黒湯温泉5日目、今日も湯めぐりだ。
今回は湯めぐり2日目である。
前日は2ヶ所を巡った。
いっぺんに何ヶ所も回る人もいるようだが、温泉は意外と疲れるものなので、年寄りには2ヶ所くらいが丁度いい。
ということで2日目も湯めぐり号に乗って温泉を2ヶ所回った。
妙の湯
妙の湯は乳頭温泉郷のなかで日帰り入浴の料金が800円で一番高い。
湯めぐり帖を使うならお得である。単にそういうケチケチ根性でこの温泉を選んだ。
ここは、昨日入った大釜温泉から少し下の一番下った場所に流れている川のほとりに建っている。入浴料が他より高いだけあってホテルと呼びたくなるような綺麗な建物だった。
入り口を入ると誰もいなかったので、大きな声で声を掛ける。すると番頭さんといった感じのひとが現れた。
湯めぐり帖を見せると棚からスリッパを出してくれた。そしてビニール袋を渡され、靴は持っていくようにとのこと。それから丁寧にスタンプを押してくれた。
通路をまっすぐ進み右に曲がるとトイレがあり、そこを左に曲がり、再び右に曲がると浴場がある。そのまん前に暗証番号でロックする貴重品ボックスがあって、ありがたいことに無料で使える(暗証番号を忘れないように気をつけなければならないが)。
手前が男湯、奥が女湯で(日替わりになっているそうだ)、入口を入ると脱衣場になっている。面白いのは浴場への入口が脱衣場の入口近くにあり、扉が普通の大きさの扉で向こう側が見えない。メガネを外していたので、近づかないとよく分からなかった。
浴場に入ると、正面に洗い場があり、ひとりずつ仕切られている。入り口からすぐの右手に「銀の湯」と書かれた少し小さめの(といっても広いが)透明の湯があった。
さらにその奥には「金の湯」と書かれた大きな(銀の湯の3、4倍はあろうか)浴槽が広がっている。
建物に囲まれているが、ここはどうやら露天風呂のようだ。
金の湯は濁り湯で、日によって色が変わるそうだが、この日は薄茶色、まさに金の湯であった。
この金の湯の横を通っていくと、洋風の鉄扉があり、そこを抜けると左に混浴露天風呂、右に女風呂と書かれている。
混浴露天風呂の方へ行くと、堰堤から流れ落ちる川が見え、川の淵に金の湯があった。絶好のロケーションで、川音がすぐ近くに聞こえる。これはたまらない。最高に気持ちがいい。
後ろを見ると違う浴槽に誰かが一人入っていた。そこには屋根がかけられていて、川の反対側だけに壁があった。もう一度振り返るといなくなっていたので、そちらにもいってみる。そこは銀の湯で透明なお湯だった。温度はぬるめだった。
横を見ると、菅笠がかけられている。おそらく雨の日に金の湯に入るためだろう。なかなか細かいところにまで気が配られていると感じた。
* * *
入浴時間:10:30〜14:00 (早くに終わるので要注意)
泉質:金の湯・・・酸性・カルシウム・マグネシウム・硫黄塩泉
銀の湯・・・単純泉
入浴施設:内湯 男女各1、露天風呂男女各1、混浴露天風呂1、寝湯(露天風呂)
*日替わりで男女の入れ替えあり
入浴料金:800円
定休日:火曜日(祝日の場合変更あり)
蟹場温泉
蟹場温泉は路線バスの終点である。
初めてここに来たときに降りたところで、湯めぐり号でも折り返し地点となり、なんとなく親しみが湧いていた。
玄関を入ると右手に売店兼フロントがある。そこで湯めぐり帖にスタンプを押してもらい、温泉のある場所の案内をしてもらう。
内湯と女性専用の露天風呂は右手、混浴露天風呂は左手で、混浴に行く場合は靴を持っていくように言われた。
ろくに調べもしないで来ているので、よくわけがわからず、とりあえず右手に行く。
宿泊棟の部屋の前を抜けて扉を出ると、渡り廊下になっていて、この廊下の左側に温泉の建物が並んでいた。
女性専用の露天風呂、女性の岩風呂、木風呂と続き、そこに小さなベンチが置いてある。その先に男の岩風呂、どん詰まりに男の木風呂がある。
