Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

写真は定年後の趣味になるか 上達しないジレンマを抱えることになるかも

 

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Raman OzaによるPixabayからの画像)


定年後に写真を趣味にしようと考えている方は多いと思います。

 

 一言いっておくと、お金はかかります。 お金のことなら大丈夫という方はどうぞ写真を楽しんでください。 

 

男性に多いのが、写真が好きなのかカメラが好きなのかわからないという人。 

 

特に最近はデジタルカメラに変わって次から次へと新製品が出て性能がアップしています。 

 

ただ、機材は進化しても写真自体がなかなか上手くならないとお嘆きの方も多いのではないでしょうか。 

 

これは、どちらかというと自分のことなのですが、改めて写真に向き合うために上達のヒントをまとめてみました。 

 

少しでも参考になれば幸いです。 



今回の記事の内容は次の通りです。 

  • 写真を趣味にするとお金がかかるということ。
  • 写真の基礎をマスターしないと思いどおりの写真を撮るのは難しいこと。
  • 写真表現が上達するための15ヒント。

 

【目次】

 

写真はお金がかかる

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写真を続けるにはお金がかかります。


カメラにレンズ、記録媒体のメモリ。最低限これだけは必要です。

 

もちろんスマホだけでも写真は撮れます。スマホで撮れる写真だけ撮っているなら大してお金をかけずに写真を楽しむことができます。

 

けれど、スポーツを撮るとか動物を撮るにはスマホではちょっと厳しいです。

 

すると、レンズが交換できるカメラが欲しくなります。スポーツや動物には長い望遠レンズが必要です。

 

レンズも明るいレンズ(この意味がわかりますか? 開放絞りが1に近いもののことです。)が欲しくなってきます。明るいレンズがあれば、早いシャッタースピードで写真が撮れます。後ろをぼかすことも可能です。

 

また、デジタル写真では暗室の代わりに写真を加工するソフトが必要になります。

 

カメラを買ったときについてくるソフトでもそこそこ加工はできますが、もう少し色々なことができるソフトも欲しくなると思います。

 

そうこうしているうちに新製品が出て、どんどん買い替えを迫られるようになり、まんまとメーカーの作戦に乗ってしまうこととなります。しかし、これに逆らうことは難しいことです。

 

次に問題となるのが、お金をかければ機材は手に入るけど、なかなか上達しないとか、何を撮っていいのかわからないということではないでしょうか。

 

そこで、写真教室や写真サークルに入ることにします。すると、そこでもまたお金がかかります。 

 

こうして継続的にお金がかかることは、写真を始めるからには覚悟しておくべきです。  

 

 

 

写真が上手くなりたい

 

さて、とりあえず写真を趣味にして機材も揃えたとします。

 

初めのうちは覚えることは結構あります。カメラの操作を覚えるのに一苦労して、ようやく写真が撮れる。ここで写真が撮れるというのは、自分で絞り値やシャッター速度を決めて撮るということを言っています。

 

プログラムでは、カメラが写真を撮ってくれていて自分で思うような写真を撮ることはできません。

 

通常は絞り優先オートかシャッター速度優先オートで撮ることになります。このとき露出をオーバーにするかアンダーにするかを設定します。さらにISO感度の設定をします。

 

こうすることにより、撮影者の意図をカメラが表現してくれます。

 

こうした基礎がわからないと、思うような写真がとれません。

 

この基礎がわかってくると、次の段階は「写真が上手くなりたい」と誰しもが思うとおもいます。

 

そうして「なかなか上達しなくて」と悩むことになるでしょう。

 

 

では、ここで質問です。

 

「うまい写真」とはどんな写真でしょうか?

 

「うまい」というのは何をもってうまいというのでしょうか。たとえば、コンテストに入賞するような写真はそのほかの写真とどこが違うのでしょうか。

 

それは次のようなことだろうと思います。

  1. コンテストの趣旨に合った写真であること(カメラ機材を含めて。これはキャノンのコンテストにニコンのカメラを使わないということ)。
  2. 基本的な技術(適正露出、ピントが合っていること、適正な絞り値とシャッター速度、ブレがないこと)がしっかりしていること。
  3. ありふれた写真でないこと
  4. 狙いがはっきりしていて審査員がハッとするような写真であること。

 

おそらくもっとあると思いますが、ざっと考えただけでこのくらいあります。

 

このうち、1と2は努力でなんとかなりますが、3と4は運と感性がものを言う世界? 実は私にもわかりません。多分そうなのではないかと考えたわけです。

 

