ブックカバーチャレンジ4日目
書名 : 僕って何
著者 : 三田誠広
私が高校を卒業した年の1977年に芥川賞(上期)を受賞した作品です。
大学受験に失敗して就職するまでの短いモラトリアムのときにこの本に出会いました。
若い方は知らないでしょうね。同年代の方は懐かしいと思ってくださるでしょう。
もうすこし上の世代の方なら、柴田翔氏の『されど われらが日々ー』のほうが懐かしいかもしれません。
どちらも学生運動を題材にしている点が共通していますが、『されどー』の方は・・・読んだという記憶しかありません。
残念ながら(といっていいのかわかりませんが)、学園紛争があった時代よりも後の世代の自分にとっては、その時代を肌で感じることはできませんが、たびたびニュースで目にする東大闘争など良きにしろ悪きにしろ若者に元気があった時代に、無関心でもいられず、かといってゲバ棒を持つ気にもなれない「僕」が自分と重なり、「自分と同じようなひとがいる」と、それだけで安心感を得られた気がしました。
本には読む時期というものがあって、その年代に読むとストレートに伝わってくるという本があるものです。
ちなみに著者のお姉さんは役者の三田和代だそうです。