下北沢駅前劇場に演劇を観に行ってきました。
数年前から小さな劇団の演劇を観に行っていましたが、今年は新型コロナのため公演自粛により相次いで中止になっていました。
そんな中で、ようやく最近になってコロナ対策をして公演するところが現れてきた矢先に第3波がきてしまい、いつ中止になってもおかしくない中、どうにか中止にならずに本日の千秋楽の公演を観ることができました。
もちろん、こちらもしっかり手指の消毒を行うなど十分に気をつけましたが、劇団側もしっかり対策をとってくれていました。
劇団は「電動夏子安置システム」(以下、「電夏」)で社会風刺の入ったコメディーをやるところです。
演目は「エントツ女王と煙たい町」。6日間9公演、うち1日は無観客で撮影し動画配信というものです。
今回はコロナ対策の状況と公演を観た感想をお伝えします。
コロナ対策
電夏のサイトをみると、チケット予約のところに、劇場に行くか、それとも生配信公演を観るかを選ぶような流れ図がありました。
(出典:電動夏子安置システム第43回公演【エントツ女王と煙たい町】)
この生配信公演は、公演期間中に観に聞けない人や、地方に住んでいる人にとってはありがたい試みだと思います。
コロナが収束しても、この方法は続いて行くのではないでしょうか。また、続けて行ってほしいものだと思います。
公演を行うにあたり、劇場でのコロナ対策にも念を入れていました。
《新型コロナウイルス感染予防および拡散防止について》という注意書きのPDFが電夏サイトに掲載され、劇団が行うコロナ対策と、観客にとってもらいたい注意事項が書かれていて、その通りに実行されていました。
その注意書きには、
◎感染予防、拡散防止に細心の注意を払うべく、劇場ロビーと劇場内の適宜換気・会場内の設備、備品等の消毒の徹底・全スタッフマスク着用・ロビースタッフはフェイスシールドを着用しての対応・劇場入り口に消毒用アルコールの設置をいたします。
◎飛沫感染防止のため、舞台から最前列客席までの距離を2m離し 、客席数を少なくする事で、客席同士に適切な距離をとって公演を行います。
と書かれています。
劇場に着くとまず検温がありました。
チケットを見せて自分で半券をもぎり、手指をアルコール消毒。先へ進むとチラシと挨拶等の書かれた紙が置いてありました。
スタッフは皆フェイスシールドをしています。
座席はすべて指定席。椅子と椅子の間を30cmくらい開けてあり、前との間隔も広くとってありました。いつものぎゅうぎゅう詰めとは全く違う感じです。
前説によれば、場内は吸気と排気の換気扇がついているそうで、それにドアは皆解放し、舞台の裏側も扉を開けているそうです。
ひんやりとした風が入ってきて、夕方少し冷えてきたのがわかりました。
それに加え、22日にあった地震(東京震度3)についても触れ、まさに公演中に起きたとのことです。照明が揺れると音がするそうですが、ワイヤーをつけているので落ちる心配はないこと、それに避難時の階段の位置の説明がありました。
今回驚いたのは、出演者までみな口元にシールドをつけて演技をしていたことでした。
シナリオ自体が感染予防対策を行なっている現在の状況と同じ設定で、ストーリー中の会議もZOOMを使ってリモート会議を行うような場面が中心となっていて、シールドが不自然ではない設定になっていました。
公演終了後は、一斉退場ではなく、一列ごとに扉の外に出て行くように指示がありました。
そして、いつもなら公演終了後にある出演者との挨拶もなしです。
(公演が始まる前)
あらすじ
あらすじはチラシから引用します。
貧しかった町に
工業団地を誘致して
発展させた町長は
8期にわたり君臨し
いつしか揶揄を込められて
「エントツ女王」と呼ばれます
女王が次に望むのは
神様が棲むあの山を
世界遺産にしてみたい
だけどもかつて自らが
誘致してきた工場の
白い煙が邪魔をします
景観すてて産業か産業すてて景観か
エントツ女王の難題に
情熱と知恵で向き合わずエゴだけ振りまく人たちの
群像喜劇でございます
感想など
この劇団の面白いところは、公演が始まる前のお客さんとのやりとりです。
今回のコロナ対策の説明や避難経路の説明などをしたり、公演時間前にトイレに行っておくよう注意を促したりするのですが、この説明だけで笑わせてくれるのです。
今回の公演では、ドロンズ石本さんが出演しているのですが、この前説にも登場し、説明中にちょっかいを出すので説明が終わらなくなりそうな感じになって、公演が始まる前から笑わせてくれていました。
ドロンズ石本さんは何気なくこの劇団が賞を取ったとか20周年であるとかを話して、その度に拍手で盛り上がりました。
これが公演の始まる時間ギリギリまで行われ、暗転して音楽が鳴り始めると観客の拍手の音はすっかり手慣れた拍手になっていました。
今回の電夏の公演も社会風刺の入った内容ですが、人々のエゴがどれも人間臭いものとなっていて、とくにこうあるべきだとかいう説教くさいところは全くありませんでした。
皆それぞれが自分や家族のことを考えて生きている。
だから、これを観た観客はそれぞれが違った受け取り方をしてそれでいいのだと思います。
私の受け止め方は良くも悪くも人間とはおもしろいものだというふうに感じました。
自分や家族を優先し、そのために何かを一生懸命にやることが素晴らしいことなんだと思いました。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回の公演は、コロナ禍で稽古もままならない状況だったと聞いています。
公演を行うにあたり、出演者やスタッフの方々のご苦労が推察され、千秋楽を無事迎えることができてさぞかしホッとされていることと思います。
皆様のエネルギーに感服しました。
(お知らせ)
23日が千秋楽で公演は終了しましたが、11月末までに申し込めば無観客生配信公演を視聴できます。
ご興味のある方は下記サイトよりお申し込みください。
【公演生配信観劇チケット】
ご予約サイト
電動夏子安置システム第43回公演『エントツ女王と煙たい町』 - パスマーケット
●2500 円(クレジットカード決済のみ)11/19 の 19:30 の回は、無観客生配信公演
配信された映像は 12/2 までは繰り返し何回でもご視聴頂けます。 生配信後でもチケ ットの購入可能(販売は 11 月末まで)
では、このへんで
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