Hakuto-日記

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那須野からの優美な姿と荒々しさ 【那須岳】その2

2022年9月26日、南会津と北関東登山の最終日である。

帽子はかぶっていたがキャップだったので耳の後ろが焼けた。

ここが焼けるとバイクのヘルメットの脱着時に擦れて痛い。

しかしそれだけ良いお天気だった。

かなり疲れていたが、無理せずゆっくり歩く。

ほぼコースタイム通りの時間で歩いていた。

やはりコースタイムで計画を作っておくべきだと思った。

ロープウェイ山頂駅

山頂駅から続く道

やった。9月の登山の中で今日が一番の良い天気。

 

それにしても台風14号、15号と立て続けに来てくれたものだ。幸い直撃からは逃れての登山となったが、やはり良い天気での登山は楽しい。

 

先頭を切って広いロープウェイのゴンドラに乗り込むと、次から次へとお客さんが乗ってくきた。半分以上は登山の格好をしているが、軽装の人たちも大勢いた。

 

ロープウェイの先には那須岳の主峰茶臼岳が見えている。

 

8時40発のロープウェイは山頂駅に5分ほどで到着した。山にはほとんどトイレがないのでここでいっておく。表の展望テラスに出て、ストックを袋から出してセットしスパッツをつける。こうして9時ちょうどに歩き始める。

 

少し行くと若い頃に職場旅行で見た、記憶に残る風景が目の前にあった。そしてあの時に頂上まで登ったのかどうか記憶が曖昧だったが、ここではっきり「頂上まで行ってない」ことが分かった。

 

山頂駅付近をウロチョロしただけだったのだ。

 

まるで富士山のような草木の生えていない溶岩だらけの道(道というような道があるわけではない)をゆっくり登っていく。ところどころに大きな岩がどんと止まっているが、あれがもし転がってきたらひとたまりもない。

 

立て続けの登山で疲れているというだけでなく、いつも登り始めは意識してゆっくりと歩く。体をゆっくり慣らしていくためだ。それにそうやって歩いているとその日の体調もわかってくる。ああ、今日は体が重い。

 

 

主峰茶臼岳

那須野

茶臼岳にはほぼ真っ直ぐ登っていく。振り返ると那須野原全体を見渡すことができる。本当にでっかい野原だ。

 

さらに登ると大きな岩が行手を阻む。右に巻いてから再び登っていくと朝日岳に向かう分岐がある。ここで地図を出して確認した。そう、予定では左回りで一周し、再びこの分岐から朝日岳を目指す。

 

 

左回りというのはお鉢周りのことである。富士山に登った時はお鉢周りは出来なかったので、ここでしっかり一周した。

 

分岐から3分の2周くらいのところが茶臼岳のピークになる。標高は1915m。一般にここが主峰と呼ばれるが、実は那須岳で一番高いのはこれから向かう三本槍岳なのである。

 

茶臼岳の山頂から三本槍方面を眺める。槍というからには尖った峰があるのだろう。そう思ってよくよく眺めるが、そんな山はどこにも見えない。

 

しかし、少し右手に見える朝日岳はしっかり尖って見えている。朝日岳は次に向かう隣の山なので見間違えようがない。

 

茶臼岳は形の良い山である。遠くから眺めると美しい。しかし、間近で見ると岩だらけのゴツゴツした荒々しい山で荒涼とした風景が広がっている。

 

先ほどの分岐から少し先にさらに道が分かれて朝日岳に向かう。朝日岳に向かうにはいったん茶臼岳を峠まで下る必要がある。この峠に昔は峠の茶屋があったらしいが、いまはそこに避難小屋が建っている。

 

茶臼岳を見上げる

 

茶臼岳中腹

 

赤い岩

 

茶臼岳山頂

 

お鉢

 

朝日岳

避難小屋の向こうに朝日岳

峠の茶屋跡から見上げる茶臼岳は立派である。そしてこれから振り返ればいつでも茶臼岳の姿が見える。そして離れれば離れるほど優美な姿に見えてくる。

 

峠の茶屋跡からは剣ヶ峰の中腹をトラバースして反対側まで回り込み、その後岩場の急斜面を登っていく。ここから朝日岳山頂へ向かう分岐点まではちょっとスリリングな道になる。

