Hakuto-日記

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東高根森林公園を吟行する 【俳句結社主催句会】

 

東高根森林公園けやき広場

 

日曜日、川崎市にある東高根森林公園を吟行した。

ここへ行くのは初めてだ。

そもそもいままで全く知らなかった。

行ってみたらとても良い公園だったのでご紹介するとともに句会のことなどをちょっと。

東高根森林公園

ホームページによるとこの公園は、弥生時代から古墳時代の竪穴住居跡が発見され、この集落後と推定樹齢150〜200年のシラカシ林を保護するために整備された公園だという。

集落後は史跡、シラカシは天然記念物に指定されているとのことである。

場所はJR南武線「武蔵溝ノ口駅」、田園都市線「溝ノ口駅」から車(バイク)で10分程度のところにある。

なお、駐車場は平日は無料だが、3月1日~11月30日の土日祝日は有料(大型車880円、普通車550円、二輪車110円)である。

公園の広さは11.8ヘクタールで、小さな森が2つとその周りの谷戸で構成されている。

園内にはケヤキ広場、クヌギ・コナラ林、古代植物園、シラカシ林、古代芝生広場、湿性植物園などがある。

https://higashitakane.com/wp/wp-content/themes/higashitakane/assets/img/img_guide_map_x2.webp

 

今回、梅雨の晴れ間のいいお天気だったので、スーパーカブで出かけた。

平塚方面からだと、129号線からひたすら上り下りの246号線を走る。

ただ、皆スピードを出しているので流れに乗るためにはこちらもスピードを上げなくてはならない。

最近4千キロを超えたので、スピードを上げても怖くなるような音はしないが、それでも余裕のある走りではなく、「精一杯頑張ってます」というような感じである。

昔、250CCのバイクを乗っていた時、あっという間に80キロくらい出てしまうことが思い出され、その余裕の違いをはっきり感じる。

ただ、同じピンクナンバーのスクーターに出足ではあっという間に引き離されるのは、ちょっと悔しい。ただ、50CCのスクーターでもみな出足は早い。だから、信号待ちで一緒になったときは、でるだけ先に行ってもらうようにしている。

そんなスーパーカブだが、多少の上り坂ではギアを落とさずにぐんぐん登ってくれるのがとても心強い。スーパーカブは山道が得意なのである。

話がそれたが、公園までの道順はシンプルで、アップダウンの246をひたすら道なりに走り、梶ヶ谷の身代わり不動の交差点を斜めに入る。そして突き当たったT字路を左にいくと公園に着く。

 

森林公園を吟行する

10時半に公園に到着。

ちょうど入口に着いた俳句仲間がいたので声をかける。

入口を入って二人で歩き始めた。

右手にトイレの建物が現れ、左には紫陽花が続いている。

しかし、紫陽花の鞠があまりついていないものもあって、ちょっと残念だ。

少し歩くと左手に木製のまだ新しい階段があった。登るのが好きなのでここで別れて登っていく。

 

ゆり園の階段

 

その階段横の斜面はユリ園ということだが、この時期は全く咲いていない。振り向くとけやき広場の欅の下のベンチで休んでいる人たちが見えた。

再び登り始め、見上げると階段は森を巻く道に続いている。

犬を連れている人が降りてくるのが見えた。すれ違う時に犬に挨拶したが無視されてしまった。犬の種類にとんと疎いのでなんという犬かわからないが、小型犬を2匹連れていた。

 

階段は途中から年季の入ったものに変わり、林の道にでると左が山頂の広場に続く道、そして右を行けばクヌギ・コナラ林の散策路になる。

ここを右に進むと、左手に濃い紫の実をつけた植物を見つけた。葉にノコギリのようなトゲトゲがある。柊のようだ。しかし柊って冬に赤い実をつけるのじゃなかったっけ。帰ってから調べると、赤い実がなるのはセイヨウヒイラギで、これに対し日本柊があるそうで、こちらは初夏に濃い紫の実をつけるとあった。

 

日本柊

 

