Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

大山北尾根登山 【スーパーカブでヤビツ峠】その2

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前回は、スーパーカブでヤビツ峠を登り、計画より1時間以上遅く到着したこと。
 
そしてヤビツ峠からは枯れ沢を下って林道に出て、登山口まで急ぎ足で進んでいったら登山口を間違えてしまったことを書いた。
 
もうここまでで随分と冒険をした気分になっていた。
 
ところが登山はこれからなのである。
 
 

ジグを切る〜地獄沢橋から境沢ノ頭まで一気に登る〜

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杉の森
森の中の道無き道を進んでいくと、コンクリート舗装の道に出た。「この道を登っていけばいけるんじゃないか」と思って少し歩き出したが、いや待て、ちゃんと確認しなくては。
 
そうしてGPSで確認すると、その道は本来の登山道の近くを通っているが、途中で途切れていた。
 
「だめだ」
 
きびすを返し、どんどん下っていくと使われていない古いゲートがあり、つぎに現役のゲートにたどり着いた。その先は宮ヶ瀬に通じているさっきまで歩いていた林道に出た。
 
そこから数分で正しい登山口に到達。見逃さなくてよかった。
 
ヤビツ峠からこの登山口までの通常のコースタイムは1時間20分。途中寄り道をしたり、おにぎりを食べたり、トレッキングポールの準備をしたりしていたのにちょうどコースタイム通りの時間だった。
 
道路から少し上に何やら注意書きがある。近づいてみると、ツキノワグマに出会った時の対処法だった。ということはこのあたりにクマが現れるということだ。さっき出すのを忘れていたクマ鈴をなるべく音が鳴りやすい位置に取り付ける。
 

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ツキノワグマに出逢ったら
初めは針葉樹林帯(おそらく植林)だったが、すぐに広葉樹林とのミックスに変わる。そして、そのなかをひたすらジグを切って登っていく。ジグを切るというのは急でまっすぐ登るのは大変なので、ジグザグに登っていくということだ。
 
このルートはマイナーなルートになるのだが、ところどころに踏み跡があった。不思議なもので、一人だと自由に歩けていいけれど、こうした人の気配があると安心したりする。
 
そして、やはりところどころに鹿や小動物のフンが落ちているので、あまり人が入らないということもわかる。
 
なるべく下ばかりを見ないように頭を上げて歩く。すると紅葉した楓から枯れ葉がふわふわといっせいに落ちてきた。そして僕の帽子の上にもはらりと降り立つ。なんともいえない幸福感だ。
 
しかし自然は過酷で、ゆく手を何本もの倒木が塞いでいて迂回したり跨いだりしながら登っていった。
 

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自然の摂理
登りは急だが、尾根は横に広がっていて1本の道が続いているわけではない。ときどきどこを進もうか、ルートを探しながら判断していった。
 
中腹を過ぎたくらいのところに樹脂製の階段が付けられていた。L字型の部品を重ねて並べたようなもので、太いペグのようなピンで止められている。それがところどころ根元まで刺さっていないことがあった。つまづかないように気をつけながら登った。
 

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樹脂製の階段がまっすぐ上に伸びている
そうしてとりあえずのピーク(地図には山名が書かれていなかったが、境沢ノ頭というらしい)の標高913メートルに到達した。登山口が標高535メートルなのでおよそ380メートル登ってきたということになる。
 
そして、登り始めて55分。5分ほどコースタイム早かった。
 
 

尾根道を行く〜境沢ノ頭から大山まで〜

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境沢ノ頭山頂
境沢ノ頭からはピークを繋いで大山(標高1252メートル)まで少しずつ登っていく。ススキの間を抜けて少しいくと、大きな送電線の鉄塔が立っていてその根元で二人連れの登山者が何やら大きな声で話をしていた。
 
道にはトレッキングポールが置かれていて、こちらが挨拶すると挨拶を返してはくれたがポールはどかしてくれなかったので、道から外れて通り過ぎた。
 

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送電線は谷を越えて続いている
目指す次のピークはミズヒノ頭(標高1051メートルほど)で、140メートルほど登る。しかし、20メートルほど下ってからの登りなので、結構きつい登りだった。
 
やっと小さなピークに着いた。でもそこはまだミズヒノ頭ではなかった。ただ、休むのにはいい場所で、また、1時になったところで少し腹も減ったので、ザックを下ろし、おにぎりを取り出して食べる。
 
そこから15分くらいでミズヒノ頭に到着した。しかしとくに山名が書かれた標識も見当たらないのでさっと通り過ぎた。けれど、そのあたり全体が山頂といってもいいようななだらかな山だった。
 
