡駅の待合室で電車が来るまで休憩。

 

今回の盛岡でも隣駅の仙北町でレンタカーを借りる。ここは朝7時から開いていてとてもありがたい。今回は日産ノートを借りた。

 

ネットで予約する時に車の色が赤となっていて、派手すぎるかと思ったが実際は濃い赤、どちらかと言うとえんじ色で、昔乗っていたシトロエンBXを思い出すような色でなかなかよかった。

 

ナビに行き先をセットする。これがいつも手間取る。車のナビは登山口をなかなか示してくれないのだ。いろいろやった結果、手前の山荘が出てきたのでそこに行き先を設定した。

 

レンタカーに乗る楽しみは、さまざまなメーカーの車に乗れることだ。いろいろな乗り味が味わえる。今回日産を選んだのは、これまで乗ったことがなかったからだ。

 

エンジンをかけるボタンはハンドルの左側にあった。大抵は右側である。シートは少し沈み込む感じ。8万キロを走行しているので少しヘタリ気味なのかもしれない。走り出しは少しおっとりとした感じ。キビキビ過ぎず、おっとりしすぎない普通の感じ。よく言えばなめらかな感じだ。

 

ぼくが気に入ったのは、信号で停止する際に早めにエンジンが停止しない点である。ちゃんと低速で停止線のところまで行ってくれる。そしてエンジンが止まることに気がつかないくらい静かで、始動する時も振動が少ない点である。ただ、走行時エンジン音が静かと言うわけではない。走行中はしっかりエンジンの唸る音が聞こえた。

 

盛岡から花巻方面に南下していく。道の駅紫波(しわ)でトイレ休憩、その後山道に入っていく。すると、この車は俄然力を発揮し出した。馬力がありトルクもあってドライブに入れたままで楽に走れるのである。

 

さらにカーブが連続するときにバケットシートであることに気がついた。走りやすい。静粛性など高級感には欠けるが、日常使いの車としてはとても良い車だと思った。

 

 

早池峰山登山口

小田越登山口

さて、車の乗り味を試しているうちに道はどんどん狭くなって山の中に入って行った。

ナビに入れた山荘を通り過ぎ、いくつかの滝を見ながら進んでいくと、河原坊駐車場が見えてきた。

 

今回登るのは小田越コースで、登山口の小田越には駐車場がないため、河原坊から舗装された道を歩いていくのである。

 

すっかり秋めいた森の中をゆっくり登っていく。あいにく天気は曇り。途中、ときどき日がさして、晴れるかと期待をしたがやはり予報通りである。予報では降水確率も高い。

 

9時40分。いよいよ登山を開始する。舗装道から左手の小道に入っていく。すると現れるのが木道で少し手の込んだ滑り止めが施されていた。木道は二列になっていたが、木道自体の幅が狭いので、すれ違いには気を遣った。

登山口の木道

この時間時もう下山してくるということは、まだ暗いうちから登り始めたのだろう。ここにくるまでに数多くの登山者とすれ違っている。

 

そして、ぼくが今登っている時間に登るひとは誰もいない。

 

登山道の赤や黄色の紅葉の濡れた落ち葉が心を癒してくれる。ただ、樹上では風がごうごうという音をたてていた。登るにつれて霧が出てやがて雨になる。木々の高さが低くなってくるとその揺れが大きくなってきた。するとパッと目の前が開けてあっという間に森林限界を越えた。

 

森林限界を越えると岩だらけ

振り向くと雲が切れて谷間が見渡せた。木々が無くなったため、直接雨が当たる。レインウェアを着る。そして、そこから長くて急なガレ場が続いていく。風にあおられてバランスが崩れる。

 

頑張っていると、下山する人とぽつぽつとすれ違う。ソロ登山者ばかりだ。なんだかもの寂しい風景である。

 

