5月20日(月)、晴れ むつ市から横浜町 47.61キロ
朝、テントの露を雑巾で拭きながら、昨夜聞いた恐山にバスで行ったという話を思い出しました。よし、自分も行ってみよう。
調べると、駅(下北)に行かなくともバスターミナルの方が近いようです。バスターミナルで乗車券を買い、出発までに時間があるので近くの代官山公園に行ってみます。ここは南部藩の代官所があったそうです。そこで自転車を整備し、公園を出てからコンビニで少し充電をしました。
ターミナルで自転車を停めさせてもらい、バスに乗ります。
バスはどんどん山の中に入っていき、「自転車で来ていたら大変だな」と思いました。バスは一度、恐山冷水のところで休憩が入ります。皆降りて運転手の説明を聞きました。
バスはどんどん山道を登っていき、明るいところへ出るとそこはまるで異界。昔の人が、あの世とこの世の境のように感じたのもわかります。そして多くの修験者が参拝にやってきたのはここに温泉があったことも大きかったとか。
10時、晴れ渡った空の下、恐山の門をくぐります。壊れた側溝には硫黄で黄色くなった水が流れています。まっすぐ行くとそこに男湯と書かれた建物がありました。
昨日の若者が言っていた温泉とはこれだなと思い、自分も入ってみることにします。
素朴な作りで、中は脱衣所と湯船があるだけ。特別な場所でしかも観光地のど真ん中でたったひとり温泉に浸かっているというシチュエーションに興奮しながらゆっくり温まりました。そして服を着ている時、観光客が扉をあけて中をのぞいてきました。どうやら中国か台湾かの人(女性)みたいです。
そのあと、境内の地獄めぐり。岩がゴロゴロしている荒野を巡ります。奥の院に行くと怖い顔をした不動明王が鎮座していました。
左回りに一周していくと湖の辺りに出ます。乳白色の水の色で本当にあの世を歩いているような気持ちになってきます。
一周を回り終え、バスから降りた場所に戻ってきました。そこの食堂でカレーライスを食べ、次の13時のバスが来るまで待ち合室で過ごします。みなそれぞれにくつろいでいます。天気は良かったので文句は言えませんが、やはり今日は暑い。しかし、来て良かった。来てみないとこの空気感は味わえませんでした。
恐山はまさに三途の川の入り口で地獄と天国の分かれ道。死ぬときはこんなところを歩いて三途の川を渡るのだろうか。三途の川は小さくて、そこに小さな橋がかかっている。だから人は簡単にあの世へ旅立つことができる。もし、渡るのが大変だったらならば、諦めてこの世に戻って来てしまうだろう。
バスは30分ほどでターミナルに到着。日光で熱くなった自転車に乗り、今度は下北半島の陸奥湾側を南下します。道はほぼ一直線。そしてずっと平らです。
菜の花畑を通り、今日のキャンプ予定地へ着くがどうもおかしい。公園なのに何もないばかりか、泥濘みにダンプカーの轍ができています。ここに何かを捨てに来ているのでしょうか。
何れにしても気分が良くありません。そこで、近くの風車の下が広くなっていたので近づいてみると「ここは危険」との看板が。それに風車の下って唸るようなすごい音がするものなのですね。びっくりしました。
新しい寝ぐらを探してみますが、この辺りには見つかりませんでした。仕方なく、公園でもなんでもない文学碑の近くにテントを張りました。線路がすぐ近くだったので、電車が脇を走って行きました。そしてその向こうには海。
では、このへんで。
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