少し負荷をあげようと、上りがキツイ二ノ塔に登ることにした。
丹沢表尾根の縦走を2つのピークだけで下りてくるショートカット登山である。
今回は、ユーチューブで勉強した山の歩き方を実際に試してみるという目的もあった。
結論から言うと、効果はあったように思うがなんだか体のほうがしっくりきていない。
効果というのは、膝の痛みが軽減されたということ。
脚の筋肉がつけばそれほどひどい痛みは感じなくなると思われる。しかし、それでも出来るだけ疲れない歩き方というのは重要だろう。もう少し工夫が必要だと感じた。
体にしっくり来ない理由は、歩き方がぎこちなくなってしまい、歩くのがかなり遅くなってしまうということである。素直な体の動きではないように感じるのだ。
では、どんな歩き方を試してみたのか。
実際に登った状況から説明したいと思う。
登山コース
その日の天気予報は晴れだった。そこでいつになく早起きして出かけた。といっても準備に時間がかかり、7時に家を出るつもりが7時半になる。
今日の予定コースは、小田急線の秦野駅からバスに乗りヤビツ峠まで行く。ヤビツから二ノ塔の取り付きまで林道を行き、そこからはひたすら登る。二ノ塔から三ノ塔まではコルまで僅かに下って登り返す約15分の距離だ。
表尾根縦走ではここから烏尾山、行者岳、新大日、塔ノ岳といくつものピークを超えてあとは大倉尾根をひたすら下っていく。
今回は三ノ塔からひたすら下って水無川の大倉バス停の反対側に下りてくるルートを行くことにした。
ヤビツ峠まで
秦野駅からヤビツ峠までのバスは、平日は午前中は1本だけである。出発が遅れたが、このバスに間に合う電車の発車時刻前にホームにつくことができた。
ホッとしていると、電車遅延のアナウンス。ナビで確かめると、バスへの乗り換え時間が3分。そして電車の遅れが3分。どうかバスの発車時間を遅らせて待っていてくれ、という思いもむなしく、非情にもバス停にバスの姿はなかった。
仕方なく、10分後に出る蓑毛行きに乗った。
蓑毛はヤビツ峠への途中にあり、ここからヤビツ峠への登山道も整備されている。
だがしかし、蓑毛からヤビツまでコースタイムで1時間15分かかる。幸い今回は早い時間に歩き始められるので、予定のコースを歩いても3時頃には下山できるだろうと思い、午前9時、登山届をポストに投函して歩き始めた。
この道は何度も歩いているので不安はないが、予定より1時間以上も余計に歩くことになる。ちょっぴり気持ちが暗くなる。それに晴れの予報なのに曇ってきた。
沢沿いの舗装路を登っていくと右に分かれる道があり大山に続いている。ヤビツ峠は左を行く。春嶽湧水というところで沢を渡り、ここからが本格的な山道になる。
YouTubeで教わった歩き方を実践してみる。あくまでも僕の理解でのやり方であることと、実際にできているのかということは自分ではよくわからないことを初めに申し上げておく。
登りの歩き方で注意する点は2点である。一つ目は、歩幅を大きくしないことで、特に段差が大きい時はできるだけ中間に足が置けるところを探すこと。もう一点は、前足で踏ん張って体を持ち上げるのではなく、後ろ足を蹴るようにして体を持ち上げること。
以上のことに注意しながら登った。
ヤビツまでの道は、さっき超えた沢から尾根を乗り越え、さっきの沢の本流に沿った谷の中腹を行く。途中、足を踏み外したら谷底に落ちてしまうような場所を過ぎて、その先から折り返して尾根を再び乗り越える。
こうした尾根を乗り越えるときが少し急な上りになる。このときはできるだけ先の2点を意識して登った。
ただ、少し力が入っていたのだろう。ヤビツ峠に着いた時は結構疲れてしまった。それに、コースタイム1時間15分のところを1時間半もかかっている。
ヤビツ峠は平日にも関わらず、自転車で登ってきている人を3人見かけた。ただいずれも秦野側ではなく宮ヶ瀬側から来ているのがちょっと驚きだった。それにみな僕と同年配の方々である。なお、バイクのおじさんもひとりおいでになった。
二ノ塔へ登る
ニノ塔への取り付き口まで舗装路を行く。ここはコースタイム通り。
ここから頂上まではひたすら登るだけだ。初めの樹林帯は丸太で作られた階段だ。ここも歩幅を狭く後ろ足で蹴りながら登る。
一旦林道に出て、少し左側から再び登り始める。ここからもまだ樹林帯でやはりほとんど階段になっている。おそらく、急な上りなので雨が降ったりすると滑って危ないためこうして階段がつけられているのだろう。
