スーパーカブ110を乗り出してから1年8ヶ月になる。
走行距離が13,425キロになったところでチェーンを交換することにした。
ついでにスプロケットも交換。
このときに丁数を変えてみた。
今回はこの作業の様子をご紹介。
さて、丁数を変更した効果はどうだったでしょうか。
スーパーカブ110(JA44)標準規格のチェーンとスプロケ
今回交換したのはフロント及びリアスプロケットとチェーン。
まず、スーパーカブ110(JA44)の標準(ノーマル)の状態は次のとおり。
ドライブスプロケット(フロント) 14T
ドリブンスプロケット(リア) 35T
ノンシールチェーン チェーンサイズ428、リンク数100、ジョイントリンク=クリップタイプ
交換部品名
ドライブスプロケット(フロント) キタコ (KITACO) 14T/428サイズ 530-1444014
ドリブンスプロケット(リア) キタコ(KITACO) 34T 535-1444034
ノンシールチェーン D.I.D(大同工業)バイク用チェーン クリップジョイント付属 428H(D)-100RB STEEL(スチール) 強化チェーン
スーパーカブのスプロケット丁数変更は一般によく行われているようである。
その際変更するのはフロントのドライブスプロケットの方で、14Tを15Tに歯数を増やす場合が多いようだ。
ギア比はノーマルの場合2.5であり、
フロントを1T増やすと2.333となる。
今回交換したのはリアの方で、35Tから1T減らした34Tなので、2.428となる。
つまり、フロントを1T増やすより少しマイルドな変更となるわけである。
なお、フロントを15Tに交換する場合は、併せてチェーンガイドプレートも交換する必要がある。
交換作業開始
真夏の暑い日、日陰のあるうちにと午前中に作業を始める。
まず、作業前の状態。
最初にチェーンカバーを外す。
チェーンにより削れてアルミテープを貼ったところはこのように破れていて、再び向こうが透けて見えた。
上側のカバーも外すと普通のバイクと同じようにみえる(だいぶチェーンが弛んでいる)。
続いてチェンジレバー後ろ側にあるカバーを外す。
ところが、ここを外すとあとでマフラーを留めているボルトを緩めるとき共回りしてしまった。
ここを緩めるのは、車輪を外すときに作業がやりやすいようするためだ。マフラー側のボルトを緩めるには、カバー側のボルトが共に回らないようにして緩める必要がある。
このボルトね。
チェーンをチェック。錆が浮いていた。
フロントのドライブスプロケットのカバーを外す。
ここはスパナではダメでボックスレンチしか入らない。しかし、工具がなかったため、作業を中断してホームセンターに調達しに出かけた。
帰ってきたら昼になっていたので、昼食と食後休憩。
午後、日差しがまだ高いうちに再び作業を始めるが、日光がどんどん車庫の奥に入ってきて暑かった。
工具さえあれば簡単に外せる。
カバーを外した状態。チェーンガイドプレートも外れている。
次にチェーンを外す。写真はジョイントリンクのクリップをペンチで挟んで外すところ。向きは正しく付けられていた。
クリップを外したら、ピンを向こう側に押して抜き取る。
チェーンを外したら、フロントのドライブスプロケットを交換する。
これは二本のボルトで留められている。
新しいものと比較してみる。
KITACO製は肉抜きされている。
減り具合は・・・それほど大きく減ってはいないが、若干幅が狭くなっていた。
本体側を清掃し取り付ける。取り付けは簡単。外側のリングははめてから少しずらすようになっている。脱落防止の工夫だ。
続いては、リアのドリブンスプロケットを交換するため車輪を外す。
まずはチェーンの張りを調整するチェンアジャスターを緩めておく。
右側のアクスルナットを外す。これは19mm。反対の左側はアクスルシャフトでこれは14mm。こちら側を止めておかないと共回りしてしまう。
外した状態がこれ。
ここで手順が違っていたことに気づく。
車輪を外すことになるので、先にブレーキの伝達部分を外しておかなければならなかった。さらにブレーキシューを稼働する一体型部品はトルクリンクという黒い棒に止められているので、こちらも外しておく必要があることが後から分かった。
ブレーキの伝達部分とはブレーキロッドで、リアブレーキを踏んだ時に前に引っ張る棒である。これをスパナで緩めてリアブレーキをかけて取り外す。スプリングがあるので無くさないように。
トルクリンクの方は、コッタピンで止められているので、ペンチで伸ばしてから取り外し、それからナットを回す。
作業に夢中で、この間の写真は撮り忘れました。
取り外した状態がこれ。
