Hakuto-日記

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念願の劔へ。ところが雷、突風、どしゃ降り!【剱岳】その1

9月14日(土)から16日(月)まで2泊3日の予定で、コンパスアプリから登山届を提出した。

翌日、「富山県気象警報・注意報」というメールが届く。「【立山町】雷注意報(発表) 突風」というメッセージ。

そのあとも、時間をおいて13回、合計で14回の警報メールがきた。

ここは劔沢キャンプ場。

14日に見えていた剱岳は完全に雲の中。

お願いだ、晴れてくれ!

 

夜行バスで富山、そして室堂へ

バスの中から室堂ターミナルが見えた

9月13日、 バスタ新宿から夜行バスに乗り、翌朝富山駅に着いた。今回は立山の室堂から剱岳を目指し、帰りに立山を縦走して室堂に戻る計画である。

 

富山駅を7時11分発の富山地方鉄道に乗り、1時間15分ほどで立山駅に到着。ここから美女平まではケーブルカーを乗り継ぐ。その後は室堂までバスだ。ところがこのケーブルカーは事前に予約が必要だったようで、当日、チケット売り場に並ぶと次に予約が取れるのは10時40分とのこと。それに乗れるのはぼくが最後、危ないところだった。

 

仕方がないので駅前の木陰で時間を潰す。ちょうどこの土日に続けて句会があり、不在投句する句を考える時間ができた。

 

こうして予定より2時間ちょっと遅れて室堂に到着した。ここに来るのは3回目だがほとんど覚えていなかった。前に来たのは遥か40年近く前のこと。最初に来た時に立山を縦走している。

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金沢のおじさんと下山 【立山三山登山その2】 - Hakuto-日記

 

あの時は出張の帰りで、突然思いついて山小屋を予約した。今考えると無謀な登山だった。けれど思い出に残る登山でもあった。剣御前小屋で出会った方が早期退職をして和菓子屋の後を継ぐことにしたということだった。それで最後に剱岳を登りに来たと話していた。ぼくはちょうど写真学校に入りたてで一眼レフを持っていたので、その方の写真を撮って後から送らせてもらった。それは自分で現像し、心を込めて六切りに焼いた。

 

あの時は時間がなくて一服剱まで行って引き返した。そしていつかは剱岳に登るぞという想いを胸に抱き続けてきた。

 

 

劔沢でテントを張る

バスを降りたらまずは昼食

室堂で昼食をとり、今日の目的地、剱沢小屋のキャンプ場に向かう。みくりが池では道を間違えて室堂に戻る方へ行ってしまったり、剣御前小屋のある別山乗越に登る道も予定とは違う道で登ってしまった。なんだか少し頭が痛くて、そのせいで注意力が散漫になっていたのかも知れない。

 

雷鳥沢から別山乗越への急登は標準タイムよりも30分早く登ることができた。ここで10分ほど休憩して剱沢へ下る。下りは自分では結構早く下れたと思ったが、10分ほど早いだけだった。やはり下りは苦手だ。

 

こうして午後3時10分、今日の目的地に到着。受付(2泊で2千円)を済ませてテントを張る場所を探す。好立地の場所はすでに先に来た人たちでいっぱいになっていた。でもよく見るとほとんどが少し傾斜している。ぼくは少し傾斜がきついが細かい石ばかりの所を見つけてそこにテントを張った。究極の1人用なので場所は取らない。

みくりが池

ヤマハハコ

これから歩く道 下に雷鳥沢キャンプ場が見える

ちなみに今回ペグが打てないことを想定して自立式のアライテント トレックライズ0を持ってきた。マットは昔使っていたロールマット。厚さは10ミリで長さは110センチ。だいぶへたって厚みは少し減っているが、これがとても軽い。足下は厚さ2ミリの銀マットを二重にして敷いた。これならロールマットの間に入れて丸めることができる。

 

今回は、ツェルトでなくこのテントを持って来て良かったと、このあと実感することになる。


 

出発前に量りを買ったので、全てをザックに入れて量ってみた。水を除いて9.3キログラム。まあまあだ。このうち食料は約2キロ。水は富山駅で1リットルを詰めた。それほど重い方ではないと思うが、1キロ以下のザックで背負うには少々重い。大雪山のときはもっと重かったが、それでも長時間背負うと肩が痛くなる。

 

夕焼け後の剱岳 (ちょっと遅かった)

テントを立てて、夕食。ウイスキーを少しいただく。するといつの間にかウトウトしてしまう。外を見ると剱岳が夕焼けに包まれていた。あわててスマホを探す。そして、いざ撮ろうとしたらもうすでに遅かった。

 

歯磨きをして早々に就寝。隣のテントの二人連れは明日の予定などを話している。どうも天気は下り坂のようだ。週間予報では晴れと曇りのマークだけだったのに。すると、夜半に雨の音。なんとか明日は晴れてくれと願う。ところが雨の音で何度も目覚める。

 

剱岳は危険な山だ。多くの遭難者がでている。雨が降って岩が濡れていたら、滑落の危険があるため登山は断念することにしていた。だからなんとか雨だけは止んくれと願う。

 

明け方はかなり冷えた。ザックからカイロを出して腰に貼る。そして午前4時。だめだ、雨はますます強くなっている。

 

 

15日は一日停滞

こうして翌日は、「富山県気象警報・注意報」というメールが13回も届く。「【立山町】雷注意報(発表) 突風」だけでなく、というメッセージ。

 

そのあとも、時間をおいて13回、合計で14回の警報メールがきた。

「西部では16日明け方まで土砂災害に、15日夜のはじめ頃まで低い土地の浸水に注意してください」「15日夜遅くまで土砂災害に警戒してください」「【立山町】大雨注意報(発表) 土砂災害注意 雷注意報(継続) 竜巻・ひょう 洪水注意報」「富山県では、15日夜遅くまで土砂災害に警戒してください」「富山県では16日昼前まで土砂災害に、16日夕方まで高潮に、16日昼過ぎから16日夜のはじめ頃まで落雷に注意してください」などなど。

 

ただ、たまに雨が小降りになる時があり、この時とばかりトイレに行く。戻ったら、テントに入る前に張り綱をピンと張る。それにしてもこんな天気なのにダブルウォールのテントは快適だった。数日前に縫い目のシームリングが劣化していたのでやり直していたことも幸いだった。

 

しかし、劣化したシームをうまく剥がせないところもあって、おそらくそのせいだろう。1箇所だけ少しの雨漏りがあった。それ以外はまったく雨が染みておらず、北海道のツェルトでびしょ濡れになったことを思うと天国だった。

ツェルト泊、風雨の洗礼 【大雪山〜トムラウシ山縦走】その3 - Hakuto-日記

 

それにしても本当に一日中雨で、それは夜になってからも変わらなかった。

 

この停滞のため、立山縦走の計画は中止とした。今回の目的は兎にも角にも剱岳。明日雨が止んでくれたら剱岳に挑戦するが、雨だったら撤退だ。お願いだ。雨が上がってくれ。

 

つづく

 

 

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