少し開けたところに出るとベンチが置かれていたのでそこで一休み。補給食を食べる。するとすぐ後ろを歩いていた年配の女性が目の前を通り過ぎて行った。
気がつかなかったけど、追いつかれていたんだ。それほど時間を置かずに歩き始めたが、結局ふたたびその女性の後ろ姿を見ることはなかった。
樹林帯を抜けるとところどころにすすきの生えているガレ場に出る。昔は歩きにくくて大変だったのだが、そこにしっかりした木製の階段がつけられていた。
その後も同じようなしっかりした木製階段がよく現れるようになった。どうやら、人が歩いて禿山にならないように保護するためらしい。頂上付近は全てこうした木道、木階段で、それが二ノ塔の山頂まで続いていた。
二ノ塔の狭い山頂(1144m)には座るのにちょうど良い低いテーブルが4台か5台設置されていて、足元には砂利が敷かれていた。なんだか綺麗すぎる気がするが、快適ではある。
ここでエスビットポケットストーブでお湯を沸かし、買ってきたおにぎりで昼食にした。
平日だが3人ほどの登山者が横を通り過ぎて行った。
三ノ塔と下山路
二ノ塔から三ノ塔への道もほとんどが木道・木階段であった。昔感じたコルのちょっと怖いような雰囲気はすっかり無くなっていた。
三ノ塔(1205m)は山頂が広くて眺めがすばらしい。曇っているのは残念だがそれでも遠くまでよく見渡せた。
三ノ塔山頂はすすきの小さな群生が散らばっていて、以前はどこでも歩くことができたが、いまはある程度制限されている。ただそれでも広い山頂で、なだらかな柔らかい感じのする山である。
これまではここから烏尾山、行者岳、新大日、塔ノ岳へと縦走していたのだが、数年前に若い頃と同じ気持ちになってバンバン歩いていたら、大倉尾根を下っている途中で猛烈に膝が痛くなり、ゆっくり歩いてしばらく休み、またゆっくり歩くといった感じでなんとか下山したという苦い経験をした。
体力は確実に落ちていたのである。それ以来、低山がメインで歩いてきた。それでも下りでは膝が痛くなってしまう。
今回はこの三ノ塔山頂から大倉バス停に向かって降りていく。新しく覚えた「下り方」でどこまで膝が耐えられるのか、楽しみでもあり不安でもある。
登ってきた道を少し戻り、右に折れるとあとは尾根伝いに下っていくだけである。地図を見ればそれほど等高線の詰まったところはないので、なだらかな下りだと思っていたのだが、これが大間違い。
すごく急というわけではないのだが、それでも急で、これがずっと続いているのである。等高線の幅がずっと同じ間隔だったので、なだらかだと勘違いしてしまったのである。
下りの歩き方の注意点はやはり2点で、歩幅を狭くすることと、踵から着地しないことである。段差が大きい時は、横を向いて足を後ろに降ろすと負担が少ないということなので実践した。
こちらの道は通る人が少ないためか、新しい木道はなく、所々に丸太の階段がつけられた昔のままの道だった。
一度滑ったが転ぶことはなく、1時間25分ほどこうした登山道を下った。ここもコースタイムでは1時間10分だ。膝の方は、少し痛みを感じる程度で大ごとにはならなかった。おそらくあと1時間も同じように下ったら、きっと痛みが増していたことだろう。
そのあとは林道を40分ほど下った。こうした舗装路では膝が痛くなることはない。
最後に
下っているうちにだんだん晴れてきた。そして大倉バス停には15時22分に到着。目の前にはバスが止まっていた。バスに近づいていくと、なんとバスの扉が閉まり発車してしまった。
時刻表を見ると15時22分発となっている。どうも今日はついていないようだ。けれど、次のバスまでの30分の間に顔を洗ったりできたのでよしとしよう。
ただ、ソフトクリームの看板が出ていたので買いに行ったら本日定休日の札が。気にしない気にしない。
大倉バス停から渋沢駅までは約15分かかった。
中学生のころ、友達と雨の表尾根を歩き、大倉尾根(通称バカ尾根)で滑って泥だらけになったので駅まで歩いたことがあった。我ながらよく歩いたものだと思う。
そして、伊勢原駅で降りると改札前のドトールで赤メロンクリームソーダなるものを飲んで帰りましたとさ。
では、このへんで
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