岩と木のどちらに入ろうか迷って木風呂に入った。他の湯に行くにはまた服を着て行かなかればならないのが面倒だったので他の湯には行かなかった。隣同士なので、行き来ができたら便利なのに。
ただ、木風呂は一番端なので窓の外からバス停や駐車場を眺められ、開放感があった。
木風呂は全てが木製で清潔感のある浴場だった。お湯については無色透明だそうだが、記憶は曖昧であまり覚えていない。先程の妙の湯に長く浸かったので少々疲れていたのである。
なお、木風呂は全体が秋田杉で作られているとかで、見ているだけで癒される空間であった。
ほぼ同じときに入った男性は、すぐに服を着て温泉のはしごをしていたようだ。ロビーで休んでいるとその男性がやってきて靴を持って反対側の扉を出ていった。
そちらの方を見ると、小道が続いているのだけが見えた。露天風呂は割と離れたところにあるようだ。後から写真を見ると、ここも「ザ・温泉」といった感じの趣のある温泉である。
気になる方は、ぜひホームページでご覧いただきたい。
* * *
ホームページによると、混浴露天風呂は、50メートルほど先の林の中にあり、「唐子の湯」というそうです。
女性専用時間帯があり、19:30〜20:30になります。
逆に女性専用露天風呂のこの時間帯は男性専用になるそうです。
また、岩風呂にはヒバの寝湯があるそうです。
泉質:単純硫黄泉 辛子湯については重曹炭酸水素泉
入浴施設 内湯:男女各2
露天風呂:混浴1 女性専用1
入浴料金:600円
定休日 無休
もう一度黒湯
蟹馬温泉から帰ると午後4時。もう温泉に入る気はしないので、少し横になる。
夕食は、持ってきた食材をできるだけ食べ切るようにしたいのだが、家内の好きな湯葉を大量に持ってきていたので、無理して食べることになった。
翌朝も昨夜の残り物(湯葉)で朝食を済ませる。
黒湯は7時から8時までが清掃の時間なので、朝食を食べて片付けた後にこの旅最後のお湯(下湯)に浸かりにいった。
もう一度じっくり室内を眺め回す。ここに長くいたせいもあるかも知れないが、秘湯を感じさせる黒湯の雰囲気やそれなのに野趣すぎないところがちょうどいいように感じた。
名残惜しいままお湯から上がり、管理棟で精算を済ませる。湯めぐり号で帰るというと、荷物を上のバス乗り場まで運んでくれた。
湯めぐり帖は有効期限が一年ある。
残すは休暇村乳頭温泉郷と孫六温泉だ。
さて、来年はどうしようか。
まとめ
初めての湯治、初めての自炊旅であった。
どうなることかと思ったが無事(喧嘩もせず)に帰ってこられた。
自炊で一番困るのが食材の調達だ。玉川温泉には多少の食材は売っていたが、黒湯にはなかったし、他の乳頭温泉郷の宿にも置いていなかった。
車があれば、田沢湖駅まで1時間で買い出しに行ける。しかし、バスで行くのは面倒である。
その点、乾燥食材はたいへん軽くて役に立った。
それでも卵や野菜くらいは買えるのが理想である。
それから初めから期待はしていなかったけれど、皮膚炎については特に改善は見られなかった。
また、一日中温泉しかなくて飽きるのでは無いかと思ったが、今回は地熱の岩盤浴や登山、それに湯めぐりをしたのでそんなことはなかった。
ちなみに湯めぐりをしたため乳頭山には登らなかった。それに登山者は皆しっかりとした装備で来ていたので気遅れしたことも事実である。
それからコロナ感染者が増えている中、県外からの客にも嫌な顔せず迎えてもらえたことはありがたかった。
今後も感染対策をしっかりとしながら営業を続けてもらいたいと思う。こうした昔から続く温泉宿がなくなってしまったら、再び営業することは難しいだろう。
湯治という伝統を絶やさないためにもがんばってもらいたいものだと思う。
今回で秋田旅行についてはおしまいです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
では、このへんで
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