足元は雨で濡れた岩がつるつると滑る。よく見るとさまざまな種類の岩が混じり合っている。とくに茶色っぽい岩が滑るようだ。今日履いているメレルのカメレオンエイトは全くグリップが効かない。岩に手を添えながら慎重に登る。下りでは気をつけなければならないと思う。

霧が晴れて谷間が見渡せた

森林限界を越えた

やがて、前方の霧の中にカラフルなザックカバーやレインウェアの集団が見えた。7、8人くらいはいるだろう。それが間近に迫る。こちらのスピードは一定なので、前方の集団は相当遅いペースということだ。

 

あまり急かしてはいけないという思いと、自分のペースで歩きたいという思いが交錯する。それに落石を受けては困るという思いもあった。そこで少し間隔を空けて後をついていく。

 

先頭は女性、最後尾とその前は男性だ。男性二人はこちらの存在には気づいているようだった。しかし、そのまま歩き続けている。30分くらい経ったころだろうか、「先へ行きますか?」と声をかけられた。ぼくは「いいんですか」とすこし皮肉っぽく言ったが、相手は気づいてはいないようだった。

 

そして、前方に声をかけてくれるのかと思ったら、何も言ってくれない。困っていると、その前の男性が少し前の女性に声をかけた。それを聞いた女性が先頭の女性に向かって叫んでくれた。

 

「道を開けてくださーい」

それでようやく追い越すことができた。やれやれ。

急斜面と前方の集団

 

そこはちょうど傾斜が急な場所で、その後少しなだらかになり、再び急傾斜となる。鎖場あり、梯子ありである。濡れているので慎重に登る。やがて稜線に出た。

 

稜線は吹さらしなのかと思いきや、ハイマツが生い茂っていて多少風を防いでくれていた。稜線を伝って数百メートル進むと早池峰山山頂である。そこまで登り始めのように木道が案内してくれた。

角の尖った岩場が続く

2段になっている梯子

稜線上の木道

 

11時46分、山頂に到達。ここは岩場で風雨が激しく、記念写真を撮るのに苦労する。

 

ここが早池峰山神社?

山頂の劔

避難小屋に退避

山頂で写真を撮り終えるとひとつ大きな岩を降りたところにある避難小屋に退避した。

小屋は最近建てたものらしかった。中に入ると土間を囲むように板の間が作られており、柱と柱の間が一人分のスペースという感じだった。ちゃんと数えたわけではないが、荷物を棚に上げると20人くらいは泊まれそうだ。

 

レインウェアの水滴を払ってから板の間に腰掛ける。ここで昼食だ。平塚から持参したパンを食べていると、小屋の扉が開いて一人の男性が入ってきた。途中で追い越した団体はまだ登ってきているはずはない。とすると、おそらく後から登ってきた人だ。かなり早い。

 

昼食を食べ終え、「お先に」といって下り始めたが、あっという間に追い抜かれた。そしてその姿がだんだんと小さくなるのを見送った。

 

下り始めは雨は止んでいたが、またすぐに降り始め、下るとともに小雨になっていった。慎重に下っていたが、やはり2度ほど滑って尻餅をつく。転ばなかったものを含めると、つるっといったのは10数回もあった。

ミヤマキンバイ

午後2時5分前、小田越登山口まで降りてくる。再び舗装路を駐車場に向かって歩いていった。

 

 

最後に

今回の早池峰山は岩場が多いこと、そして次に登る八幡平は木道が多いことを想定してストックは一本だけにした。荷物を軽くするという意味もあった。

 

そして、ストックを使ったのは登る時だけで、それも樹林帯の中だけだった。あとは折り畳んで手に持っていた。

 

河原坊にはビジターセンターがある。下山後そこに立ち寄ると、山頂の小屋で一緒だった人がいた。職員の方から近隣の情報を聞き出していた。ぼくは館内を見て回る。すると岩石の標本があった。やはり数種類が混ざっていた。となりの模型も早池峰山全体の地形を理解するにはよくできたものだと思った。

 

では、このへんで

岩石の標本

早池峰山の模型



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