Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

箱根はキツかった 【やっとの思いで帰宅】

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箱根湯本で早川を眺める

 

腰の状態が少し良くなったので、久しぶりにロードバイクに乗った。

前日、どこに行こうかと考えた。

早川でフライフィッシングができると聞いた。

よし、では箱根だ。

湯元で引き返せばいいものを、欲をかいて箱根駅伝の山登りコースに踏み込んだ。

その結果は・・・

 

前の晩

今まで早川沿いの国道1号線を何度も走ったことがあるが、釣り場の川としては認識していなかった。

だからどんな川だったか確認したい。

そんな気持ちで箱根湯本までのコースを考えた。

そしてあわよくば峠道を行けるところまでいってみよう。どのくらい登れるのが試してみたい、という気持ちがあった。

それでは早く寝なくちゃ。

ところが、枕元に置いてある本を読んでいたら、つい遅くまで読んでしまった。

初めの方はなかなか進まなかったが、中盤になってくるとサラサラ読める。

3分の1ほど残して寝ることにしたが、結局起きたのは9時少し前。

そしてなんやかやで出発は11時となった。

 

いちおう本について紹介すると、『リサイクル幻想』(文藝新書)という武田邦彦先生の著書である。

平成12年10月20日発行だから、20年以上も前に出版されている。それなのに未だにリサイクルが正義だと思われている。

 

リサイクル幻想 (文春新書) | 武田 邦彦 |本 | 通販 | Amazon

 

簡単に内容を紹介すると、金属もガラスもプラスチックも全ての材料は劣化する。だからそのまま何度も使うには適していない。だから溶かしたりして再生する。しかしそのためには分別したり洗浄したり熱を加えたりとエネルギーを消費する。それが製品を作るときよりもたくさん消費するという。

 

また、石油からプラスチックにするにはわずかなエネルギーしか使わない。だから発電のために原油を直接燃やすよりも、プラスチックを一度製品として利用し、そのあと燃やして発電すれば、原油の輸入量を減らすことができると主張している。

 

これはとても効率的な方法である気がする。

 

なお、氏は別な場所で、資源の無駄を少なくするには、リサイクルよりも技術の進歩の方が貢献度が大きいとも述べている。

 

 

129号線から1号線

さて、話は元に戻る。

本日の天気は曇り。気温は5度。これから8度くらいまでは上がるとの予報。

箱根に行くので念のため少し余計に衣類をサドルバックに詰め込んだ。出発が遅くなったのは、この取り付けに手こずったためもある。

それに、サドルバックをつけるとテールライトがほとんど隠れてしまう。なんとかしなくちゃ。

サドルバックにはウインドブレーカーを入れた。それに途中で脱ぐつもりでレインパンツを履いた。脱いだ時にここに仕舞う。

12時半頃、小田原の酒匂川近くのマクドで昼食。スパイシーチキンバーガーのセットを食べる。これがあとで後悔することになる。

1号線は箱根板橋から箱根登山電車と早川の間を縫うように走るようになる。ただし、現在は箱根湯本まではすべて小田急線の車両が乗り入れしているらしい。

小田急電車に追い抜かれるとすぐに減速し、風祭の駅に入っていく。このあたりで早川がチラッと見える。水の流れは渓流の中流域といった感じで、河原が広いのでフライフィッシングに向いている川だと思った。

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鈴廣かまぼこ博物館

ec.kamaboko.com

 

風祭の駅の近くには有名な「鈴廣」というかまぼこ屋がある。かまぼこ以外にもさまざまなものを売っていた記憶がある。

先へ行くとまた川が見えなくなり、緩やかに少しずつ坂を登っていく。すると箱根湯本の駅が見えてきて、早川もすぐ近くを流れるようになる。

 

 

箱根湯本で若いローディに話しかけられる

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向こうに二人連れのローディ

 

