定年後、自転車日本一周で泊まった北海道のライダーハウス。そのなかで、廃線に伴って宿として利用されている列車と駅を紹介します。そろそろ今年はシーズンも終わりですが、まだもう少しは開いています。鉄道ファンでなくとも一度は泊まってみてください。話のネタになりますし、思い出に残ること請け合いです。さらに懐かしさで癒されますよ。
なお、ライダーハウスは基本的に寝袋持参です。マットも忘れずに。
今回紹介するのは、旧萱野駅、旧興部駅、旧湧別駅のあった場所にあるラーダーハウス3ヶ所と、番外で旧車両を利用したところです。
もう、有名すぎるので知っている方も多いかもしれませんが、そういう方は自転車日本一周をした私の体験談としてお付き合いください。
(注意)新型コロナの影響で休止しているかどうかを事前に確認してください。
萱野駅ライダーハウス(三笠市)
(旧幌内線萱野駅)
場所:068-2166 三笠市萱野128-2
料金:1,000円
期間:5月〜10月
設備:冷蔵庫、電子レンジ、ガスコンロ、炊飯器、洗濯機
ゴミ:分別すると捨てられる
風呂:シャワーあり
買い出し:近くのセブンイレブンまでは2.6km
問い合わせ先:管理者 坂梨宣行(向かいの床屋さん)TEL:01267-2-7497
こちらの鉄道チャンネルのコラムに最近の旧萱野駅が紹介されています。
萱野駅は1913(大正2)年に開設された幌内線の駅で、1987(昭和62)年に幌内線の廃止とともに幕を閉じました。幌内線は1882(明治15)年、石炭輸送のため、小樽(手宮)幌内間を結ぶ北海道で最初に敷設された鉄道。ちなみに国内では3番目ということです。
現在は地域住民の活動によりライダーハウスとして再生され、一つの駅舎が仕切られて待合室と宿泊部屋になっています。待合室は当時の駅の様子を今に伝えていて、年寄りにはたっぷり昭和に浸れる心地よい空間で憩いの場となっています。裏に回ると時計のついた車掌車が保存されていて、間近で見学することができます。
ライダーハウスとしては、炊事場がありガスが使えるので料理が可能。洗濯できて干し場もあってありがたい。毛布も置いてあるので、夏場なら寝袋なしでもいけるかも。
私が泊まったのは9月下旬、事前に電話で予約し、向かいの床屋さんに行くと誰の姿も見えず。隣にある自宅の呼び鈴を鳴らすとご主人が現れて、丁寧に宿泊のルールを説明してくれました。
ここに来る途中、たまたま、ここを目指して走って来た台湾のチャリダーと知り合い、一緒に走って来ました。
結局、この日は二人だけ。管理人の話では、夏の間は学生たちが来ていたのが、夏休みが終わるとパッタリと来なくなるそうです。夜は台湾の方とスマホの写真や動画を見せながら旅の話(日本語と少しの英語)をして楽しいひとときを過ごしました。翌朝の気温は4度。寝袋(夏用)の下に毛布を敷いて寝たので寒さに震えずにすみました。
私が泊まった日の旅日記はこちら↓
地図
道の駅おこっぺ列車の宿(興部町)
道の駅おこっぺ ルゴーザエクスプレス(簡易宿泊所)
(旧名寄本線興部駅)
※新型コロナウィルスの影響により2020年は宿泊を休止しております。(また来年)
場所:098-1614 北海道紋別郡興部町字興部幸町
料金:無料
期間:5月から10月頃まで
設備:車両内にトイレ、洗面台、寝床に電源(コンセント)あり
備考:車両内は火気厳禁、もちろん禁煙
風呂:近くに銭湯あり(徒歩2分)
営業時間は17時〜21時、定休日は日曜日(電話:0158-82-4126)
買い出し:セイコーマートとローソン(どちらも1キロほど)
道の駅にソフトドリンクの自動販売機あり
問い合わせ先:道の駅おこっぺ 0158-82-2385
関連サイト:道の駅 おこっぺ - サービスエリア
興部道の駅のルゴーサエクスプレスで宿泊は無料! | 鉄宿!鉄道&電車の見えるホテル
道の駅おこっぺは、名寄本線興部駅の跡地に建てられた交通記念総合施設。
