5月19日(日)、晴れのち曇り（やませ） 風間浦村下風呂からむつ市 69.08キロ
出発して1時間半くらいで大間崎、本州最北端にやってきました。
写真を撮っていると、自転車で北海道を走ったという男性が話しかけてきました。
「1日何キロくらい走るのですか」
「平均すると60キロくらいですかね」と答える。すると
「意外と少ないですね」とのこと。
「途中いろいろ寄っているとそんなに走れないのですよ」と、なんか言い訳みたいになっちゃいました。
そんとき、ひとりのロードバイク乗りの男性が、いま到着したという感じでやって来ました。挨拶をすると、
「先週の土曜日に東京から来たんですよ」とのこと。
「1日何キロくらい走って来たのですか」と訊くと
「120キロくらいになりますね。今日の新幹線で帰ります」という。
極端に荷物が少ないので尋ねると、ビジネスホテルに泊まって、洗濯して最小限の荷物にしたのだそうだ。荷物も自転車も違うけれど、ずいぶん走るものだと感心しました。その方は50代半ばくらいの方で「一週間走りっぱなしで疲れたー」と言ってくれたことにちょっと救われる思いがしました。
大間は、映画「魚影の群れ」の舞台になったところなので、港の方に行ってみます。
残念ながら、映画は見たことがある程度で港に行ってもどこがどこだか全くわかりませんでした。
大間港にはイカ釣り船団の漁船が係留されていて、前年家族で行った函館から見たイカ釣り船の漁火が綺麗だったことを思い出していました。
それから来た道と同じ道を戻り、昨日夕食を食べたお店でお昼を食べました。なお、昨日イカフライを食べたと言いましたが、実はイカフライはこのときで、昨日はカキフライの間違いでした。まあ、どちらでもいいですね。
しばらく行くと、坂の途中に車を停めて、外に立っている母子が目に入りました。近づいて行くと、向こうからもこちらにやって来ます。すると「頑張って」と言ってスタミナドリンクを２本手渡してくれました。地元の方らしく「かっぱの湯という温泉がいいからよかったら行ってみたら。足湯はタダで入れますよ」と教えてくれました。
車が行ってしまってから地図を見ると、この先を右に入って行くとその温泉はあるようでしたが、山道が大変そうなので、そちらには寄りませんでした。それでなくとも今、この道はすごい上りで大変です。
15時少し前に、峠の上に「石神温泉」のかわいい看板を見つけました。時間もあるので入っていくことにします。するとなんとコインランドリーが併設されていました。
そしてこの温泉が、強烈に印象に残る温泉でした。それは、湯の熱さです。飯坂温泉の鯖湖湯にはかないませんが、それでも相当に熱い湯でした。けれどおかげでサッパリ。湯上りにアイスキャンディーを食べ、嵐山光三郎の芭蕉紀行を読みながら洗濯が終わるのを待ちました。
そこから30分もしないうちにむつ市内。今日はここの公園にテントを張ります。夕食を作って食べていると、自転車仲間がやってきました。その若者は昨日もここにテントを張ったそうです。聞けば、私と同じ大間まで行ってきたそうです。けれど、彼はここから往復してきたわけで、100キロ近く走ってきたことになります。さすがに彼は疲れたと言っていました。
「これからどっちにいくの」と聞いたら、
「北海道はまだ季節が早いので、新潟までいくつもりです」
「それなら私と同じだね」
彼は、この旅のために自転車を買ったそうで、ロードバイクでした。後ろに荷台を取り付けてパニアバッグをつけていました。彼曰く「後ろにだけ荷物があると前が浮いちゃって」なのだそうだ。「秋田にショップがあるので、前にもバックを取り付けてもらおうと思ってるんです」とのことでした。
そして、昨日は恐山にバスで行ってきたという話をしてくれました。「入山料を払うと中にある温泉にタダで入れるんですよ。観光客が覗きに来るのであまり入る人はいないみたいですが。せっかく行ったので自分はしっかり入ってきました」ということでした。
そして彼は、暗い中でテントを張っています。
では、このへんで。
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