Hakuto-日記

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天気の良い日に登りたい 【天城山】その1

日本百名山制覇に向けて動き始めたのは今年4月下旬。

今年も残すところあと1ヶ月ちょっとなった。

限られた期間にできるだけ沢山登りたい。

そう思ってこれから登れそうな山を調べた。

 

初冬の山選び

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e4/Mount_Ena.jpg

恵那山(出典フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 

まずは中央アルプスの恵那山に狙いを定めた。

そこはバイクで行ける距離で、さらに登山口にキャンプ場がある。

そこで予約を取るために電話した。

「もしもし、11月26日と27日にテントを張りたいのですが、大丈夫ですか?」すると、

「はい、大丈夫です。ところで冬山装備はお持ちですか?」

「えっ・・・」

「もう凍結していますのでアイゼンかチェーンスパイクが必要です」

「冬山の装備は持っていないのですが」

「車ですか?」

「いいえ、バイクで行こうと思ってます」

「路面が凍結しているのでバイクはやめた方がいいです」

「わかりました。今回は見送ることにします」

というわけで、恵那山はボツ。

続いて候補に挙げたのが赤城山。

しかし、ひょっとしてここも路面凍結かも。

そう思って公共交通機関で行く場合の時間を調べてみたが、なんだか気分が乗らない。

やっぱり赤城はバイクで行きたい。

そして最終候補になったのが天城山というわけである。

 

 

前日キャンプ

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/33/Mount_Amagi_20120610.jpg/1920px-Mount_Amagi_20120610.jpg

天城山(出典フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 

天城山登山口まで2時間半から3時間なので、朝早く出発すれば日帰り登山が可能である。

だが、仕事から帰ってから準備すると、どうしても寝るのが遅くなってしまうため、早朝の出発は辛い。

それに早朝の風は冷たく寒さが堪える。

そこで、前日にキャンプできる場所を探した。今回はキャンプ場で地元で採れた魚などを味わったりちょっぴり焚き火などもしてキャンプ気分を味わおうという趣向である。

数日前に週間天気予報をみたとき、週末はずっと晴れマークがついていた。

ところが、前日の夜から雨が降り始め、朝目が覚めるとまだ雨の音がしている。

当初の計画ではのんびりと10時に出発する予定だった。

だが、雨で気分が乗らず、さらにのんびりして出発は11時となる。幸い雨は小降りになってくれた。

伊東に着くのが昼過ぎなので、伊東のスーパーで魚を買い、近くの定食屋で焼き魚定食なんかを食べるつもりでいた。

しかし、出発が遅れたので熱海の先で見つけた食堂に入り先に昼食。

ところがそこはラーメンがメイン。焼き魚定食はメニューにない。仕方なく親子丼を頼んだ。

伊東駅近くのスーパーに寄る。うーん、地元で上がった魚がどれだかわからない。うまそうなカツオのたたきを選ぶ。

実は今回はメスティンで飯を炊くことにも挑戦しようと思っていた。そのために家で何度も練習してきた。

思っていたというのは、それができなくなったのである。なぜかというと、お米を持ってくるのを忘れてしまったからである。

家を出て、まだそんなに走っていないときに気がついたのだが、戻る気がしなかったのでそのまま走って来た。

だからアジの握り寿司もカゴに入れた。鰯のハンバーグ(さつま揚げ?)も美味しそうだったので一緒に買った。

もちろん、ビール(もどき)もお買い上げ。

こうしていざ、キャンプ場へと急ぐ。

 

 

ワイルドなキャンプ場

予約したキャンプ場は分かりにくい場所にあり、Googleマップもお手上げ状態だった。

少し迷ったが、感が当たり無事到着。

管理人が先に来て待っていてくれたのでそれとわかったが、パッとみてそこがキャンプ場だとはだれもが思わないであろう。

まだ、建設途上とのことであるが、ほとんど設備はない状態である。

キャンプ指定地は枯れ草がぼうぼうと茂る。まだ水道はない。そこまではまだいい。

なんとトイレは小屋があるばかりで、折り畳み式の便座にゴミ袋を引っ掛けて用を足すといった塩梅なのである。

そして嫌な予感が的中した。

土は柔らかく、昨夜来の雨で湿っている。こんな場所にはきっといるだろうな、あのぬめーっとしたやつ。

テントを張って焚き火をしていた時に、やっぱりでてきた。

 

