5月4日(土)、晴れ 大田原市から那須町 50.73キロ
昨夜は10時間も寝ました。おかげで体力はかなり回復。
朝、トイレや洗顔を済ませてテントに戻ると、スノーピークのテントやタープを張ったお隣の男性が話しかけてきました。
「自転車で旅してるんですか」
「日本一周中なんです。まだ、六日目なんですが」
と答えると
「お尻が痛くならないですか。私も自転車で旅をしたことがあるんですが、もうお尻が痛くて大変でした」
そう言って「コーヒーでも飲みませんか」と誘ってくれました。
その方は30代後半くらいの方で、小学生のお姉ちゃんと5歳の弟がいるとのことですが、まだテントの中で眠っています。
「よく、キャンプに来られるのですか」と聞いたら、
元々は広島出身で、香川にある会社で勤務していたが、転勤で群馬に来たので、せっかくだからこの辺りをたくさん回ってやれと思っているところだと話してくれました。
そして、こちらも気になっていてちょっと聞きづらかった奥さんについても、
「実はもう一人生まれたばかりの子供がいて、妻は家で留守番です」
ということでした。
ドリップで淹れた美味しいコーヒーと暖かいお話を伺って、これからの旅の不安がすこし溶けていったような気がしました。
キャンプ場は料金がちょっと高かったのですが、温泉が400円と安かったので、まあまあかなと一人納得してキャンプ場を後にします。
たっぷり眠って疲れがとれたので、山の中にある雲巌寺に向かいます。そこも芭蕉ゆかりの寺です。山中には、ここのところ大量発生している黒や茶の毛虫が道路を横断していたり、ヘビやカエルの死骸が目につきます。タヌキの死骸もありました。こうしてみると、森の中には生き物が溢れているのだなあと改めて感じます。
そうして静かな山道を走っていくと、右手の少し広くなった場所に何台か車が停まっています。どうやらここが雲巌寺の駐車場のようです。道路の向こう側の沢を越えたところに寺が見えました。
近くまでいくと、朱塗りの橋がかかっていて、その先の階段の上に門が見えます。派手さはないけれど威厳を感じる荘厳な門です。
次は黒羽(くろばね)を目指します。
黒羽の町に入ってすぐに芭蕉公園があります。公園入り口の食事処でざるそばを注文。コシのある蕎麦で、付け合わせの菜の花のからし漬けが美味しい。
腹ごしらえの後は公園を散策。公園といっても小高い山の城跡です。公園内にはいくつか芭蕉の句碑や芭蕉を接待した弟子で武士の住居跡、それに芭蕉記念館があります。頭の中に江戸時代の景色を描きながら楽しみました。
続いて玉藻稲荷神社に向かいます。奥の細道では玉藻前の塚となっていて、神社とは書かれていません。玉藻前とは絶世の美女に姿を変えて悪事を尽したという九尾の狐のことだそうです。そんなことを考えていたら、目の前を、なぜか白人の少年が小さな自転車に乗って行ったり来たりしてます。なんだか不思議な光景でした。
では、このへんで。
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