「毎日仕事で疲れてクタクタだ」
「なんでオレばかりこんな目にあうのだろう」
「何かいいことないかな」
そんなあなた、あまり思いつめないでくださいね。
人生は仕事だけじゃありませんよ。
苦しかったら考え方を変えてみる方法があります。
それでもダメなら逃げたっていいんですよ。
ただ、何もしないでじっと耐えているのだけはやめましょう。
今回は、お疲れのあなたに贈る3つのお話です。
一杯のコップについての3つの話
第1話 コップの中の色(しき)と空(くう)
コップに水が半分あるとします。
半分しかないと思えば不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句の対象となります。半分も残っていると思えば、うれしく、楽しく、しあわせの現象。喜びの対象になります。
このように同じ現象を見ても受け止め方は全く異なります。
般若心経の中に色(しき)という言葉があります。
色とは形あるもの、目に見えるもの、手につかめるものという意味だそうです。
もともとは人間の肉体のことで、のちに色情という意味にとらえられていきました。
色即是空の意味は、形あるものは必ず滅するものである。命あるものは必ずなくなるものなので、常なるものはない。それは虚しいもの、実態のないものであるということ。それが空(くう)の解釈でした。
この解釈に対し、小林正観さんはお釈迦様は少し違うことを言いたかったのではないかというのです。
色とは人が与えた評価や論評のことをいうのではないか。空とは評価・論評を加えない状態をいうのではないか。
つまり、空というのは無色透明で中立、ニュートラルであるということなのだと。
たとえば、「重い、軽い」「大きい、小さい」「高い、低い」「暑い、寒い」などは評価論評を加えた現象。
重さが10キロとか、高さが1メートルというのが評価・論評を加えていない状態。すなわち空。
空とは虚しいものとか存在しないということではなく、もともと存在するすべてのことに色が付いていない、そこに意味を持たずに絶対的に存在している、という意味だったのではないかと考えたそうです。
すると、さきほどのコップの水に色はついているでしょうか。
無色透明であれば、それは200cc入るコップに水が100cc入っているということ。それがニュートラル、即ち空です。
「半分も」とか「半分しか」と考えた時点ですでに評価・論評を加えています。即ち色です。
あの人は不幸にあったとか、悲しい出来事にあったとかいうことは、すでにそこに評価・論評を加えている。
私たちの日常生活は、実は捉え方の違いによって成り立っているのです。
いま、仕事で上司や部下の間で苦労していると感じている時、その苦しみ、辛さ、苦悩というのは本来は空であるのに、私たち自身でそこに色を与えてしまっているということ。
反対に、幸福という現象も存在しません。それを幸福と思うかどうかはすべてがあなた次第ということです。
(出典:『100%幸せな1%の人々』小林正観 著)
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第2話 コップの中の濁った水
「銀座まるかん」の創業者、斎藤一人さんは、心の大きさはコップ一杯程度といっています。
そしてそのコップの中には満々と水が入っています。
ところが、ほとんどの人のコップの水は濁っています。
なぜ濁るのか。それは、自分自身や周りの人が、ネガティブな言葉という濁った水を注いでいるからです。
ネガティブな言葉とは「私は本当にダメな人間だなあ」とか「自分には価値がない」とか「お金がないなあ」とか。
自分や周りの人からのネガティブな声は、このコップに濁った水を垂らしているようなもの。
濁った水で満たされたコップの水は当然溢れだします。この溢れた水が、その人の性格や人間性を表しているというのです。
もし、コップが「妬み」という濁った水で満たされていたら、溢れ出すのはやはり「妬み」なのです。
つまり、幸せになるにはこの水をきれいにすればよいことになります。
でも、どうしたらこの水をきれいにできるのでしょうか。
それは、きれいな水をコップに垂らし続けていけばいいのです。
きれいな水とは、きれいな言葉のこと。汚い言葉を使うのをやめて、きれいな言葉をつかうこと。
すると、はじめは濁った水しか溢れてきませんが、諦めずにきれいな水を垂らし続けているうちに、だんだん水が澄んできます。
きれいな言葉とはどんな言葉でしょう。
一人さんのおすすめは「幸せだなあ」とか「ありがたいなあ」という言葉。
ではどのくらいこれを言えば良いのでしょう。そしていつ言えば良いのでしょう。
その回数は千回。言うのは幸せを感じたときや感謝したときではなく、その前に言うこと。
笑いと同じで、可笑しいから笑うのではなく笑うからおかしくなるのです。笑いやユーモアは人間だけのもの。これもきれいな水です。