箱根湯本のバス発着所で休憩をとる。このあたりの河原は散策路になっている。このあたりでフライをやるのは難しそうだ。それに観光客の衆目が集まってしまう。

そんなことを考えていたら、二人連れの若い(10代後半か20代前半くらい)ローディが、

「スペシャライズドかっこいいですねえ」と話しかけてきた。

「ルーベですね、色がいいですねえ」というので、ありがとうといって「もうこの色は無いみたいですよ」と答えると、「20年モデルですよね」。

やけに詳しい。

その彼は茅ヶ崎に住んでいるそうで、スペシャの販売店であるSBC茅ヶ崎がもうなくなってしまったことを教えてくれた。

一番近いのは藤沢店になるそうだ。

その彼の乗っているのは(離れていてよく見えなかった)、SCOTTだそうだ。

SCOTTってたしかスイスでしたよねというと、「そうです。でも製造はドイツです」とのことだった。

もうひとりのほうのバイクについてははっきりとはわからなかったが、Giant の話をしていたのでおそらくそれだろう。

「台湾製のパイクはコストパフォーマンスが高いよね。スペシャは設計はアメリカだけど製造は台湾」と話した。

SCOTTの彼のバイクは僕のバイクの3倍弱だというのを聞いて、リッチだなあと思った。

「これからどっちへいくの?」と聞いたら、もう帰るということだった。このときすでに12時45分くらいで、このときぼくも帰るべきだった。

ところが、「なんだ、若者が登らないのか」と思い、ならばと俄然意欲が湧いてしまったのである。

 

www.sbcbicycle.com

 

 

最初は余裕

車やバイクではよく走った道であるが、自転車でゆっくり走ると景色が違う。いろいろなものに目が止まる。

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一の湯 趣のある建物

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一の湯の道路を挟んだ反対側の旅館専用? ここで夕涼みしたい

 

14時、登山電車の大平駅に来た。上り坂はすでに急になっていて、しばし休憩しチョコレートを補給し、水分も摂る。

改札口を入ると、プラットフォームは下の方にあり、階段で下っていく。その下を見ると、ちょうど電車が止まっていた。

そしてその先は車止め。ここで折り返して登る、いわゆるスイッチバックをするところなのである。

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大平台駅

 

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スイッチバック 停車中の電車

 

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山神神社 さんじんじんじゃと読むそうだ

 

駅の隣には山神神社というのがあった。まるで箱根駅伝の山の神のための神社であるように思った。

そこからも急な登りは続く。ギアはもちろんインナーロー。だからのろのろと登っていく。

ちょうど蛇骨橋というところが安全なので、そこで休憩。するとその橋を若い男女が渡ってきた。男性はハーフっぽかった。

さて、再び走り始めるかと、車が来ていないかを確認したら、登ってくるローディがいた。見た目にはゆっくり登っているようだったが、あっという間に見えなくなった。

 

 

ああ、もう限界

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富士屋ホテル 高級車ばかりが入ってくる

宮の下の富士屋ホテルを左折して小涌谷方面に向かう。ちなみにまっすぐ行って箱根ガラスの森美術館を左折すると仙石原に行ける。

小涌園前の左に曲がる(箱根駅伝で中継される)ところにある気温計は2度となっていた。そして時間もまだ15時前だったので、順調に登ってきたと思っていた。

さらにここからはなだらかな道だったように記憶していた。ところが、ここからが長く、さらに登っていくのだった。

するとなんだか胃がムカムカし始め、昼のスパイシー感が出てきてしまった。胃に血液が集まらずに胃液で消化しようとしているのか。

ここまで何度も休んできたが、休んだ後はけっこう回復して走ることができた。でももう体力は残されておらず、休憩後の1分くらいはちゃんと踏めるが、あとはもうよろよろしないように走るのが精一杯だった。

