東京オリンピックが閉幕しました。
2020年に予定されていた開催が2021年に延期され、また、パンデミックにより開催の是非も問われましたが、7月23日(金)から8月8日(日)まで、東京を中心に(東京では無観客で)札幌や静岡など各地で開催されました。
今回はそのなかで、最近はあまり乗っていないけれど、自転車競技について振り返ってみたいと思います。
個人ロードレース
オリンピック東京2020大会 (出典:ウィキメディア・コモンズ)
今回の東京大会の個人ロードレース競技男子では、新城幸也選手が35位、増田成幸選手が84位でした。
過去最高は、64年に同じ東京で開催されたときの福原広次選手の19位です。
個人ロードレース女子では、与那嶺恵里選手が21位、金子裕美選手が43位でした。与那嶺選手は個人タイムトライアルでも22位と健闘しました。
ロサンゼルス大会以降の過去最高は、前回のリオでロードレース17位、個人タイムトライアル15位で、どちらも今回健闘した与那嶺選手です。
ロードレースのテレビ配信はなく、民放オリンピック公式動画配信サイトからのストリーミング配信によるものでした。
しかし、外出中でタイムリーに見ることができなかったので、あとから飛ばし飛ばししながら見ました。
自転車ロードレース ロード 男子個人ロードレース 決勝 | 東京2020オリンピック | NHK
オリンピックのロードレースは、他の大会と違い、必ずしもチーム戦でないところが面白い。情報に詳しい人もなかなか勝者を読めないみたいです。
男子ではポガチャルがツールドフランスの勢いのまま行くかと思われたところが、伏兵カラパスがしてやったりというところでしょうか。追いつかれそうになったとき、最後の坂でグングン加速して逃げ切りました。
2位集団は追いつけないとわかるとスプリント前の牽制に。最後は写真判定でないとわからないほどの僅差でメダルの色が決まりました。
結果は、エクアドルのリチャル・カラパスが優勝、2位はベルギーのワウト・ファン・アルト、3位がスベロニアのタディ・ポガチャルでした。
#自転車ロード 日本らしい美しいコース🇯🇵✨@Tokyo2020jp #オリンピック #Tokyo2020 pic.twitter.com/Z2Q1GdGM9l
— オリンピック (@gorin) 2021年7月25日
女子では、オーストリアから1人で出場しているアナ・キーゼンーホファー選手が、世界トップの選手で構成されるオランダチームを出し抜いたところが、判官贔屓ではないですが胸がすくように思いました。
オランダチームはゴールするまで1位であると思っていたようです。無線が使えないオリンピックならではの出来事ですね。
トラックレース
トラックレースでは、男子では個人スプリントの脇本雄太選手が9位、ケイリンでは7位と活躍しました。
その他、新田祐大選手が個人スプリント26位、ケイリン16位でした。橋本英也選手はオムニアム15位でした。
オムニアムといえば女子ですね。梶原悠未選手が銀メダルを獲得しました。梶原選手は中村妃智選手とのマディソンで13位でした。
小林優香選手は、個人スプリント14位、ケイリン16位と健闘しました。
トラックレースでの興味は、今回もイギリスが強さを見せるのかという点にありました。男子は団体追い抜き、チームスプリントいずれも北京大会から3連覇しています。
また、ケイリンでもイギリスが北京から3連覇、個人スプリントでは、イギリスのジェイソン・ケニーが2連覇し、今回は3連覇がかかっていました。
イギリスに立ち向かえるのは、オーストラリア、ニュージーランド、デンマーク、それにフランとドイツです。果たして結果はどうだったのでしょうか。
チームスプリントでは、1位から順にオランダ、イギリス、フランス。団体追い抜きではイタリア、デンマーク、オーストラリアでした。
ケイリンではイギリスのジェイソン・ケニーが2連覇し、続いてマレーシア、オランダと続きました。前回大会3位だったマレーシアのアズジルハスニ・アワン選手が今回は銀をとりました。
個人スプリントではオランダ、オランダ、イギリスの順でした。ジェイソン・ケニーの3連覇達成は叶いませんでした。
男子オムニアムではイギリス、オーストラリア、イタリアの順で、前回優勝したイタリアのエリア・ヴィヴィアーニ選手は3位でした。
また、二人で協力しながら戦うマディソンは、今回復帰した競技で、1位から順にデンマーク、イギリス、フランスでした。
この結果で一番驚いたのは団体追い抜きで優勝したイタリアです。決勝ではデンマークと対戦し、なんと世界新記録まで達成してしまいました。個人的にこのパシュートという団体追い抜き競技が面白いと思って見ています。
今回の結果から、オランダが着実に力をつけてきていることがわかります。
次に女子です。
チームスプリントの結果は、中国、ドイツ、ROCの順でした。団体追い抜きでは、ドイツ、イギリス、アメリカ。
個人スプリントではカナダ、ウクライナ、香港、ケイリンではオランダ、ニュージーランド、カナダの順でした。
