記事の概要
はじめにインタビューを受けた人(interviewee)の紹介をします。
楠木 新 氏は、2017年に出版された『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(中央新書)というベストセラーを書いた著者です。
氏は「定年後をどのように生きるべきかを、地道な取材活動から浮かび上がらせ」ました。
定年後 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) | 楠木新 | 本・図書館 | Kindleストア | Amazon
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
楠木/新
1954年(昭和29年)、神戸市に生まれる。京都大学法学部卒業。大手生命保険会社に入社し、人事・労務関係を中心に、経営企画、支社長等を経験。勤務と並行して、大阪府立大学大学院でMBAを取得。関西大学商学部非常勤講師を務め、「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年、定年退職。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表、神戸松蔭女子学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
インタビュー記事の概要は次の通りです。
50代から会社員以外の自分を育てる
(楠木氏)平均「寿命が延びた結果、会社員時代だけでは終われ」ず、「もう一回、新たな人生が控えていると意識できるかがポイントで」ある。
(編集部)「しかも、長寿化によるパラダイム変換をどう生きるべきかというロールモデルが男女ともにない」「これだけ寿命が延びたこと自体、人類にとって初めてのことだから」
「そうした状況で思い切った転換ができず、寿命が延びていることを直視できない人に向けて、
楠木氏が『定年後』で伝えようとしたメッセージは、「サラリーマンが仕事一本でやっていると、社会との繋がりが仕事だけになってしまい危険だ」というわかりやすいものだった。
(楠木氏)「何かしたいと思っても、60歳を超えて一人ぼっちでは動きづらい。だから50代ぐらいから、会社員以外のもう一人の自分を少しずつ育てていく必要がある」
定年後の時間に何をするかを見つけるために
(編集部)では、定年後の時間をどのように使えばいいのか。ところがそう簡単に思いつくものではない。
そのヒントとして楠木氏が強調したのは、「フィット感」ということ。
(楠木氏)フィット感とは、「何をするのか外に探そうとする人が多いんですが、自分の中から引き出すイメージ」。とっておきの方法として、「子どもの頃の自分をもう一度呼び覚ます」こと。ポイントは小中学生。「老後を支えるのは小さいときの自分」である。
会社員以外のもうひとりの自分探しの注意点
(楠木氏)「好きなことをやりたい」という意識は危険。それは「頭で考えて」いるから。「取材した人の多くは、意識するきっかけとなるような試練を経験していた」
その人たちに共通するのは、「『人生短いのにこんなことやっている場合やない』」という、「自身の残り時間を意識」しているということ。
(編集部)「幸いなことに今のところ大きな試練がないのであれば、人生の終わりを意識して、自分の幼少時代を思い起こしてみるのが近道」
(注)以上の記事は対話形式ではありません。編集者の部分はほぼ楠木氏の発言の要約になっています。
「定年後を充実させるための六ヵ条」
楠木氏がまとめた、定年後に生活を充実させるための準備期間に心に留めたい行動六ヵ条を引用します。
第一条 焦らずに急ぐ
新たな立場を得るためには試行錯誤が避けられず、一定の期間が必要だ。だからこそ現役の時から動き出そう。
第二条 趣味の範囲にとどめない
わずかでも良いのでお金をもらうことを考えよう。社会とのつながりの指標としてお金の価値をモチベーションとしてうまく使うこと。
第三条 身銭を切る
身銭を切ったものでないと、自分の身にならない。身銭を切ることが主体性を持つ第一歩。
第四条 個人事業主と接触する
会社員の人は個人事業主と付き合うと、会社員の自分を客観視することができる。
第五条 相手のニーズに合わせる
顧客の好みを知らなくても、会社員時代は問題がなかったが、定年後は相手が求めているものを見極める感性が必要。
第六条 自分を持っていく場所を探す
自分を変えるより、ありのままの自分を、どこに持っていいけば役立つかを検討する方がうまくいく。
感想
いかがでしたか。
定年が近い人にとっては、切実な問題ですね。
『定年後』という本は、ほとんど定年近く、たぶん半年くらい前に読んだと思います。
この本は、職場の同期で1年早く定年退職し、再雇用によりわたしの部下として配属された友人から借りて読みました(ややこしくてゴメンなさい)。
たぶん本の内容に沿った記事だと思いますが、わたしは何か別なところからの情報で同じような考えをもっていたため、たまたま楠木氏がいうように50歳から準備を始めていました。
けれど、最近は副業が解禁されているところが増えているようなので、もし副業ができていたならぜったいにそちらをやっていたと思います。好きなことをやりながら収入を得られて、さらに生活基盤をもっているということは、いろいろなことに挑戦できますものね。
今の時代、変化が早いので楠木氏が多くの方に取材した頃とはすでに事情が変わってきているように感じます。
この記事をよんでいるあなたも、常に時代の変化を捉えて動くことが大切であるように思います。
私の場合はピッタリ合っているな、という感じです。
やりたいこと探しは、確かに頭で考えていてはダメなんじゃないかという気がします。
私の場合は、とにかくやりたいことを書けるだけ書き出してみました。頭で考える間がないように、ともかくなんでもいいから書き出してみる。そして、体が動くうちにしかできないものを先にやる。というふうに考えました。
ちなみに、この記事には出てきませんが、『定年後』では、気力体力が充実している期間は75歳になるくらいまでだと書かれていました。実際、75歳になると急に衰えるという人が多いという話を聞いていましたので、なるほどと思いました。
定年後を充実させるための六ヵ条は、常に読み返したいと思います。
第一条はもう済んでいるので、第二条から第六条までとなりますが、わずかでも良いのでお金をもらう。何かを身に付けたいのなら身銭を切る(これはこれまでやってきたかな)。個人事業主、ちょっといたかな、カメラマンとか。相手のニーズに合わせるのは確かに難しい。どうやって感性を磨こうか。そして最後が一番のお気に入り。
第六条の自分を変えるのではなく、ありのままの自分を活かせる場所を探すというのは、とてもいい考えだと思います。
そもそも自分を変えようということは、変えたい自分がある、つまり気に入らないところがあるということ。気に入っているところをさらに伸ばそうというのならそれはオーケー。けれど、たいていは自己卑下、ネガティブな考えに基づいていることが多い。
ありのままの自分を認めて、その自分が役に立つ場所を探してそこにいく。これは素晴らしい考えだと思います。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
私の感想がなくてもいい記事だったと思います。
定年後の未来。すばらしいものにするかどうかはあなた次第です。
やりたいことを見つけて早めに準備することと同時に、定年後の生活基盤を早く作っておくことも合わせてやって行きましょう。
そして、健康な体があればもう最高です。しかしここは運が伴うので、病気になったときのことも想定しておかないとなりませんね。
では、お互い楽しい定年後を送りましょう。
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