ここまで来たら次は車輪を取り外す。
泥除けカバーに干渉し取り外しに少し手こずった。
反対側。
車輪のない状態。
新しいそして1丁少ない34Tのスプロケットを取り付ける。
ノーマルのドリブンスプロケット
新しいものを取り付ける。かなり肉抜きされて軽量化されている。
逆の手順で車輪を組み付ける。コッタピンは少し長いのが手元にあったので、こちらを取り付け、長い部分は後からペンチで切り取った。
車輪を入れる時はすんなりと入った。グリースを塗ってアクスルナットをはめる。グリースは自転車用(シマノ製)を使用。
さて、次はチェーン交換。ジョイントは袋に入っていた。
長さが調整されているので、チェーンカッターは不要。ジョイントリンクのピンを入れてクリップをはめるだけ。向きはチェーンが回転する方向の逆向きにクリップの開いた口がくるようにする。
うーん、綺麗だ。
なお、車輪を寄せておかないとチェーンをとめるピンを指すのに苦労する。
最後にチェーンの張り調整を行う。最大振れ幅は25mmとなっているが、初期の伸びを考慮して、15mm程度に調整した。
なお、左右が均等になるようにチェーンアジャスターの目盛をみて調整する。
最後の最後にチェーンカバーを取り付ける。
締め忘れがないかをもう一度チェック。
ちなみに締め付けは(重要な箇所のみ)トルクレンチを用いた。
また、チェーン取り付け後にチェーンルブを満遍なく吹きつけ、余分なオイルは拭き取っている。
今回は個人的な備忘録的なものなので、実際に作業をされる際は、こちらのサイトが参考になりますよ。
オイル交換も
少し遅れて別な日にオイル交換も行った。
オイルはホンダ純正ウルトラ G1 SL 5W-30 4サイクル用 1Lを近くの2輪館で購入。
これと以前に1回使ってまだ余裕のあった廃油処理ボックスを使う。
最初にレベルゲージで残量と汚れ具合をチェックし、蓋は開けておく。
エンジンの熱が冷めたら、ドレンボルトを緩めていく。
ドレンボルトを外すと、オイルフィルターも一緒に外れる。
オイルは800ml。1Lペットボトルで計量。
新しいオイルを上から入れて、レベルゲージでチェックして終了。
今回ミスったのは、廃油ボックスの組み立てと置いた位置。。ビニール袋が綺麗にセットできていなかったため、外側に少し流れ出てしまった。幸い作業用シートを敷いていたので拭くだけで済んだ。
交換後の感想
おそらくチェーン交換と注油したためと思われるが、走行時の音や振動がなめらなになった。
時速60キロの時の振動は完全には無くなっていないが、それでもかなり小さくなった。
リアスプロケットの小型化だが、ほんのわずかの違いなのに、あきらかに乗りやすくなった。
それは、エンジンブレーキが効きすぎないため、とくに赤信号で前に出る時にスムーズな走行ができるようになったことである。
通常走行では、これまで時速40キロのときが一番静かな走行だったものが、こんどは時速50キロのときが一番静かに安定した走行ができるようになった。
そのくせこれまでと同じように2速発進は普通にできるので、乗り方を変えずにスムーズに走れるという言うことなしのカスタムになった。
多く人が行うカスタムはフロントの15T化のようだが、通勤時や山道を走ることが多い場合は今回のカスタムがちょうど良いように思える。
最後に
スプロケットの減りは少なく、まだまだ使えるレベルであったが、チェーンは替え時であると感じた。
ただ、スプロケットはそれほど高価ではないので、自分で作業をするなら一緒に交換しておくのはありだと思う。
ともかく、交換してからはものすごく滑らかだ。それは、走行時の音や振動だけでなく、走りやすさにおいてもということである。
この違いを感じられるのは、これまでノーマルで乗り続けてきたからであると思う。
スーパーカブ110は、本当に実用的なバイクであると感じる。
エンストをしないので信号でも踏切でもカーブの途中でも安心していられる。
とくに加速競争をする必要はないので、スタートダッシュで遅れても気にしない。
走れないところはないのではないかと思えるくらいどこでも走っていける。
軽いので取り回しも楽だし、大型バイクに比べて駐車場所が豊富なのもいい。
もちろん大型バイクの楽しみ方はたくさんあるだろうが、オールマイティなのがスーパーカブだ。唯一、高速に乗れないことがスーパーカブを選べない理由になるのではないだろうか。
しかし、時間さえあれば下道も楽しいものだ。それに長時間運転していても疲れにくいのがいい。
定年後はぜひスーパーカブに乗ってみて欲しい。
では、このへんで
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