八雲町の黒岩を出発するとき、宿の女将に「コーヒーを飲んで行きませんか」と誘われてご馳走になり、少しお話をしました。
テレビのニュースは台風の被害について報道していました。
「そういえば去年こちらの方では大きな地震がありましたね」
すると、
「この辺はそうでもなくて、停電もその日の夜には点くようになりました」
とのことでした。
「この辺は風も強くなくいいところですね」
というと
「雪は多いけどね」
ふっと雪景色を想像して『やっぱり都会から引っ越してくるには勇気がいるな(我が家は郊外だけど)』と思いました。
出発時は小雨がぱらりという感じで、風もなく道も平坦でとても気持ちよく走り出しました。
少し先の小さな港のようなところで何か作業をしている人に出会いました。
折り畳んだ網を機械に通しています。
「何をされているんですか」
「洗ってるんだ」
そして黙々と機械に網を通していきます。
訪ねられませんでしたが、あとで調べると帆立の養殖に使うザブトンカゴではないかと思います。
平坦路も終わりかけた頃から雨が本降りになりました。同時に小さな黒い虫が大量発生しています。
小さな虫は雨のせいで顔や服にペタペタくっついてきます。
なるべく食べないように、鼻で息を吸いながら進みます。
内陸部に差し掛かり、函館戦争で榎本武揚が上陸したという森町の道の駅で払い落とし、顔を洗うと洗面台がすごいことになっていました。
雨は大沼公園の辺りでかなり激しくなりました。この辺りはアップダウンがあり、車の通りも多くて緊張しっぱなし。
ほっと一息小沼のほとりで写真を撮りました。
目的地の函館まではあと20キロほど。車は専用道路の方に行ってしまい、急に寂しくなりました。
函館市内に入ったのでもうすぐだろうと安心しているとなかなか宿までたどり着けません。道路に路肩部分がほとんどなく、歩道は凸凹でお尻が跳ねて大変です。
この日の宿は湯の川にあるライダーハウス。温泉でゆっくり体を休めるため連泊します。
では、このへんで。
【データ】
10月19日(土)、雨 八雲町から函館市 94.41キロ