Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

九州五山巡り 二山目 【阿蘇山】

阿蘇山火口

11月3日(木)、九重山を下山し11時5分前に牧ノ戸峠まで戻ってくる。

ここにある売店で5種類の具の入った山賊おにぎりと肉まんを買い、ベンチで昼食。

隣にダナーライトを履いている人がいたので声をかけようと思ったが、ぼくのよりボロボロな感じだったのでやめた。

さて、今日はあと一つ登る予定だ。

ここから阿蘇まで秋空の下を快適なドライブを楽しむ。

すれ違うライダーが羨ましい。

今日は最高のツーリング日和だ。

challe.info

 

 

2日目の午後、阿蘇山に登る

 
牧ノ戸峠を後にし、阿蘇火口西駅に向かおうとするが、ナビが見つけてくれない。このナビの操作に20分もかかってちょっといらつく。結局それっぽい行き先を入れて出発。
 
しかし、途中で不安になりスマホのGoogleマップでもナビを開始する。牧ノ戸峠から火口西駅までは49キロ。使い慣れたGoogleマップが強い味方になってくれた。
 
阿蘇に登り始めると牧場が左右に広がり、馬が放牧されている。それを見物する人が車を止めて道路を歩いていたので気をつけながら登っていく。草千里阿蘇火山博物館前には車がいっぱいだ。今日は祝日、この先の駐車場に入れるだろうかと心配になりながら進んでいく。
 
すると、次の駐車場はかなりガラ空きだった。入口の管理者(料金徴収係の人)に尋ねると、この先には行けないという。
 
ここに車を止めて歩いてみると、阿蘇警察署の派出所の看板とその前の駐車場だけいっぱいになっている。その他の施設は閉鎖されていて物寂しい感じだ。
 
そしてここから阿蘇山公園有料道路が始まるが、この道路が閉鎖されていた。
 
調査不足であった。警戒レベルは確認したが道路の通行止めまでは確認を怠った。さて、ここから西駅まで歩いて行かなかればならないのか。日暮れまでに間に合うだろうかと心配になる。
 
急がなくちゃ。そう思って登山口を探すがどこだかわからない。そこにちょうど下山してきた人がいたので道を尋ねる。
 

教えてもらった登山口
12時半、ようやく登山開始。登山口からすぐに有料道路に出た。道路脇を登っていくとその先にゲートがある。そこから人が歩いて来て、右手にある登山道に誘導された。有料道路は歩けないということだった。
 

登山口のすぐ上、一瞬通れないと思ったがこの横に登山道が

 

通行可能ルート
言われるままに右手の登山道に入っていくと、道標が建てられていた。そこに地図が書いてあり、現在どこにいるのかがわかったのでこれは非常に助かった。地形図を出してどの道を歩いているのか確認する。
 

道標の地図
ここの道標には、さっき車を止めたところが古坊中駐車場であることが示されている。ところがGoogleマップには特に名前が示されていない。しいてあげれば山上警備派出所とか山上ターミナル、山上広場など、山上という名前が共通する。
 
地形図にも古坊中の名はなく、阿蘇山公園道路の下から砂千里ヶ浜に通ずる歩行者道が載っていた。少し距離が遠くなったのでやはり急いで登ってくる必要がある。
 
始め草地の中を進み、いったん水が流れた跡のような窪地に降りる。そこは火山灰が流れて積もっていた。続いて前に立ちはだかる岩山をひと越えして下っていくと砂千里ヶ浜にでる。ここで火口からの登山道と合流する。
 

ゲート脇から登山道に入る

 

ホソバリンドウ(だと思われる)

 

川のあと?

 

火口のふちを渡り歩く

中岳に向かっていく左手には火山灰が積もった平らな地形が広がっている。砂千里ヶ浜とはよく言ったものだ。そしてその向こうの火口からは噴煙が上がっている。
 
3年前の自転車日本一周で南阿蘇に来た時には大きな噴煙が上がっていて、火山灰が降って来て車に積もったり洗濯物が干せないので困るとゲストハウスのオーナーが言っていた。
 
それに比べると今回の噴煙はかなり小規模だ。そしてここからみる風景は、九重山でも感じたように、地球という惑星が誕生したばかりの姿を想像させる。
 
この噴火の跡はまさに地球が活動している証である。そしてここは生きている火山だ。それを肌で感じる。それはもちろん匂いがするからでもあるが、その匂いは温泉の硫黄の匂いともまたちょっと違う。溶岩が冷えて固まった岩の匂いだ。
 
また、溶岩の姿が激しい噴火を思わせて生々しいのだ。ともかく阿蘇は生きている。そう感じた。
 

一山越えて下るところ

 

殺伐とした登山道

 

砂千里ヶ浜から正面の壁を登っていく
登山道は砂千里ヶ浜の端っこにいったん降りてから中岳に向かって急坂を登っていく。そこはまるでヒマラヤみたいだった。行ったことは無いけれど。ガイドブックには火山弾の急斜面とある。
 

ヒマラヤをトレッキングしているような気持ちになる

 