当時の路線についてウィキペディアで調べると、興部駅は、1921(大正12)年、名寄東線中湧別駅ー興部駅の開通により開業し、1989(平成元)年、名寄本線の廃線に伴い廃駅となりました。名寄本線は、1932(昭和7)年に湧別線と名寄線が統合されたもの。湧別線は、1915年(大正4年)、遠軽 - 社名淵間 (4.5km) が湧別軽便線(軌間762mm)として延伸開業し、名寄線は1919年(大正8年)名寄 - 下川間 (16.5km) が開業しました。
廃止前は、宗谷本線の名寄駅から興部や紋別を経て、遠軽駅で石北本線に接続する本線と、中湧別駅で本線から分岐し、湧別駅に至る支線から成り立っていました。
簡易宿泊施設として利用している車両は、酷寒地向け耐寒仕様のディーゼルカーです。敷地内にまるで2両編成の列車が駅に停車しているように置かれており、そのうち一両は座席を利用した無料休憩所となっています。宿泊車両の中は、一段高くなったところに畳が敷いてあり、片側は通路となっていて靴のまま行き来することができます。邪魔にならなければ通路にも荷物が置けるので、雨で濡れている時には大変助かります。若干毛布も置いてあるようですが早い者勝ちなので、あまり期待しない方が良いかもしれません。
車両内のトイレが使えて、別に洗面台もついています。車両の端にありますが狭い通路を通って行くので、列車の旅をしている気分を味わえます。
自転車やバイクだけでなく車で来た人も利用しています。私が泊まった時は隣の方が車で来ていて、サーモンを狙いに来ているとのことでした。近くに車が止められるので便利だと思います。駐輪場は少し離れているので、荷物を置いてから停めに行った方が良いです。屋根はついています。
交通記念館受付で利用者名簿に記入するだけで利用できます。
なお、火気厳禁なのでガスコンロを使う場合は、外の炊事場が利用できます。
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地図
計呂地交通公園ライダーハウス(湧別町)
(旧勇網線計呂地駅)
※新型コロナウィルスの影響により2020年は宿泊を休止しております。(また来年)
場所:093-0651 北海道紋別郡湧別町計呂地2620番地
料金:・駅長の家:大人500円・子ども250円
・客車:大人300円・子ども150円
期間:5月1日から10月31日
設備:トイレ、キッチン、ダイニングテーブル、電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫、カセットガスコンロ(ボンベなし)、洗濯機(無料、駅舎の管理人室内)、ストーブ(管理人が管理、22時まで)
備考:22時消灯、寝床での喫煙・飲食厳禁。
16時~19時頃の間だけ管理人が管理棟にいます。
お風呂:コインシャワー(100円)
買い出し:近くにはなし(湧別町のコンビニまで約7キロ)
なお、3.4キロ先の道の駅愛ランド湧別にレストランあり。
公園の向かいの店でアルコール類あり。公園の隣に鮮魚店あり。
問い合わせ先:【指定管理者】計呂地自治会 Tel:090-7051-5656
当時の路線について、ウィキペディアによると、旧計呂地駅は、1935(昭和10)年に開設された湧網線の駅で、1987(昭和62)年に湧網線の廃止とともに廃駅となりました。湧網線は、中湧別駅で名寄本線から分岐し、サロマ湖、オホーツク海、能取湖等の沿岸を巡って網走駅に至る路線でした。1935(昭和10)年に順次開業した湧網西線(中湧別 - 計呂地間 (16.5km) )と湧網東線(網走 - 卯原内間 (13.2km) )とが、1953年(昭和28年)佐呂間 - 下佐呂間間 (16.7km) を延伸開業して全通したことにより湧網線となりました。
旧湧網線の計呂地駅をそのまま保存した交通公園には、SL<C58>と連結されている客車が展示されており、当時の駅舎やプラトホーム、元保線区詰所などが保存されています。
宿泊は、「客車」か元保線区詰所であった「駅長の家」を選ぶことができます。
宿泊できる客車は2両のうちの1両で、片方は当時のまま保存されています。
