Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

シリアス&コメディー舞台二本立て 【下平久美子座長公演】

先日、テアトルRUIプロダクション事務局主催 下平久美子座長公演を鑑賞して来た。

本当は開催中に記事を書いた方が宣伝になったのだがちょっと遅れてしまった。

いずれにしても、以下の感想が見逃した方の参考になり、次回作品に期待していただけたら幸いです。

(公演:2022年11月17日(木)~11月20日(日))

 

 

座長下平久美子について

下平久美子とはいったいどんな人なのか。

 

氏の著作の紹介文を以下に引用する。

マナー・話し方インストラクター、TA心理カウンセラー・産業カウンセラー、日本交流分析協会副理事長。年間200日以上、コミュニケーションや話し方の研修現場に立っている人気カリスマ講師。日本航空で国際線客室乗務員として勤務したのち、客室乗務員教育やマナー・接客教育に携わる。1991年に株式会社リファインを設立。現在は、企業や自治体、大学などで心理学をベースとした研修を担当するほか、カウンセリングも行っている。そのほか、鎌倉市の教育委員も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『「コミュ力」アップ実践講座 気まずくならずに会話が続く!』より

 

下平氏に初めて出会ったのは交流分析を学び始めた7年前の2015年で、日本交流分析協会の交流分析士2級試験の事前講習の時であった。

 

その頃、氏は講師業を営みながら日本交流分析協会の理事を務めていた。

 

その事前講習のときに女優業もやっていることを知り、その後受けたTAの講義の中での自我状態を使い分ける演技には説得力があった。

 

彼女がすごいのは、50歳になってから女優を目指したということなのである。講師として引っ張りだこで、さらにカウンセラーとしても現役で、協会の理事の仕事もこなしながらで超多忙だったはずである。

 

以来、講師として女優としてファンになっている。

 

詳しい経歴は以下のサイトをご覧いただきたい。

www.speakers.jp

 

 

「迷光、あるいは、残照。」

 

今回、二本立て上演で、はじめに観たのは「迷光、あるいは、残照。」という作品。

簡単に言ってしまうとシリアスなサイコサスペンスである。

作・演出は吉水恭子氏。

 

作者については今回の作品で初めて知ったのだが、とても重厚な作品を書く人である。

 

ひとつは、会話の中に映画の場面のような情景描写があったり、観客に場面を想起させるようにその場所が語られていたりしたこと。

 

それに加えて、舞台らしくある場面を象徴的に演出していたこと。

 

そうそう、舞台はソファーだけのシンプルなもので、途中、セットの転換なども行われなかった。

 

下平座長の役は、自分の子どもを5歳の時に亡くして以来、精神を病んで幾人もの人格を持つことによってなんとか生きていく術を見つけた箒木美都子。

 

その彼女が幼い子どもを連れ去り、デパートの屋上で逮捕される。

そしてその子以外にも幼い子供が連続して失踪し、一人の子供が死体で見つかる。

 

こうして登場するのが天才精神分析医と刑事。

 

精神分析医は幼い頃に母が家を追われて出ていき母を知らない。そして刑事の妻は世間の誹謗中傷に耐えられなくなって自殺。

 

こうした一人ひとりの心に抱えた闇が交錯する。

そしてそこに源氏物語がお互いを結びつけていく。

 

多重人格を持つ美都子は精神分析医のもとで少しずつ自分を受け入れていく。

 

このさまざまな人格を表現するのに下平座長の心理学の経験が発揮されていた。

人格が入れ替わるときにまず表情が変わる。動き方や姿勢も変わり、声や話し方が変わる。

 

あの演技を見るだけでも価値がある。

 

 

「そこのナーサリングホームの奇跡的なお話」

 

打って変わってこちらはハートウォーミングなエンターテイメントコメディー。

 

作・演出が海賊のように飲む会のカワモト文明氏なのだから当然である。

ときどきおふざけが過ぎると感じる公演もあったが、今回はほどほどで、この辺りがちょうどよいと感じた。

 

無理やり笑わせるような力技がいつもより少なかったのがよかったと思う。

 

平凡になりがちな、ちょっと出来過ぎなストーリーを破綻させることなく、コミカルな場面を挟んで盛り上げていく手法は相変わらず健在である。

 

はじめから飛ばして笑わせるので、正直ぼくはその笑いになかなかついて行けないでいる。

 

舞台が進行していくにつれ、ストーリー(というより状況)が少しずつ分かっていく手法に乗せられ、徐々に飲み込めていくことがなんだか快感なのである。

 

そして、そんな気持ちになっていた頃に意外な展開が起こる。

 

今回の舞台の流れは、起承転結でいえば「結」→「承」→「起」→「転」→「結」といった感じか。

 

テーマは「老い」。肉体は老いても気持ち次第でいつでも青春でいられる。

 

下平座長演じる夢野紗里子は魔法使いサリーで、いつのまにかナーサリングホームのみんなの夢を叶えてしまったのだった。

 

 

最後に

シリアス作品は重厚で見応えたっぷり。ただ、ちょっと重たい。

それが次のコメディーで心が軽くなった。

もちろんテーマも高齢者にぴったりな内容。

自分はまだ高齢者だとは思っていないが、いつまでも心は青春でありたいと思う。

そして今回の公演で感じたこと。それは、下平久美子には華がある、ということ。

 

 

最後にキャストなどについては、こちらをご覧ください。

 

sites.google.com

 

では、このへんで

 

 

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