気温は1度を示し、小雪がぱらついてきた。

すると、後ろからきた薄着のユニフォームらしきウェアを着たロードレーサーがさらりと坂を登っていった。

早い。さっき抜かされた人よりも断然早い。そうか、乗鞍で優勝するような人ってこれくらい、いやもっと早いのだろうな。

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ここで休んでいる時にすっと走り去った

 

ところがこちらはペダルを踏むのがやっとなのである。ノロノロ登っていくとバス停とトイレがあった。よし、ここで休憩だ。気温はなんとマイナス1度だった。

自転車を止めると汗が流れてきた。つま先と手の指がもう冷たくて仕方がない。それなのに汗が流れるとは。

ふと隣を見るとドールハウス美術館があった。前に家内と一緒に来たことがあるが、その時は土砂降りだったことを思い出す。

 

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最高地点到達

道は一旦下って再び登る。ああ、もう限界、もう漕げない、と思って前を見たら、国道1号最高地点の標識があった。

 

 

激坂下り

するとその先に登りはなかったのである。

どこまでも下って行きたいが、芦ノ湖までは下らずに、カーブの途中を旧東海道に入って帰ることにしていた。旧街道入口でちょうど赤信号になった。

1号線から旧東海道の732号線に入ると、少しだけのぼりがある。その上のお店の駐車場の隅でレインパンツを履き、襟元をしっかり閉め、ネックウォーマーも口元と耳を覆って寒さ対策をした。

このとき二人のローディが向こうからやってきて、

「どうかここで終わってくれー」

「やったー、終わりだ」

という叫び声が聞こえた。ここまでの坂が本当にきつかったのだろう。

さて、そこを下るのだ。

思えば2年前、自転車日本一周の最後の宿に向かう時にこの坂を下った。だが、ブレーキがなかなか効かないで必死だったことしか思えていないのだ。どんな道だったか全く記憶にない。

こんどは荷物もなく、ブレーキもカンチではなくディスクだ。

かなりのスピードが出るが、出しすぎるとカーブが曲がれない。

 

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七曲りのカーブ

 

すると次は七曲り。こうしたカーブは車より早い。と思っていたら後ろからエンジン音が。最後のカーブで追い越していったのはバイクだった。バイクなら仕方がない。

箱根湯本近くまで降りてくると、ホテルなどが軒を連ねている。ここでスピードを落とした。このとき、立ち上がっていた足はガクガクで、肩もガチガチに凝ってしまっていた。

 

 

ちょっとの登りが

小田原までは道が下っており、その先も平坦なのでなんとかペダルを回せた。

それに下におりてくると明らかに気温が上がり風がそれほど冷たくない。

小田原は4時前に通過した。となると、降り始めてから30分と経っていないことになる。登りは2時間半以上かかったのに。

風の冷たさは山上ほどではないが、体が冷えている。

国府津手前のコンビニでホット缶コーヒーを買い、それで手を温めた。

 

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カイロがわりのコーヒー

きつかったのは二宮の登り。なんだか気持ちが悪くなってきた。

どこかで休まないと走れない。もう、帰宅時間なんて気にしちゃいられない。それに、信号で止まるとフラフラするような気がする。

大磯の手前のコンビニの駐車場でしばらく休むことにした。ここで、昼に脱いだ中間着を着る。日が落ちて急に冷えてきたのである。

そうして、ともかく前に進んでいれば帰ることができる、と自分に言い聞かせながら、どうにかこうにか無事に帰ることができた。体力は使い果たした。

今の体力では箱根は無謀な挑戦だった。

もっとたくさん乗って鍛える必要があるということを強く感じた次第である。

 

 

最後に

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自転車ユーチューバーの動画やインスタを見ると、ライドの途中でスイーツのお店に寄ったりしている。

それなのに、とても長い距離を走っている。

ということは、サッと走って休憩し、美味しいスイーツなどを食べているってこと!

なんか憧れちゃうな。

だけどサッと走るのは無理。

だったら距離を短くしようか、なんてね。

では、このへんで

 

 

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