湯巡り帖
鶴の湯
また、本陣については次のとおり説明されています。
茅葺き屋根の本陣は二代目秋田藩主 佐竹義隆公が湯治に訪れた際に警護の者が詰めた建物として今では鶴の湯を代表する建物となっています。
茅葺きは数十年ごとに葺き替え(ふきかえ)という作業をします 生保内下高野地区からススキを刈り 一冬越してから神代梅沢地区の茅手(かやで)と言われる職人が昔ながらの作業をします。
葺き替えに出会えたのはラッキーだったようです。
乳頭温泉郷の鶴の湯温泉のHPはこちら
www.tsurunoyu.com
大釜温泉
次に向かったのは大釜温泉である。真っ黒な建物で、路線バスの終点「蟹湯」のひとつ手前にある。
表に小学校跡というようなことが書かれていて、見たところ昔の学校のような建物だ。
受付でスタンプを押してもらい、入り口からまっすぐ行った突き当たりが温泉で、男湯は右、女湯は左だった。
男湯の入口を入ると、4、5人の人たちがいた。表に観光バスが止まっていたのでその人たちだろうか。あたりを見回すと、田舎の銭湯のような趣である。
浴場の方に入ってもそれは変わらなかった。ただ、大きな違いは、湯の色が緑がかった茶色く濁ったお湯であることだった。入ってみると熱めのお湯で、暑いときにはさっぱりするのでありがたい。
扉の向こうに露天風呂があったので行ってみる。ここも濁っていて底が見えない。ゆっくりと足を入れていくと先に入っていた方が、
「そこの下はコンクリが割れているので気をつけてください」と親切に教えてくれた。
足を動かして触ってみると、確かにコンクリートが剥がれた破片がそのままになっていた。予算がないのかな、などと考えてしまったが、教えてくれた方も同じこと思ったのではないかと考えながら、お礼を言った。
露天風呂だけでなく内風呂と洗い場もコンクリートで作られているようだ。浴槽の縁は四角い石が並べられていて、洗い場には形の異なる平な石が嵌め込まれている。浴場の壁や天井は古びた木造でなかなか味わいがある。
もう一度内湯に浸かり、それから銭湯のような洗い場で体を洗うと気持ちまでさっぱりした。
湯からあがり、バスを待つ間に表の説明書きをよく読んでみると、ここに小学校があったのではなく、建物が焼失したときに、廃校となった建物を移築復元したものだという。
また、入りはしなかったが、玄関脇の外に足湯があり、誰でも自由に入ることができる。
バスを待つのに、ちょうど木陰にある木製のベンチに腰掛けたが、アリが足から這い上がってくるのには閉口した。そのため、小さな東屋に移動する。日陰に腰掛けると高原の風が爽やかに吹き抜けていった。
* * *
大釜温泉の泉質は酸性で、慢性皮膚病やリウマチ・神経痛などの効能があるそうです。茶色いのは鉄を含んでいるからだと思います。
説明文を読むと、男女とも内湯が1、露天風呂は2となっています。ただ、露天風呂は同じ場所に並んで大小の浴槽がありました。
入浴時間は9時から16時半まで、定休日は無いそうです。
大釜温泉ホームページの説明によれば再建の経緯は次の通りです。
昭和52年(1977年)、現在の場所にあった温泉旅館が焼失。ちょうど校舎の建て替えのため取り壊されることになった秋田県由利本荘市の子吉小学校を建築資材として譲り受け、再建いたしました。
こうして生まれ変わった温泉旅館は、木造校舎のイメージを大切に守り続け、どこか懐かしくゆったりとした空気が流れています。
暑い日で、家内はアイスが食べたいと言っていましたが、残念ながらアイスはどこにも売っていませんでした。
今回はここまでです。
次回、我々が回った残り2ヶ所を紹介します。
では、このへんで
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