5月14日(火)、晴れ 盛岡市から一戸市 71.82キロ
盛岡を出発し、Y字路を右手に入ると自転車を漕いでいる学生がいます。少しすると今度はこちらを追い抜いて行きます。自転車通学とは偉いな、どこの学生かな。すると岩手県立大や盛岡大などの看板がありました。県立大入口の交差点にあるコンビニで昼食のおにぎりを調達します。
道の駅石神の丘に入り、昼食をとろうとしていたら、40歳くらいの女性の方が寄って来て、
「日本一周ですか、どこからですか」と話しかけてきました。
その女性はトラックの運転手で、「昨日盛岡で見かけて、さっき道の駅に入るところを見たので」と声をかけたのだそう。
「私は神奈川の横浜」というので、「わたしは海老名です」と答える。
声をかけてくれるというのは嬉しい。力がでる。さきほども、コンビニで声をかけてくれる人がいました。嬉しい。あたたかい声に疲れも吹き飛びます。
午後も暑く、その先も坂が続きます。長い坂を登りきったところにちょうどコンビニがありました。すかさずアイスキャンディーを手にとりました。
一戸の手前で旧朴舘家(きゅうほうのきだてけ)入口の案内板がポツンと建っているのを発見。面白そうなので、近ければちょっと寄ってみようかと思い幹線道路を右に入ると、田圃が道路の両側に広がっていて、左奥にはすぐ山が迫っています。
たまたまそこで農作業をしている人がいたので場所を尋ねると、この先200メートルくらいだということなので行ってみることにします。
左にカーブし、右手の坂を登った奥に立派な古民家が建っていました。人はおらず、中を自由に見学することができます。古い面なども展示してあり、豪農ぶりが伺えます。とても貴重な文化財だと思いました。
今日は一戸にある公園で泊まろうと思います。一戸の少し手前に御所野縄文公園というのがあり、ちょっと寄ってみます。もう閉館間際でした。入口付近だけ覗いて周りを見回しましたが、ここにはテントを張れそうな場所はありませんでした。
これまでで分かったこと。それは、開園時間のある公園にはテントは張れないということ。門が閉まってしまうんですね。だから石巻のときのように運動公園もダメですね。
さらに進んで一戸の街の中にある公園に行ってみると、広くて良い場所なのですが、街の真ん中で遮るものがほぼなくて、どうも居心地がよくありません。けれど、もう他に探している時間もないので、いちばん目立たない場所にテントを設営。夕食の準備を始めます。
すると、一人の男性が近寄ってきて、「この公園は良い公園でしょう。どこからきたんですか」こちらも少し緊張して、「ええ、いい公園ですね。神奈川から日本一周中なんです」と答えると、「神奈川ですか、私も最近まで神奈川の秦野にいたんですよ」とのこと。定年後しばらくして故郷に帰ってきて、いまはたいしてお金にはならないけれど、この公園の管理をしているのだそうです。
なるほど、それで不審な人物(わたし)を確認しに来たのだな、と思いました。けれど、公園の手入れなどをすこし自慢しただけで「じゃ、気をつけて」と去って行きました。内心、ここにテントなんか張られたら困りますと言われるんじゃないかとヒヤヒヤしてました。
今日は昼間ずっと気温22度位で暑かったのに夜は冷えます。寝袋の中にダウンジャケットを入れてそこに足を突っ込んで寝ました。明日は山を越え、太平洋側へ抜ける予定です。
では、このへんで。
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