砂千里ヶ浜を見下ろす
厳しい登りはここまでで、あとは火口の縁を中岳に向かって上り下りしていく。当然ここでスピードアップを図る。
 
ここからは立ち入り禁止となっている火口がよく見える。
 

火口から昇る噴煙
そして14時7分、中岳に登頂。写真だけ撮ってすぐに高岳に向かって出発する。
 

高岳に向かう
ここも平坦な道が続き、最後だけちょっぴり頑張って登ると高岳山頂だ。
 
14時27分高岳登頂。山頂は結構広くて登山者が大勢休んでいた。そして急に雲が出て来て肌寒くなって来た。
 

山頂で休む人々
さて、予定では高岳東峰まで行ってくることにしている。火口西駅までのコースタイムを確認すると約2時間だ。古坊中駐車場からここまでは2時間かかった。ほぼ西駅からのタイムと同じだ。すると4時半頃には駐車場まで戻ることができるということになる。
 
これなら東峰まで行って来ても日が暮れないだろう。そのことを確認してから東峰を目指す。
 
高岳には大勢いたのに東峰へ向かう人は誰もいない。なんだか物寂しい雰囲気になって来た。
 
今歩いているのも火口のへりだ。右側が火口で左側には北側の町と外輪山、九重連山が見えた。
 

阿蘇北側

 

東峰から見た根子岳
14時45分、高岳東峰に到着。山頂を示す標柱などは見当たらなかった。
 
ここから月見小屋のある大鍋の底を通って戻る。下り始めるとリンドウの花がたくさん咲いている。そして次には、なんとその一画だけ木が生えていた。
 

なんと木が生えている

 

月見小屋

 

火口の鍋底

 

 

高岳に登った頃から雲が出て来ていたが、中岳の分岐あたりまで戻ってくると雲間から太陽が差し込んで光のシャワーが見られた。

 

光のシャワー
その後一旦雲が切れて太陽が顔を出す。すると急に暑く感じる。

中岳からはスピードアップを図りたいところだが、もうすでに足にきていて無理はできない。特に例のヒマラヤの下りはきつかった。ともかく前に転けないように慎重に降った。
 
砂千里ヶ浜に下って少し登り、砂千里ヶ浜に沿った道には火山灰が白く積もっていて、まるで雪が降ったように見えた。
 

ふたたび火口

 

阿蘇南側

ミヤマキリシマの返り花か 古坊中まであと少し


ヒマラヤの急斜面の下りでだいぶ足にきた。疲れたが止まっていたら日が暮れてしまう。ゆっくり歩きながら休む。古坊中駐車場までもう少しだ。頑張れ。最後は自分を励ましながら歩いた。
 
 

山の中のポツンと一軒家

16時33分、登山口まで下りて来た。駐車場の脇のなぜか真ん中あたりに公衆トイレがあり、用を足して車に戻る。のんびりと休みたいところだがもうすぐ日が暮れる。
 
急いでナビに宿泊先を入れる。しかし住所を入れても目的地を示してくれない。やっぱり今度も大雑把な住所で走り出す。
 
そしてあまりにも山に登っていくのでおかしいと思い、Googleマップで検索。やはり違う方向に向かっていた。外はもう真っ暗になっていたが、やっぱりGoogleマップの方が頼りになる。山の中のポツンと一軒家のゲストハウスに無事到着。
 
一台の車が前に止まっている。すると一人の女性がゲストハウスの方から走って来て車に乗り込んだ。駐車場に停めるものだと思い、ついていくと車から降りて来た。
 
「今日ここに泊まるのですか。オーナーは先に入っていてくださいとのことです。車はさっきのところの草地のどこでも停めていいということでした」
 
草地と言っても真っ暗でどうなっているのかわからない。歩いて行ってみて、安全かどうかを確かめてからそこに車を停めた。
 

翌朝、宿の近くから見た阿蘇山
隣にその女性の車も停めた。<わ>ナンバーだったので、
 
「レンタカーですか」と訊くと、別府から借りて来たという。そして今日の泊まりは3人だけだと教えてくれた。
 
近くに温泉もあるということだったが、前日に入っているのでパスする。
 
オーナーは3人揃ったところで受付をするということだった。
その女性は千葉から来ているということで随分と旅慣れた感じだった。
 
先にシャワーを使わせてもらい、2階の部屋で荷物を片付けて下に降りるともう一人の宿泊客も来ていて、オーナーと話をしていた。
 
そこで宿泊名簿に記入して、料金を支払った。
 
オーナーはUターンで川崎から九州に戻り、この南阿蘇でゲストハウスを始めたとのことだった。川崎ではラリーを支援する仕事をしていたとかで、現在もラリーに関わっているそうだ。
 
千葉の女性は旦那と子供を置いて一人で旅をしているとのことで、若い頃から一人でヨーロッパなどを回っていたそうである。
 
後から来た宿泊客は、徳島の男性でぼくと同年代のライダー。聞けばなんと今年からツーリングにハマっているとのこと。楽しくて仕方がないという感じだった。
 
その後、千葉の女性のリクエストで焚き火を楽しむことになる。焚き火と言ってもキャンプファイヤーが出来るくらいのかまどで建築の廃材を燃やすといった豪快なもの。
 
とてもあったかーいオーナーのもてなしであった。
 
つづく。
 
 

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