この秋からの個人的な一大イベントは、今年の百名山駆け込み登山である。
連続3週目に向かうのは剣山と石鎚山。
これらを登れば44座登頂達成である。
ただ、どちらもあいにくの天気となり、なかなか思うように晴れてはくれない。
おまけに寒波が南下して来てかなり冷え込んだ。
そして今回もいろいろとどじを踏んだ。
ひとつめは徳島県の剣山から。
モンベル・クラッグホップレザー・シューズ
雪が降る前に登れる山を目指す。
この夏にコロナにより山に登れなかったツケで、秋から冬にかけて駆け込みで登山する羽目になっている。
そうして選んだのが四国の山。
だが、ちょっと慌てていたせいか、順番を誤ったかもしれない。四国はもう少しあとでも大丈夫だった。
その間に北方の山は登れなくなる。
よくよく調べたら、道路が冬季通行止めで車で登山口まで行けないことが判明した。それで計画を変更せざるをえなくなった。
そのことはまた今度。
ともかく、11月第2週目の土日にかけて四国は徳島県の剣山と香川県の石鎚山に登る計画を立てた。
この四国の名峰、一体どんな山だろう。
調べると、剣山はリフトを使えば簡単に登れるハイキング的な山である。また、石鎚山の方は、ちゃんとした登山にはなるが、多くの人が訪れる伊勢原の大山のような存在なのかと思われた。
そこで一考。
登山靴では大袈裟すぎるし、岩場もあるのでローカットの方が登りやすそう。
実は今持っているローカットシューズは、自転車で日本一周をしていて、11月に足の霜焼けがひどくなったので、サンダルから靴に履き替えようと、米子のアウトドアショップで買ったものである。4年前になる。
それはサロモンのゴアテックスのシューズでなかなかに履きやすくて気に入っていたが、だいぶ傷んできた。そして底が滑りやすいという欠点ある。
そこで、モンベルの登山靴が足によくあっていたので、やはりモンベルのローカットシューズを新調することにした。トレイルグリッパーというソールは滑りにくいということも決め手になった。
ただ、ハイカットの登山靴は少し大きめで、靴下を2枚履いてちょうど良い。ローカットでは厚い靴下は履かない。だからワンサイズ小さいのを買おうと決めて出かけた。
これも駆け込みではあるが、前週の巻機山登山から帰った翌日にモンベルショップに買いに行った。ただ希望の色(グレー)の在庫がなく、近くの店から家に送ってもらうことにした。それなのになんと翌日には届いてしまった。
もちろん試し履きをしてからサイズを選んだが、微妙に小さい感じがする。つまり、26では大きいが25.5では小さいといった感じなのである。しっかり紐を締めないとつま先が当たるのである。ただ指先が紫色になるほどではない。
26センチを買っていたら、靴の中で足が動くのでもうワンサイズ小さいのにすればよかったときっと後悔していたことだろう。これだから靴選びは難しい。
剣山へ
11月11日朝8時30分、横浜駅西口から乗った高速バスが丸亀駅に到着する。予定より30分早い。
駅の建物内にあるスーパーに立ち寄り、昼食用のおにぎりを買う。朝食はバスに乗る前に買っておいたニューデイズのフランスパンのサンドウィッチを車内で食べた。昼食時の手作りのおにぎりは、めちゃくちゃうまかった。スーパーの隣にはセブンイレブンがあったが、スーパーに入って正解だった。
それから歩いて5分くらいのところにあるニコニコレンタカーへ行く。予定より早く行ったため担当者が不在。電話をかける5分ほどでやってきた。受付は数分で終了したが、ナビの目的地設定に戸惑い、結局、お店の人にナビを設定してもらい、9時30分出発となった。
走り出して目的地の見ノ越駐車場に向かう途中で眠くなってきた。コンビニで休憩する。羊羹を食べ、コーヒーを飲む。
山道に入ると道が狭くなる。車がすれ違えないようなところがほとんどだ。おかげで眠気は吹き飛んだ。しかしそれが永遠30キロほども続く。疲れる。
天気は曇り。山を登るとだんだん霧が濃くなって来た。ただ、一山越えると霧が晴れていた。少し下った先に駐車場が見える。
12時ちょうど、見ノ越に到着。既に駐車場はいっぱいだった。枠の外の空いたスペースに車を止める。車の中で昼食のおにぎりを食べ、水を補給してからリフト乗り場に向かう。切符は片道1050円だ。かなり冷え込んできたのでダウンを着てリフトに乗る。
12時37分、西島駅でリフトを降り、大劔神社に向かうが、予定していたコースとは違う道を歩いてしまった。ただ、西島駅からは3本もルートがあって、どこを通っても大差はない。
13時14分、頂上ヒュッテ着。ここで大柄な外国人たちと一緒にトイレを借りる。なんとここは水洗でとても綺麗だった。ヒュッテからは木道を進んでいく。13時23分、7、8人の外国人の集団に続いて山頂へ到着。ここまで標高差もほとんどなく、拍子抜けした感じで実感がなかった。
山頂には三角点があり、その周りをしめ縄が囲んでいた。ガイドブックの写真でみたやつだ。それでようやくここが山頂だと納得できた。
周りは霧で全く景色が見えないため、予定していた次郎笈(じろうぎゅう)コースは取りやめて、反対側の一の森に向かうことにした。
木道の先の広いデッキのような場所の先に階段があり、そこを降りて笹原の一本道に入っていく。
