先日の日曜日、句会があった。
府中市郷土の森を吟行し、園内の施設に集合した。
公園内には梅林がある。
今は見頃で人出も多かった。
美しいものはより美しく
その日目覚めて天気予報を見ると雨マーク。
外を見る。
うーん、降っているようには見えない。
曇り空といった感じだ。
予報では、午後1時頃まで6、70%の確率で雨だった。
予報の場所が現在地だったので、府中の予報を見てみる。
すると、確率が3、40%程度になっている。
我が家から交通機関を利用して行くと1時間40分、車では1時間20分とグーグルマップでは案内してくれた。
これらを総合してバイクで出かけることにした。
目的地の府中郷土の森に行くのは二度目、前回も句会のためだった。
ただ、前回は3月、梅まつりの最終日で咲いている梅はわずかだった。
今回はまさに最盛期。
なのにもったいないことに、入園したのは11時45分。バイクでも1時間40分ほどかかってしまった。
ちなみに帰りは1時間20分で家まで帰り着いた。
そんなわけで、園内を吟行したのは1時間ほど。
あとから聞いたところでは、入園券を買うのに長い行列ができていたそうだ。
ぼくは昼頃到着なので行列はなし。すぐに買うことができた。
園内に入ると、欅の並木道の脇に盆梅が展示されていた。
見事である。
ほかに何と表現して良いものか、盆梅も季題なのに見事というだけでは句にならない。
もちろん人により作られたものなのだけれど、それは生きており、その生が放つ波動がこちらに影響を与えているのである。
もしかしたら、目の前の盆梅にもぼくから出ている波動が影響を与えているかもしれない。
こちらが放つ、見事な枝ぶり、バランスの取れた幹、絶妙に配置された花などに惚れ惚れしているという感情の波動を受けて、この梅も喜んでいるかもしれないのである。
すると、お互いの相互作用によって美しいものはさらに美しく見えることだってありえるのではなか。
梅園の中をただよふやうに歩く
さて、いそいで園内を回ろう。あまり時間がない。1時までに7句作らねばらならい。
博物館の建物の前を通り過ぎ、裏手に回ると梅林が始まる。
不思議なことに、その一角に入った途端、何かが変わるのである。
まず、僕が感じたのは見え方だ。アンバーのフルターをかけたような景色になった。
つぎに、心が何かに包まれるような、いわゆる癒されるような感じがした。
つまり、別世界に入り込んだ感覚である。
そして、不思議なことに、つぎつぎと句があたまに浮かんできたのである。
それは、昨晩寝る前に2月の季題の予習をしていたからなのかもしれない。
それはもちろんあるとは思うけれど、そればかりではない。
トランス状態のようになって天から句が降りてきたらいいと、常々そう思っていたことが現実に起こっている。
うまい句を作りたいとか、選に入る句を作りたいとかそういった打算的なことは消え失せて心のままに句が生まれた。
句会と終了後の話
1時少し前に会場に入る。
会場設営を行い、会費を払い、短冊に句を書いて投句する。
1時半の締め切りにギリギリ間に合った。
前回に引き続き、今回も選者となる講師の先生はお休みだ。
聞けば奥さんが病気で倒れ、ご自身も足がふらついて転倒したとのこと。
しばらくは俳句から離れるとのことであった。
そこで前回同様、互選のみを行って、後日、講師に選をお願いすることになった。
もちろん、ぼくの句が簡単に採られることはないと思ってはいたが、一向に名乗る機会が得られない。
結局、一度名乗っただけで終わった。
けれど今回はあまり寂しくは感じなかった。
それはやはり、打算的な気持ちを持たないで句を作ったからだろうとおもう。
それよりも、この日初めて参加された方の句が、多くの人の特選に入り、その句をぼくも特選としたことが嬉しかった。
自作はともかくも、いい句を見る目はあるじゃんと自信を深めたのだった。
句会が終わった後、幹事の方から相談を受けた。
その幹事さんが言うには、今回休んだ講師と二人でカルチャーセンターで俳句の指導を行なっているが、しばらく指導できなくなる(本人からはもう辞めるといっているとのこと)。
現在は補助的な役割を行なっている私(今日の幹事さん)が、メインの指導を行うことで了解が得られたので、かわりに補助的な役割を務めてくれるひとを探している。
ついてはこのぼくに、「このような事情から、4月の開講を遅らせて7月から再スタートさせる予定なので、なんとか務め先の都合をつけて、月に2回ほど手伝って欲しい」とのことであった。
実力的に指導できるほどではないのだけれど、事情が事情であり、お手伝いということであればということで引き受けることにした。
最後に
府中市郷土の森博物館の梅は今が見頃。
お近くにお住まいの方はぜひ梅見にお出かけしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに郷土の古い建物が移築されていて、そんな建物が街並みのように続いています。
その中の薬屋さんにはちょうど3つのひな壇にひな人形が飾られていて、3種類のひな人形を並べて見ることができます。
裸電球の下の薄暗い中にある人形。
周りに誰もいない夕まぐれ、たった一人で近づくと・・・
さて、俳句の方も少し力を入れて勉強し直すことにします。
なお、自己満足の句なので今回の句はないしょです。
では、このへんで
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