森に入ると爽やかな風と命の波動がこころに伝わってくるように感じられ、とても穏やかな気持ちになる。人間も自然の一部なのだなあとそんな思いが湧き上がってくる。

 

クヌギ・コナラの森を下りていき、花木広場に向かっていくと額紫陽花が群生していた。額紫陽花は派手さはないが近づいてみると小さな花がさまざまな色をしていて煌めいている。

 

控えめな額紫陽花

 

上の広場ではなにやらご老人が尺八を吹いている。そのご老人の近くを通り、さらに上の古代植物園に向かう。斜面には一面十薬の花が咲いていて、こちらが見つめられているように感じた。

古代植物園では、ちょうどホタル袋がたくさん咲いていて楽しませてくれた。

 

古代芝生広場

ここを抜けると古代芝生広場に出る。林に囲まれたなかにある広場で明るい太陽が降り注いでいる。その中心にある大きな木の陰で家族連れが休んだり、簡易テントをたてていた。

子供は駆け回り、お母さんたちは井戸端会議、アベックはボール投げなどをしてみな思い思いに楽しんでいる。

ここの端に一つだけあるベンチに座り、途中のコンビニで買ってきたおにぎりを食べた。木陰はそろそろ蚊の季節でもあった。

 

再び歩き始める。この広場から谷戸の方へ下る道に入るところで子供たちがシャボン玉をしていた。これを句にしよう季寄せをみるとシャボン玉は4月だったのでやめた。

谷戸に降りると子供たちとお父さん方が枝の竿を持ったり捕虫網を使ったりして池のエビなどを採っていた。そこは湿性植物園となっているところだ。みな身を乗り出しているので落っこちないか見ている方がはらはらした。

子供の頃にこうした体験をさせてあげるのは良いことだと思う。昔はそこいら中にこうした場所があり、子供たちだけで遊ぶことができた。それが現代では親が車でこうした公園に連れてこなければならないというのが少々残念ではあるが。

 

そろそろ句会場へ移動する時間となったので、少し奥の方まで行って引き返すことにした。

 

鏡面のような池に映し出される森

 

引き返す時に池を見ると、ミズスマシが水面を歩いていた。そこには緑豊かな森が映っている。視点をその映った景色に合わせると、ミズスマシが起こした小さな波紋が、波動となって景色をゆらめかせた。それを見ていると、この世界と別の世界が同時に存在しているような気になってしまった。

 

 

いざ句会

溝ノ口駅近くの会場に移動する。

着くとちょうど会場設営を始めたところだった。

もうだいぶ慣れてきて、極度の緊張はしなくなった。

ただ、自分でも満足するような句ができていなかった。

投句締切までに推敲しようとしたが、頭が回らない。

言いたいことははっきりとはしていても、その表現が出てこない。

このあたりは日頃から勉強しておかないと無理である。ない袖(語彙)は振れない。

そして今回もほとんど名前を名乗ることが数回という結果に終わった。

講師の選(波選)に2句入ったのがせめてもの救いだ。

そのうちの1句を披露させていただく。

 

  控へめに彩(いろ)を咲かせる額紫陽花

 

レベルの高い句会に参加すると、自分では思いつかなかった表現を知ることができる。

そして、俳句はやはりレトリックなのだと感じた。

もちろん何が言いたいかということがはっきりしていなければ相手に伝わらない。それが核である。

その核をどう表現するか、どう料理するか。そこが勝負なのである。

そんなことを思った句会であった。

 

 

最後に

今回、同じ人の句が4句も特選に入った。

元々入っている句会の句友である。

最近はたいてい特選に選ばれるようになっている。

それは、たくさんの句会に参加したり、俳句教室で揉まれたりした成果だと思う。

しっかりと勉強を続けていけば上達するといういい手本だと思われる。

思えば自分はほとんど勉強していないではないか。反省しよう。

なお、この方の句で講師がいちばんよかったといったのがシャボン玉の句であった。


では、このへんで

 

東高根森林公園のホームページはこちら

higashitakane.com

 

 

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