二の森を過ぎるとそこから原生林ぽい苔の森に変わる。その先へ進むと鞍部になり、西島駅に向かう北側斜面の道との分岐になる。そこは帰りに通ることとして、まっすぐ進むとリフトのようなものが見えた。どうやら荷物を運ぶためのものらしい。その先に一の森ヒュッテが建っていた。
そこに一の森の標識が立っていた。ここが一の森? そこから上の方にこんもりとした小高い山が見える。とりあえずあそこまで行ってみようとその先の右手に伸びる道を登っていく。
尾根に出るとそこから右に折れる道がついていた。そっちの方へ進んでいくと、小さな丘に「一の森頂上」という標識が立てられていて、その先は行き止まりだった。ここで一服する。
靴ひもが短い枝の先にひっかかる
そこから少し戻ると一の森ヒュッテに降りる道がついていた。そしてさっきの分岐まで引き返し、そこを右に入って北斜面の横腹をトラバースして行く。
こちら側は木々がたくさん生えていて湿っていた。そしてガスが濃い。北側斜面はこういった天気が多いのだろう。尾根道とはだいぶ様相が違う。
その道は少し下っているがほぼ標高差がない。右側が深い谷になっているため慎重に歩く。すると突然右足が何かに引っぱられるようにして体が右に周り、崖下の方に向いた。一瞬「落ちる」と覚悟した。イテテテ。転んで大きくすねを打った。幸い一瞬ひやっとしただけで下には落ちなかった。
一体どうしたのかと足元を見ると、幹から切り落とした枝の根元の出っ張りに靴紐の結び目が引っかかってしまっている。こんなことは初めてだ。しかし崖下に落ちなくてよかった。
ズボンのすねの部分を見ると、生地が擦れて引き攣ったような感じになっていた。当然、怪我をしているだろう。
すねの怪我は今回が初めてではない。この夏、武尊山の下山中に足を滑らせて倒木の下ですねに怪我をした。それで、そのあとに長さ13センチほどの簡単な<すね当て>を自作した。
その後、このすね当てをサポートタイツの下に入れて使用したが、幸いというべきか一度もすねを打つようなことがなかった。
そのせいもあり、また、面倒だったこともあり、この剣山ではせっかく作ったすね当てをしていなかった。もし付けていれば、これほど痛みを感じることはなかっただろう。どじな話である。
また、この少し前に、日本人は昔から脚絆というものを付けて脛を守っていたということに気づいていたというのにである。脚絆はそれだけでなく、疲労軽減の意味合いもあったという。まさにサポートタイツやサポーターと同じ役割である。これは日本ばかりではなく、西洋ではゲートルというものを軍隊などでつかっていた。こうした機能的なものを見直そうと思っていた矢先だったのである。
その後しばらくすねの痛みは続いた。やはり手間を惜しんではいけないことを痛感。もちろん紐の結び目は、通した靴ひもの間に挟み込んだ。
それから穴吹川の源流の谷を抜け、両剣神社、古剣神社の脇を通り、午後3時半、刀掛けの松の分岐に戻って来た。そこから西島駅までいき、リフトには乗らずに歩いて見ノ越まで下山する。
午後4時5分、剣神社に到着。山道の階段を下り、4時15分、見ノ越駐車場に戻って来た。
最後に
最後にレンタカーと道路についての感想を述べたい。
翌日は石鎚山に登るため、見ノ越駐車場から西条市の宿に向かう。
徳島自動車道に入るためにつるぎ市までは来た時と同じ道を戻った。
つまり、車のすれ違いがほとんどできない狭い道を延々と30数キロも走って戻ったわけだ。
さらに問題があった。山の上は霧が濃くて前がよく見えない。のろのろ運転をせざるを得なかった。
途中、サービスエリアで休んだり、コンビニに寄ったりしたが、4時半頃に出発して到着したのは夜の8時だった。
車の運転は登山よりも大変だった。
今回借りたレンタカーはホンダフィット。4年前に車は手放して、最近乗った車といえば1年前にやはりレンタカーで乗ったトヨタパッソ。
フィットはどうやら新車のようだった。最近まで流行りだった信号待ちのエンジンストップ機能は無くなっていた。これはいい。この機能があると停止線までゆっくり進めない。停止線まで行く間にエンジンが止まってしまうからだ。
フィットはなかなかいい車だった。坂道も軽快に登るし、下りでエンジンブレーキも効いてくれた。すくなくともパッソよりは軽快に走る。カーブではすこしサスペンションが柔らかくて細かいカーブでは車体が傾ぐのが気になった。ただ、その味付けが乗りごごちをよくしているとも言える。
また、高速を走っていて、まるで高級車のように風切音がほとんどしなかった。スピードが上がっても車内は静かなのである。これはすばらしい。
便利機能の一つとしてヘッドライトのオート機能がある。これはもちろん便利だが、特に驚いたのがアッパービームもオートだったことだ。山道ではとくにこれは便利だろう。しかし、問題もあった。それは霧の場合である。アッパーにすると余計に前が見えない。はじめは、いつのまにかアッパーになっていたので、誤って操作したのかと思った。ところがロービームにしてもまたアッパーに変わってしまうのだ。
おそらくこんな時はオート機能を外せばよかったのだろう。
しかし、初めて乗った車で、さらに走行中に切り替えるのことは難しいことなのである。
次回は石鎚山に登ります。
では、このへんで
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