そしてオムニアムではアメリカ、日本、オランダで、マディソンではイギリス、デンマーク、ROCの順でした。
日本の女子選手がオリンピックの自転車競技(トラック)でメダルを獲得したのは史上初✨#自転車競技(トラック) 女子オムニアムで、梶原 悠未選手が #銀メダル 獲得しました。@Yumi_Kajihara#Tokyo2020 #オリンピック#自転車トラック pic.twitter.com/uyz5UIWWix
— Tokyo 2020 (@Tokyo2020jp) 2021年8月8日
団体追い抜きではイギリスは3連覇ならずという結果になりました。
チームスプリントでは中国が2連覇しています。また、ドイツは前回銅、前々回は金、そして今回は銀を獲得しています。
女子はダントツの国はありませんが、オランダ、ドイツ、カナダ、イギリスあたりが強いようです。
そのなかに、日本が入ったことは素晴らしいことでした。
オーストラリアとニュージーランドの力は少し落ちたように思えます。
マウンテンバイク・BMX
男子クロスカントリーには山本幸平選手が出場し、29位という結果でした。
BMXレーシングでは長迫吉拓選手が17位、BMXフリースタイル・パークには中村輪夢選手が出場し、大技で足をついて残念ながら5位でした。けれど、踵の骨折を乗り越え、さらに大技に挑戦し果敢に戦いました。
女子クロスカントリーには今井美穂選手が出場し37位、BMXレーシングの畠山紗英選手は競技中に転倒して24位という結果になりました。
BMXフリースタイル・パークの大池水杜選手は終始笑顔で7位という好成績を残しました。
#BMXフリースタイル シーディングランが終了し、明日の決勝の滑走順が決定!🔥
— Tokyo 2020 (@Tokyo2020jp) 2021年7月31日
大池 水杜選手は女子パーク2番目、中村 輪夢選手は男子パーク8番目に登場!🚲✨@minato_oike#Tokyo2020 #オリンピック pic.twitter.com/f3TKwhxP7E
畠山紗英選手は、準々決勝で3回あるうちの第1ランで他の選手と接触し、激しい転倒をしてしまいました。レースを完走することができず、その後のレースも棄権しました。
画面で見る限り、左手がだらんとしていたので、骨折しているのかなと思いました。後から調べると、鎖骨を骨折していたようです。彼女は、私の住んでいる隣町の寒川町出身で、オリンピックに向けて調子が上向きだっただけにとても残念です。早く回復することを願っています。
畠山紗英公式HP
それぞれメダルを獲得した国は、クロスカントリー男子がイギリス、スイス、スペイン、女子は金銀銅をスイスが獲得しました。
BMXレーシング男子は、オランダ、イギリス、コロンビア、女子は、イギリス、コロンビア、オランダの順でした。
BMXフリースタイル・パーク男子は、オーストラリア、ベネズエラ、イギリス、女子はイギリス、アメリカ、スイスでした。
BMXになると、コロンビアやベニズエラの南米が入ってくるのが面白いですね。
まとめ
五輪大会開催中のほとんどは、秋田の山奥でネットで観戦していました。
東京では無観客という異例な大会となりましたが、選手たちはみな懸命に日頃の成果を競い合っていました。他の楽しみを削って練習しているのだから当然。つまり命をかけて打ち込んできたということ。
以前、オリンピックの無観客開催を提案しましたが、開催までかなり混乱していて、誰のための大会なのかを皆忘れているように思われました(もちろん、アスリートのための大会です)。
今回の大会ではネットによる動画配信があり、とても助かりました(テレビがないので)。
ただ、ネット配信では解説のないものもあり、場内アナウンスが聞こえないと全くわからないものがありました。うるさいと思って聞いていた解説も役に立っていたのだと気づいた次第です。
また、解説があっても途中、たしか放映権の都合でだったか、音声がある部分だけ突然消えることがあり、違和感を感じました。
自転車競技については、日本では現在もやはりマイナーな取り扱いだったように思います。やはり、メダルを取らないとマスコミなどは積極的に取り上げてくれませんね。
そういう意味ではトラック競技オムニアム女子の梶原悠未選手が獲得した銀メダルには自転車スポーツの普及にとっても価値があります。
BMXはレーシングもフリースタイルも次の大会でメダルを取る可能性が高い競技だと思いますし、トラック競技もいい線いくのではないでしょうか。
トラック競技の強豪国は、スケートの強い国と重なっているように思います。裾野が広がれば日本も強豪国の仲間入りも夢じゃないと感じました。
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では、このへんで
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