ただ、狙いがはっきりしていないというのは見る側が何を撮っているのかわからないということ。それでは審査員の心を捉えることはできません。

 

まあ、実績のないものが言うのもなんですが。

 

ようするに、うまい写真とは、狙いがはっきりしていて、それが確かな技術により狙いに沿った表現ができること。そしてその狙いが他の人に受け入れられること。というのが私の答えです。    

 

ところが、それがわかっただけではうまい写真は撮れません。

 

そこで、以下に写真が上達するためのヒントとなるものを7つと8つ、合わせて15に分けて紹介します。

 

このヒントを読んで、会心の写真を撮ってください。

 

 

 

上達のヒントその1

 

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写真表現の7つの哲学

伊藤みろ氏の著書『フォトグラファーズバイブル』の中に「写真表現の7つの哲学」というのがあります。それが何かの役にたつかもしれません。

 

昔メモしておいたので、ここに記して考えてみたいと思います。

 

哲学1「時空の瞬きやひらめきを捕まえる」


現実の観察を通して、万物の生成や死滅の流れと自分の心とを一体化させる。

まったく直感的な作業。

 

哲学2「生き生きとした『視線の芸術』」


「視る」ことと「視られる」ことの関係性で成り立ち、さらに高いところから「視ている」という意識の統合に向かう場のメディア。

 

哲学3「本来の自分と出会う」


ファインダー越しに万物と響き合うのは心。

そしてまさに心によって、対象と一体となり、世界とつながる。

 

哲学4「写真とは鏡なり」


写真は心の眼で写し出す世界の鏡。

見えている世界だけに向けられるのではなく、世界に流れるいのちを感じる「心の視線(まなざし)」

 

哲学5「写真とは世界を見つめる双眼鏡」


写真は世界の断片でありながら、より大きな世界を象徴する詩

既知でありながら未知のものを見つめる双眼鏡。

 

哲学6「写真とは、時空に放たれた『矢』」


写真という「心の矢」が射るのは、被写体という「的」ではなく、自分の心

 

哲学7「写真とは、冒険家、探索者、収集家のまなざし」


写真は、世界のすべてを収集し、人類の「記憶の宝庫」に刻印する。

そんな中で、写真家はつねにイメージの探求者であり続ける。

 


以上を、改めて読み返してみて、率直なところ難しくてよくわからないというのが感想です。


それでも一つひとつ考えてみます。


哲学1の直感的な作業というのは、頭で考えてとるなということだろうと思います。説明的な写真はインパクトに欠けます。

 

哲学2は、写真家と被写体とそれを天から視ている「私」までもが意識を一体化させるということでしょう。客観的でありながら主観的であるということでしょうか。

 

哲学3の対象と一体となるということは、まさに感性。心を響き合わせて共鳴させるということだろうと思います。

 

哲学4は、写真とは流れるいのちを心で感じ、その感じた心を写し出すこと。やはりここも感受性が要求されています。

 

哲学5は、写真が切り取ったものは断片でありながら世界を象徴するもの。見慣れたものの中に、双眼鏡で未知のものを発見するのと同じ感覚。

 

哲学6の心の矢が射るものは自分の心とは、自分の心が的にならなくてはならないということ。つまり的が絞られていなければ矢は放てない。

 

哲学7は、写真家が撮る写真はすべてが記録として残っていく。だから、つねに新しいものを求め変化していく必要があるということか。 

 


伊藤みろ氏のプロフィールはこちらをご覧ください。

mediaartleague.org

 

 

 

上達のヒントその2 

 

猪俣重喜氏の指導の言葉

写真家の猪俣重喜氏には約15年に渡りご指導いただきました。先生がよく言っていたことを整理してお伝えしようと思います。

 

かなり貴重な言葉だと思います。これを聞いていても実行しなければ意味がありません(自分に言い聞かせています)。

 

 1.ピント、露出、フレーミング

  • 写真は、ピント、露出、フレーミングの3つしかない。シャッターは時間の表現。絞りは空間の表現である。
  • 止めるかブラすか。ブレはダメ。ブラすならはっきりと。
  • ロングからアップへ。全体から部分へ。タテとヨコを撮る。
  • 明るいテーマは明るく(ウォーム系)、暗いテーマは暗く(ブルー系)に仕上げる。
  • 撮影時に緊張感を持て。シャッターを丁寧に押す。モニターを見過ぎない。 

 

