ライダーハウス遊遊仙人俱楽部は、すぐ近くに住んでいるオーナーのガレージを改装したようなところで、一階の隅に4畳か5畳くらいの畳スペースがあり、急な鉄の階段を上った2階にはかなり広いスペースがあって、何十人でも横になることができます。
トイレは近くの節婦駅まで歩いて行きます。
水はポリタンクに汲んでおいてくれました。
到着すると、オーナーが宿泊者の写真を撮るのが習わしになっているようです。
壁(厚いベニヤ板)にはそれらの写真が貼ってあり、マジックで書かれたメッセージもありました。
オーナーは年上キラーのバイクを眺めて
「650か、オレのバイクの半分以下だな」
とつぶやきました。
「ハーレーとかに乗っていらっしゃるのですか」
と聞くと
「スズキのバイクで〇〇(バイク名)1400だ。昭和62年から乗っている」
「そうすると33、4年も乗ってるんですね」
年上キラーのバイクのメッキを指差して
「コレが多いから旅先でも磨いているよ。仲間が一緒だとできないけどね」
バイクへの愛情がひしひしと感じられました。
ガレージハウスはともかく寒い。
ひょっとするとテントよりも寒かったかも。布団があったのでよかったけれど、顔や肩口が冷えました。
朝、出発するとき着込んでペダルを漕ぎ始めました。
9時になったので、今日の宿探しをしました。苫小牧まで約70キロ、今日は軽めに行こうと思いました。しかし、どこに電話を掛けても満室。それでもなんとか、苫小牧でも外れの勇払駅近くのビジネスホテルを予約でき、安心してのんびり走って行きました。
途中おしゃれなサイクルカフェを見つけたので行ってみると、残念ながら臨時休業の張り紙が貼られていました。
昼はどこで食べようか。
鵡川のししゃもが有名なのだそうです。しかし、鵡川の街を通ってもししゃもが食べられそうな店を見つけることができませんでした。道の駅も道路沿いにあるものとばかり思っていたので、通り過ぎてしまいました。
真剣にネットで探すと、少し先の厚真市にかくれん坊というお店がありました。
その店に入ると、テレビや雑誌に紹介された記事などが貼ってありました。母娘でやっていて、天丼とハスカップソフトが人気らしいです。天丼は揚げ物が丼の2.5倍くらいの高さに三角すいみたいに盛り付けられていました(写真によれば)。
なんかテレビで見たことあるかも、と思いながら、それは予約制だったので普通の海老天丼を食べました。ちょうど天丼が食べたくなっていたのでラッキーでした。椎茸、茄子、ピーマンそして海老が3本、特に椎茸が美味でした。
フェリーの発着する港に近づくと、荒涼とした景色に変わり、大型トラックがたくさん走っていました。
風も出てきて雨もパラリ。もうあと少しで宿なのに、景色が変わらず道も真っ直ぐでなかなか近づいているような気がしませんでした。
では、このへんで。
【データ】
10月16日(水)、曇り 新冠町から苫小牧市 66.28キロ
(ここで一句)
暮早し終始向かい風の中