 

忘れたのは米ばかりではなく

管理人はとても気さくな女性で、この土地を選んだ思い入れがかなり強いオーナーであった。この場所の良いところ、たとえば近くに病院やコンビニ、スーパ=、ドラッグストアなどが近くにあるのに静かな場所であることや、大室山が望めたり夜景が綺麗なこと、さらに星もよく見えるということなどを話してくれた。

そしてそれはどれも本当だった。

テントを張る場所を決めて、テントを出して張り始める。あれ、ない。

なんとテントポールを忘れて来てしまった。どうもおかしい。準備をする時間はたっぷりあった。頭が全然働いていない。これまでの登山の疲れが出てしまったのか、あるいは体を休め過ぎてボーッとなってしまったのか。

本来ならテントポールがなければテントは立てられない。

だが、幸いにもトレッキングポールを持って来ている。さらにポンチョをタープにする予定でいたのでロープやペグも用意して来た。

テントは二本のポールをクロスさせて自立するタイプなので、天井の真ん中を吊るして四隅をペグで留めればなんとかなるように思えた。

写真を撮っておけばよかったのだが、それもなんだか面倒だった。

 

説明するのがむずかしいが、手順はこうである。

1、4ミリロープ約2メートルをトレッキングポールの頭に結び、そこに3ミリのロープを90度の角度で開いてペグでとめ、向かい合わせて立たせる。

2、テントの天井のクロスした部分にロープを巻き付けて、1の4ミリのロープに結ぶ。すると天井が立った状態になる。

3、テントの4隅をペグで留める。

4、テントポール中程あたりから伸びている固定ロープ(4箇所)を伸ばしてペグダウン(これで少し居住空間が広がる)。

5、ポンチョタープを1の4ミリロープに被せる(天井を吊っているため、フライシートは掛けられない)。

6、4ミリロープに被せたポンチョタープの両端にロープを通し、トレッキングポールに結んでピンと張る。

7、ポンチョタープの四隅の前2箇所をペグダウン。

8、テントのポール中程から伸ばしているロープ(後側)をペグから外し、ポンチョタープの四隅の後ろ2箇所を通して捩ってから再びペグに留める。

以上、こうするとポンチョタープは切り妻屋根の形にピシッと張れた。その下のテントはどうにか中で寝ることができる状態になった。

 

 

共同温泉

https://itospa.com/lsc/upfile/spot/0005/4044/54044_1_l.jpg

 

テントが張れたら、急いで近くの共同温泉まで走る。

受付のおじさんにお金を払おうとしたら、後ろを指さされた。そっちを見ると自動発券機が置いてある。

「石鹸はありますか」

「いいえ、もっていません」

「では、どうやって洗うのですか」

「・・・・・」

「共同風呂というのはどこも石鹸は自分でもってくるものですよ」

そう言って立ち上がり、別室でなにかゴソゴソしている。すると洗面器をもってでてきた。中に石鹸箱が入っている。言葉はぶっきらぼうだが意外と親切だ。

その後に何やら怒声を上げているお客がやってきた。はやく300円を払ってチケットを寄越せと言っている。ついには受付のおじさんにも飛び火した模様。

そんな騒動が暖簾越しに起きているのを聞きながら、昔ながらの温泉に浸かる。

しっかり温まって出てくると、玄関に警察官が二人、おじさんと話をしている。どうやらさっきの揉め事で呼んだらしい。

表に出るとすでに暗くなっていた。いまは5時で真っ暗だ。

暗い道を引き返す。途中カーブの連続する山道があり、バイクでは照射範囲が狭いのでスピードを抑えて(というかあまりスピードがでない)慎重に走る。

 

つづく。

 

 

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