黒松内(くろまつない)のライダーハウスは少し短めの列車を利用したもので、中は山小屋風に改装されていました。
半分が絨毯敷きの床、半分が少し底上げした畳敷き。扉の向こうにはトイレも洗面台もあります。反対側の入口の外に流しがあり、そこにはもう一つ扉があります。
石油ストーブを使わせていただき、お陰であったかい夜を過ごしました。
暖色のライトもあり、とってもいい感じで落ち着きました。
翌朝には牧場の奥さんが温めたしぼりたての牛乳を持ってきてくれました。
牛乳を飲んでゆっくり支度してから出発。2時間近く走ると蘭越の道の駅に着きました。ここで早めの昼食。「いいっしょそば」というのを食べました。たまごにかき揚げ、山菜そしてネギが入っていました。食後は道の駅の隣の建物で作っているというアイスクリーム。こちらはさっぱりとしていてまるでシャーベットを食べた後のような感じでした。
アイスのレジにいたおじさん(紳士のような方)から
「さっきプレートを拝見したのですが、定年とあったので還暦ですか」
そうです、というと
「いやぁー、凄いですね、その気力があるのが。こちらもまだまだ頑張らないと、と思います。励まされます」
とても嬉しい言葉をかけていただきました。そして表で写真を撮り、事故に気をつけるようにいっていただき別れました。
宿泊地のニセコには3時頃に到着、ここは初めてなのですが、ニセコの駅の近くではなく、比羅夫という駅の近くでした。
まさにスキー場の街。坂も結構急でした。
宿が少し奥まったところにあり、確認のため道の端に止まっていると、スーツを着た男性が近寄ってきます。
「どうされましたか。このホテルは今日は貸切で泊まれませんよ」
随分と丁寧な口調です。
「多分この奥にあるのがそうだと思います」
「自転車旅行ですか、北海道に入る時、波が荒れていたのではないですか」
随分前に入ったのでと言うと
「ご存知かと思いますが、今G20を花園で開催しているので、立ち止まっているとまた声をかけられるかも知れません」
周りには幾人もの警戒態勢の人たちが襟元のマイクに向かって何か話しをしています。
なんとそんなところに宿をとったのでした。
そのせいで近くのホテルの日帰り温泉は営業しておらず入ることができませんでした。
しかし宿のお風呂には入れたのでしっかり温まりまることができました。
では、このへんで。
【データ】
10月25日(金)、曇り 黒松内町から倶知安町 54.11キロ