次に目指すのは西沢ノ頭で標高1094メートル。しばらくなだらかなアップダウンが続く。
 

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どこを歩いても
そしてあっという間に西沢ノ頭に到着。境沢ノ頭から50分だ。ここまでハイマツや低木の間を調子良く歩いてきた。ところがこの西沢ノ頭を通り過ぎると、岩がゴロゴロした狭い尾根が現れた。
 
トレッキングポールはかえって邪魔になるので畳んでザックの外に留めた。そうして岩や枝を掴んだりした慎重に下り、バランスを崩して谷に落ちないように(歳をとるとバランスが悪くなる)気をつけて進んだ。
 
そうした痩せ尾根を過ぎると再び広い尾根になる。その先には目指す大山の頂上の電波塔が見えた。右手には丹沢主脈(塔ノ岳から丹沢山、その右手にちょんちょんちょんと並ぶ頭がつく3つの山)が見渡せ、左手の木々の間からは厚木や伊勢原の町が見えた。
 

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こういった自然のままがマイナールートのいいところ
ただ、右手には鹿よけの防護策が作られていてその隙間からみる丹沢主脈だった。
 

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柵に囲われているのはどっち側?
少し気になるのは、この辺りの道に小動物のものでない黒いフンを数箇所で見つけたことだ。ひょっとして・・・
 
柵に沿って進んでいくと、今度は小さなモノレールが設置されていてほぼ登山道の脇を通っていた。それがその先で他のモノレールに枝分かれするように設置されていた。このため、登山者はそのレールを跨いでいかなければならない。
 
そうしてようやく着いた大山山頂の手前に、電波塔の建物を囲むように柵が張り巡られていて、そこを通るには脚立で乗り越えなければならなかった(これが結構危ない)。
 

下山そして帰路

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大山山頂からの眺め
大山山頂には2時に到着した。スーパーカブの停めてあるヤビツ峠までは50分ほどのコースなので、ここでお湯を沸かしコーヒーを淹れた(インスタントだけど)。それと昼用に買っていたパンを食べながらコーヒーを飲み、30分ほどのんびり丹沢の山々を眺めていた。
 
山頂からの下りは、阿夫利神社下社に下る道を進み、途中で右に外れる。この道を通るのも久しぶりだ。
 
すると、以前登った二ノ塔よりは小規模だが、ここでも木道が付けられていて、以前より多くなってい流ように感じた。山を守るためには仕方がないが、どうも味気がないし、そもそも歩きづらい。
 

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段差に気をつけながら
さて、下山を開始するといつもなら膝がじわじわと痛くなってくるはずが、今回は多少の違和感はあるが、痛みが出ない。
 
実はこの痛みの対策として2つのことを実践していた。
 
まずは登りの際に2軸歩行を心がけ、膝が内側に入らない(ねじれない)ように気をつけたこと。
 
ユーチューブの登山技術の動画によると次のとおりである。
 
下りで膝が痛くなる原因は、登りで膝が内側に入って膝の周りの筋肉に無理がかかるためである。それが下りの時に耐えられなくなって痛みが生ずる、ということらしい。
 
そうか、下りの痛みはそもそも登る時に原因があったのか。
 
そういえば、いつもズボンの裾が靴で擦れて汚れている。だから今回はそれを特に気をつけた。以前試した後ろ足を蹴る動作はいっさいしなかった。それより体全体で足を持ち上げるようにして、できるだけ足に無理をさせないようにした。
 
もうひとつは、テーピングをしたように膝のところがXになるコンプレッションタイツを履いたことだ。はてなブログを見ていて、広告にこのタイツが出ていたのでクリックしてみると、日本製造で値段も格段にお安い。
 
それで迷いもなくポチったのだが、こちらの効果のほうが大きいような気もする。
 
今回の登山を総括すると、大山までのほぼ登りはコースタイムより15分早く歩き、大山からの下りでは10分多くかかっている。
 
つまり、下りは依然と弱いが、とりあえず膝が痛まなかったことは次につながる登山だったといえよう。
 
 

最後に

当然、帰路もスーパーカブでヤビツ峠を下った。
 
ちょうどバスが発車したのでその後をついて走ったが、バスは車とすれ違うたびに止まるので、「先を走ればよかった」とそう思い始めていた。
 
すると、車線が広がったときにバスは左によけて止まり、僕のスーパーカブと後ろのボルボに道を譲ってくれた。
 
バイクでの下りは怖いかと思ったが、ともかくエンジンブレーキが効くのでまったくそんなことはなかった。
 
そして、なんどもカーブを曲がったので、カーブのコツもわかってきた。ギアを2速にするとギクシャクするので、3速のままで後ろブレーキをかけたまま曲がるのが一番スムーズだった。
 
ヤビツ峠を走ったおかげでスーパーカブの運転にも慣れて、そして休憩を入れてだが5時間15分(10キロちょっと)歩けて膝も痛まず、有意義な登山になった(ただし翌日は筋肉痛)。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
では、このへんで