2.フォトジェニックな被写体を探せ

  • 被写体は借りもの。自分を表現するためのもの。
  • 被写体を借りて自分の人生観、美学、思想、感情、哲学を表現する。
  • 被写体を理解し、心の内側まで入り込んで、感情までも表現する。
  • くどき上手になれ。交渉なくしてシャッターを切ることはない。
  • 他の人が関心を持たない被写体を探せ。
  • 人間を撮るときは話しかけ、コミュニケーションを取りながら撮る。盗み撮りはだめ。
  • 必ず声をかけて撮れ。記念写真、動物でもなんでも。
  • 被写体として撮られた人に写真を差し上げることが最低の義務である。 

 

3.写真は記録

  • 写真は時代の証人である。
  • 写真は身辺雑記である。カメラを持って歩こう。
  • どんな写真もドキュメント(記録)である。ドキュメントとは、人間の暮らし、リアリティの記録。
  • 記念写真は写真の原点。
  • 写真は情報伝達の手段である。

 

4.時代を読む

  • 時代とともに写真は変わる。新しいか、おもしろいか。新しいことは正しい。
  • 時代を語る写真を撮れ。景気が悪い時は暗い写真が喜ばれる。
  • 時代をよくつかみ表現する。時代をつかめば龍に乗る。
  • 情報が重要。分析・解析して生かす。
  • 真の情報を集めよ。噂に惑わされるな。
  • 雰囲気に流されないように判断力をつけよ。ネット情報に流されるな。 

 

5.五感を働かせよ

  • 「わかる」とか「わからない」というのはタブー、感じる写真を撮れ。
  • ショーウインドウを見て感覚を磨け。
  • 好奇心の塊になれ。
  • 自分の思想、感情に従ってシャッターを切る。
  • 頭の中で考えるな、素早く撮れ。瞬間に切り取れ。
  • 見るのも撮るのも集中力。
  • カメラを構えたらすぐにシャッターを切る。構図で撮るのではない五感で撮るものだ。 

 

6.何を撮りたいのかを明確に

  • 文章で自分の意志が表現できなければ、写真で表現することはできない。
  • 何が撮りたいのかをはっきりさせる。
  • 「伝えること」誰に何を伝えるかを考えること。
  • 伝える精神が強いこと。
  • ニーズのあるところに情報を伝達する。

 

7.写真との向き合い方 

  • 写真がうまい人はいっぱいいる。しかし、作品を発表できるかどうかは別問題。
  • 自分のお金、時間、体を使って結果を出さなければ何のためにやっているのかわからない。
  • 写真は総合的な表現。写真以外のことを知ることが大事。
  • 写真は好きであるかどうかで決まる。これが70%。才能20%、努力10%。
  • 「〜したい」ではダメ。「〜する(撮る)」と決めなきゃダメ。
  • 一流の被写体、テーマがなければダメ。一流を目指せ。一流の写真を見ろ。
  • 文学を読め。活字は想像力を高める。
  • 社会・政治に関心を持て。写真に深みを与える。
  • 写真は生き方である。
  • 最も大切なのは撮影以前。準備に時間をかけること。
  • 自分の意思で行動しろ。
  • 写真は外へ外へ。情報を外に出す。体を動かす。
  • 色々なものを撮れ。柔らかい頭にしなやかな感覚が必要。
  • (高齢者について)体がしっかりしていないと写真は撮れない。 

 

8.写真表現

  • 〜らしい写真を撮るな。
  • シンプル・イズ・ベスト
  • 演出しよう。戦時中に演出させられた反動で絶対非演出がもてはやされた。
  • 表現もハードも新しいものを。新しくなければ写真ではない。
  • 新しくなければ写真じゃない。新しい写真とは、人と違う写真のこと。人が撮らない写真を撮れ、群がるな。
  • 発想が作品を作るカギ。     

 

猪俣重喜プロフィール

1929年長野県に生まれる(現在92歳)。日本写真家協会会員。元NHK文化センター写真講座講師。受講生等からJPS写真展等の入賞者多数。

 

 

 

まとめ

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

私が写真を始めた頃は、ちゃんと写っているだけで感激したものです。

 

現像してみるまでそれがわからない。35ミリフィルムの詰め替えに失敗したり、大型カメラのフィルム装填に失敗したり、いろいろやらかしました。

 

もし、仕事でやったら大ごとですが、幸い写真学校での出来事。

 

それでも仕事が終わってから徹夜でプリントしたりよくやっていたと自分でも感心します。

 

時代は変わりデジタル時代。写真は発明された時から常に進化を続けてきました。猪俣先生の言っていた「新しいことは正しい」という言葉、それが時代の変化ということなのだとあらためて感じました。

 

では、このへんで

 

 

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