 

狭い尾根を越えていったかと思うと岸壁の腹を鎖を伝って歩く。左は谷が深く下まで続いているのが見える。

 

次は拳台の石がごろごろした急斜面で、ここを左右に曲がりながら登っていく。一本道ではないのでどこを通るか一瞬のうちに決めなければならない。できるだけ体に負担がかからないように段差が少ないコースを選び、石を落とさないように慎重に登っていく。

 

ところが一度拳くらいの石を落としてしまった。あっと思って声を出そうとしたら、すぐ後ろの女性がその石を足で止めてくれた。

 

ホッとしてお礼を言う。話をしたのはその時だけだったが、その方ともう一人の女性との二人連れ登山者とは、途中前後しながら同じコースをたどり、下山するまでほぼ一緒だった。

 

朝日の肩という朝日岳山頂への分岐地点はちょうど良い休憩場所になっていて、大勢の登山者がいた。ここでザックを置いて山頂を往復する人も多く見受けられた。

 

ここでは荷物を背負ったまま登っていった。なぜか降ろす気がしなかったのである。それだけ頭が回らなかったのかもしれない。

 

ここから眺める朝日岳は道が左に曲がっていき、その先に山がにゅっと空に伸びていて先端が細く尖っている。そしてその先に多くの人の姿が黒く影になってみえる。

 

 

 

鎖のトラバース

 

朝日の肩から朝日岳山頂を目指す

朝日岳の頂上直下であまり人の歩いていないところ(踏み跡は確かにあった)を歩いていく。するとなかなか頂上に登る道にならない。後ろについてきている人がいたので声をかけ、少し先を偵察しにいったところ、そこは行き止まりとなっていた。

 

後ろの人にその旨伝え、途中、頂上が見えた岩から登るのが良さそうだと伝えた。

頂上ではその人に写真を撮ってもらった。

 

 

三本槍岳

三本槍岳 領地確認のため槍を立てたのが名前の由来か

朝日の肩に戻ってそこのベンチでコンビニで買ってきたおにぎりを食べる。飲み物もコンビニで買ったお茶で済ます。

 

ここから一旦登って下り、清水平というところを抜ける。いってみると清水平というのはまさに湿原。たくさんのトンボが迎えてくれた。

 

けっして綺麗とはいえないが、変化があって面白い。

 

そういえば9月の登山は湿原付いている。八甲田、会津駒、燧、そして那須と岩木山を除いて登った山全てに湿原があった。

 

清水平を横切った向こう側に展望台があった。そしてその先へ進むと笹で周りが見えない迷路のような道になる。もちろん迷路にはなってはいないので、迷うことはない。

 

清水平

 

迷路の中にいるような道

 

すると笹の道がT字路となっているところに出た。そこに北温泉分岐の標識があった。

 

左に少し登ってから下りになる。道はなだらかだ。なんとなく長閑な雰囲気である。右手には遠く山々が見渡せる。

 

三本槍の頂上のすぐ下だけ急登になり、再びなだらかな道になったかと思うとすぐに頂上に着いた。1917m。茶臼岳より2m高い。

 

 

山頂ではドローンを飛ばす人がいた。すごい速さで歩いていた人だ。

 

別の登山者の人がドローンを飛ばしていた方に声をかけているのを聞いていたら、ドローンで撮影したものはとくにネットに上げてはいないということだった。声をかけた女性は、YouTubeか何かにアップされると思って手を振っていたそうだ。

 

その女性が「ちゃんと戻ってくるように操縦するのは難しいでしょう」と聞いたら、自動で戻ってくるように設定できるのだと説明していた。しかし、強風が吹いたりしたときに途中で墜落したこともあったという。拾いに行くのは大変らしい。

 

そしてまたその男性は足早に下っていった。そのあとで朝日岳頂上で飛ばしているところを見た。

 

 

自分なりの下り方のコツ

前日の燧ヶ岳の下りでストックの使い方をスキーのようにしたら、登山でも2本ストックの片方が引っかかったりすることなくにスムーズに下ることができることに気づいた。

 

これに引き続き、那須岳では体の使い方もスキーと同じようにすると楽なことに気がついた。

 