そうして自分に発した言葉はその何倍にもなって自分に返ってきます。波紋が広がるように。
逆に「あいつのせいでこうなった」とか「お前がよけいなことをしたせいで」などというネガティブな言葉も自分に返ってきます。
「幸せだなあ」と千回言っていると水はきれいになります。「ありがたいなあ」と言っていると後からありがたい現象が起こります。
言葉を変えれば、行動が変わります。するとそれに心が伴ってくるのだそうです。
(出典:『斎藤一人の絶対成功する千回の法則』斎藤一人 著)
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第3話 コップに80%以上の在庫管理
交流分析(Transactional Analysis、以下「TA」といいます)という心理学には、ストローク理論というものがあります。
このTAの創始者であるエリックバーンは「プラスのストロークを自分の心のコップに常に80%以上在庫管理しなさい」と言っています。
ストロークとは、「気」とか「心的エネルギー」と同様のものです。TAでは存在認知の一単位と定義されています。
たとえば、出勤途上で職場の上司に出会ったので「おはようございます。今日はいい天気ですね」と声をかけました。上司はそれに「おはよう、本当にそうだね」と応えました。
これがお互いにストロークを交換したことになります。
プラスのストロークとは、それを受けとった者が気持ちがいいと感じるもののことです。
これに対し、マイナスのストロークは受け手が痛みとして経験をするもののことです。
先ほどの例のように、上司に挨拶の言葉を投げかけたところ、いきなり「昨日頼んでおいた件、明日ではなく今日中に仕上げてくれ」などど言われたら嫌な気持ちにさせられますね。このようなやりとりがマイナスのストロークです。
けれど、それよりもっと辛いのは無視されること。「おはようございます」と声をかけたのに、こちらを見ることもなく黙って行ってしまったらどうでしょうか。とても寂しい気持ちになりますね。
つまり、どんなストロークでも、まったく無いよりはましだということです。
幼い子供が親からのプラスのストロークが欲しいとき、それが与えられないと怒られることがわかっていながら親の気を引こうとします。親の仕事の邪魔をしたりするのはそのためなのです。それはつまりストロークが不足しているということ。
この幼い子どもの心のコップの中にはプラスのストロークとマイナスのストロークが入っています。けれど、それはわずかしかありません。ストロークの飢餓状態です。
こんなときは、マイナスのストロークでも構わないのでとにかくストロークが欲しくてたまりません。
そうやって親から怒られたらそれは成功した(マイナスのストロークを得られた)ことになります。
けれどそのような状態が続くと、良い結果を招かないばかりか、その後の人生にも悪い影響を与えてしまいます。
職場にもストロークが欲しくていちいち反論したり、嫌味を言ったりする人がいると思います。そんな人は、ストロークの求め方が上手くない人たちなのです。
自分からプラスのストロークを求めてもいいのです。求めて得られたストロークも、求めないで得られたストロークも等しい価値なのですから。
もし、あなたがマイナスのストロークを求める行為をしていることに気づいたのなら、素直にプラスのストロークを求めて、コップの中をプラスのストロークだけで80%以上になるように在庫管理することです。
プラスのストロークを求めるとはどのようなことでしょう。
「昨日買ってきたネクタイをつけてきたのだけど似合う?」とか、完成した仕事に「なかなかよく出来ただろう、頑張ったからね」とか自画自賛してみればいいのです。
日本人はとくに褒められた時に謙遜してしまいますが、せっかく貰ったプラスのストロークは「ありがとう」といって素直にもらっておけばいいのです。
また、他人にプラスのストロークを与えると返ってきやすくなります。
ストロークは与えても減りませんが、ストローク交換がないと自然に減ってしまいます。
そうやって、常にコップの中が80%以上プラスのストロークで満たされるように管理するのです。
(参考文献:『TA TODAY』イアン・スチュアート、ヴァン・ジョインズ 著)
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まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
一杯のコップ。いろいろな考え方がありますね。
いずれにしても、コップの水が渇かないように早めの対策をとることが良さそうです。
では、このへんで
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