1月22日(水)、曇りのち雨 今治市見近島から福山市 79.84キロ
2度目の見近島キャンプ場。今回もいろいろ面白いことがありました。
キャンプ場に着くと、なんだか薄汚れた格好のおっちゃんが焚火をしていました。そこは前回テントを張った場所です。おっちゃんに断って隣に張ることにしました。
テントを張り始めるとおっちゃんが寄ってきてテントをジロジロと見ています。
「これはムーンライトだね。昔はこんなとこに当て布なんてなかった。昔のしか知らなくてね」
ずいぶん昔からキャンプをしているようでした。
日が暮れる頃、新たにカブがやってきて、薄汚れたおっちゃんのテントの向こう側に止まりました。
この方はおっちゃんと顔見知りらしく、おっちゃんに
「90から乗り換えた。今日は試運転にやって来た。やっぱりこっちの方が力があるね」
そう言ってピカピカのホンダCC110に乗り、高そうな分厚い革のジャケットを着たほっそりした背の高いおじさんが降り立ちました。
日が暮れると焚火の周りに一人また一人と吸い寄せられてきます。私もおっちゃんに呼ばれてワインの瓶を持って参加しました。
おっちゃんは高松から来ており、もう10日もここでキャンプしているとのことでした。どうりで薄汚れているはずです。どうやらここの主みたいです。
もう一人ワインの瓶を持って来た方がいました。あきらかに広島弁、尋ねたら、やっぱり広島の方でした。
この方も数日前から来ている様子です。
お酒が進みいろいろ話していると、なんと高松のおっちゃんは私の勤めていた職場のOBであることが分かりました。お互いに驚きました。
このおっちゃんはどうやら山の方では凄い方らしく、海外遠征なんかもしているとのことでした。
ここに、さっき来たCC110のおっちゃん(呉の方)も加わり、山の話をしていると、その方は大学で山岳部、広島のおっちゃんはワンダーフォーゲル部だったそうで、昔の無茶苦茶な訓練や雪山の行軍の思い出話で盛りがりました。
さて、翌朝。今日はみんな撤収して家に帰るそうです。夕方から雨になりそうです。
一番に帰って行ったのは呉のおっちゃん。次に自分。広島のおっちゃんは、途中で追い抜く時にカブのクラクションを鳴らしたので分かりました。多分、高松のおっちゃんは最後でしょう。
昼時に生口島に入り、行きとは反対側の道を行きます。ところがこちら側に店はほとんどなく、ようやく現れたお好み焼き屋に入りました。
後からお好み焼きのおかみさんのいとこという方が入ってきて、隣に座ると
「どう、この辺はいいところでしょう。最近は魚がよう釣れんようなった」
そして、
「みかんを作る人がおらんようなった。わしゃ八朔は食べん。嫁は八朔が好きだとゆうとった」
などと話していました。
食べ終わって出ようとしたら、
「よく来てくださった。ここはちょっと引っ込んでてわかりづらいけん」
いえいえ、こちらも食事にありつけてほっとしていているところなんです。
そんなことを言いながら支払いを済ませ、
「美味しかったです。うどん入りは初めてだけど、こっちの方が好みです」
そう言って店をでました。年寄りにはうどんの方が人気があるようです。
向島では釣り人とちょっと会話しました。しまなみの通行料や渡船の渡賃の昔の金額などを教えてくれました(忘れてしまいましたが)。そして尾道大橋の渋滞がひどいと言っていました。
釣りの方はウマズラ(カワハギ)を狙っていたそうですが、釣果なしとのこと。
尾道へは、今回は渡船を使わず、尾道大橋を渡りました。ここだけ自転車と車が分かれていません。渋滞はありませんでした。
そして福山市のゲストハウスに着く前に雨が降り出しました。
では、このへんで。