どういうことかというと、広い登山道をジグザクに下れるときは、体は常に下を向いているようにするということである。

 

当然頭も同様で、視線は常にこれから向かうところに置き、足元は周辺視野とときどきちらっと目で確認する。左右には腰を使って向きを変える。

 

こうすると姿勢も安定し、体がグラグラしない。

 

茶臼岳からの、溶岩地帯の下りではこんなことを考え、試しながら下った。すると山麓駅手前の茶屋まで疲れも忘れてすごく調子良く下ることができた。

 

これなら標準タイムよりもかなり速く山麓駅に着くな、と思った。

 

茶店の少し先で若い女性の二人連れを追い越す。そのとき、「お先に失礼します」と言ったら「お疲れ様でした」と返事が返ってきた。そう、もうほとんど下山した感じだったのである。

 

ところが、山麓駅に行くには車道に出て少し歩いてから右に入らなければならなかった。そこに気づかず、どんどん車道を下っていってしまった。だいぶ下ってからおかしいことに気づき、そこから引き返したので10分以上ロスする。

 

それでも50分のところ40分弱で山麓駅についた。

 

こうした下り方は狭い登山道ではできないが、それでもところどころにある広がった登山道の急な下りでは役に立つと思われる。

 

これまで下りはあまり得意ではなかったが、今回の自分なりのコツを掴んだことで次の登山が楽しみになった。

 

山麓駅ではトイレを借りて顔も洗い、缶コーヒーを飲みながらベンチで一休みした。

さて、これから6時間半かけて自宅に戻るのだ。

 

 

帰り道、スーパーカブに異変

今回の三座を目指した旅のはじめのブログでスーパーカブの気になる音のことを書いたが、音だけでなくおかしな症状が現れ始めた。

 

そもそも変な音というのは今年(2022年)1月に1か月遅れの1か月点検から戻ってきた時から気づいていた。

 

点検前からあったのか、点検から帰ってきてからの症状なのかはよくわからないが、ともかく「変な音がするな」と気がついたのは点検後のことだ。

 

それは、アクセルを戻した時にカラカラという音がクランクケースあたりからしているように思われた。

 

ただ、新車で購入して2か月しか経っていないのだから、おかしくなるところなんてあるはずがない、きっと初めからそういうものなんだろうと、自分を納得させていた。

 

こうした音もいつも聞いていると当たり前になる。そしてあまり気にならなくなっていた。特に走りには影響がなかったからである。

 

ところが、那須からの帰り道で影響が出始めたのだ。

 

国道4号線は高速道路かと思うようにみなスピードを出して走っている。波に乗るためにこちらもスピードを上げる。逆にそうしないと危ないのである。

 

高速道路と違うのは、信号があることだ。信号で止まり、一気にアクセルを開ける。そして一旦アクセルを戻してギアを2速に入れたそのときに、一瞬カクッと前に飛び出るのである。

 

ゆっくりと出て、シフトアップするときはこうした症状は出なかった。

 

なるべく静かなアクセルワークを心がけて家まで、いや、家の近くの「すき家」まで走り抜ける。


山麓駅を午後4時ちょうどに出発して、途中休憩はコンビニに1回、あとはガソリンを入れる時だけだった。そして「すき家」に立ち寄ったのが10時半。ここで「すき焼き丼」の夕食。

 

そのあとコンビニでビールを調達し、それをポケットに入れて帰って家で祝杯をあげた。

 

 

最後に

9月はかなりの強行軍で八甲田山、岩木山、会津駒ヶ岳、燧ヶ岳、那須岳と登った。さすがに最後の那須岳はきつかった。

 

おそらく体の疲れはしばらく抜けないと思われ、しばらくはできるだけ体を休めることにした。

 

今年4月下旬の金峰山を皮切りに日本百名山を次々に登ってきた。以前登ったのが13座。金峰山が14座目でその後15座登った。ただ、八甲田山は二度目となるので、日本百名山の登頂記録としては今回の那須岳が28座目となる。

 

まだまだ登山シーズンだ。もうあと少し登頂数を伸ばしていきたいと思う。

 

なお、スーパーカブの音とシフトアップの不具合についてはその後原因が判明した。そのことはまたブログに書いておきたいと思っている。


では、このへんで

 

 

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