宿泊車両は、道の駅おこっぺの車両と似た作りですが、1段高くはなっておらず、床に畳が並べて敷かれています。こちらには泊まらなかったのであまり詳しくはわかりませんが、22時消灯で車内は火気・飲食厳禁。炊事場は車両脇にあり、喫煙所にもなっているようです。トイレは炊事場の隣です。
「駅長の家」は、キッチンとダイニングルームが土間になっていて、奥に2部屋が続いています。キッチンにはフライパンや食器なども置いてあり、公園の隣にある鮮魚店で仕入れたものを料理して食べている旅行者もいました。電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫などもあります。
私が泊まったのは10月上旬、前日の雨に濡れたライダーのために管理人がストーブを炊いてくれていたので、自分のレインウェアや洗濯機を借りて洗濯したものをストーブの横で乾かすことができました。
コインシャワーは、16、7キロ手前にある「道の駅 かみゆうべつ温泉チューリップの湯」で温まって来ていたので使いませんでした。
ここは自治会で管理していて、古い建物ですが綺麗にしてくれています。この日の夜は、近くでお祭りかなにか地元の人の集まりがあり、管理人に誘われて若者たちは参加して楽しんで来たようです。
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ライダーハウス武田牧場(黒松内町)
場所:北海道寿都郡黒松内町字中里
料金:1,000円
期間:通年
設備:トイレ、洗面所、ストーブ、インターネット
備考:事前予約が必要
風呂:黒松内温泉ぶなの森まで約3キロ
買い出し:セイコーマート黒松内店まで2.8キロ
問い合わせ先:TEL 0136-72-4013 (牧場なので時間帯によっては近くにいないので注意)
ブナ林の北限地帯である黒松内にある牧場です。牧場の離れのような格好で道路に近い場所にライダーハウスは建てられていて、使われなくなった「ヨ 6000形 車掌車」が利用されています。車両自体がログハウスに取り込まれており、車内も山小屋風にリフォームされていて、とても落ち着きます。
車内(室内)は、半分が1段高くなっていて畳敷、低い方はカーペットが敷かれています。私が泊まったのは10月の末、外は冷えていましたが、ストーブのおかげで暖かく過ごせました。
翌朝、温かい牧場の美味しい牛乳のサービスがありました。
家族での利用も可能だそうです。ここで乳牛とふれあうのも、子どもには楽しい体験になるかもしれませんね。
オーナーの奥さんに撮ってもらった写真
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まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
記事を書き始めてから調べていたら、新型コロナの影響で休止しているところばかりになってしまいました。来年は再開していてくれたらいいですね。
もし、今回紹介したライダーハウスを初めて知ってくれた方がいたら嬉しいです。
日本一周中は、こうしてブログで紹介することを考えていなかったので、写真や情報が少なくて申し訳ありません。
北海道は、廃線になったSLを展示している場所がたくさんあり、面白いです。今回紹介した宿の近くにも三笠鉄道記念館があり、旧萱野駅に向かう途中の岩見沢市みなみ公園にはD51が置いてありました。
そして「道の駅かみゆうべつ」には旧中湧別駅のホームと木造跨線橋、そして客車が保存、展示されています。網走市鉄道記念館にはSL49463が静態保存されています。
それほど鉄道に興味があったわけではありませんが、見かけるとつい寄ってしまいます。ロマンを感じるんですよね。
泊まれる列車では、九州宮崎にも廃止となった旧高千穂鉄道の2車両が、日之影温泉駅構内に、簡易宿泊施設「TR列車の宿」となっていました。全国各地、調べればたくさんありそうです。
しかし、廃線と聞くと郷愁を感じてしまうというのもどうかと思います。けれどそれが素直な気持ちです。人っておかしいですね。(アッ、それって自分だけ?)
では、このへんで。