Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

雲の中を歩く 【八幡平】

早池峰山に登った翌日は、八幡平に向かう。

早朝の盛岡は快晴。

このまま晴れていてくれ。

今日はレンタカーではなく、路線バスに乗っていく。

1日1便なので乗り遅れないように気をつけよう。

 

茶臼岳から登り始める

盛岡駅

盛岡2日目、鉈屋町のゲストハウスから盛岡駅に向かう。

快晴。

やったー! 晴れだ。

駅前で朝食を食べ、9時10分発のバスに乗る。

5分前にバス乗り場に行ったところ、もうすでに乗客が乗り込んでいた。どうやらぼくが最後の乗客らしい。

 

座席は二人席が並んでいて、そこにほぼまんべんなくひとりずつ座っている。空いている席にはたいていザックが置かれていた。足元にザックを置いてくれている若者の隣に声をかけて座る。途中、3、4人が乗ってきて、あとはそのまま八幡平に向かった。

 

ただ、直接八幡平に向かうのではなく、寄り道をするため、同じバス停で2度休憩があった。終点の八幡平頂上バス停までは約2時間の行程である。

 

ぼくは終点の少し手前の茶臼口で下車した。ここで降りたのは6、7人だった。残念ながら、バスが登っていくにつれて天気が怪しくなり、とうとう雲の中に入ってしまった。

 

11時14分、軽く準備運動をしてから車道を少し登って脇道に入っていく。山道の脇では盛りを過ぎた花がぼくを出迎えてくれた。

 

茶臼岳登山口

あいにくの天気になる

ヤマハハコ

茶臼口下車組で先頭を切ったのは一人の若い男性で、次がぼくと同年代の男性二人組。その次にぼくが行き、その後に中年の女性が続いた。

雲の切れ目に裾野がのぞく

はじめは草地の狭い山道で傾斜が緩かったが、ところどころに急な斜面が現れる。そこにくると、前をいく男性の歩みが途端に遅くなり、息を切らせている。急かしているように思われないために少し離れて待っていた。

 

振り返ると、ソロの女性がしっかり間隔をとりながらついて来ていた。

 

しばらくして、前の男性の一人が道を譲ってくれた。もう一人はつぎの急斜面の手前で道を譲ってくれた。礼を言って登っていくと、後ろを行く女性もすぐに後について来た。なかなか早い。しかもぼくよりも大きなザックを背負っている。

 

女性はぼくに近づきすぎないように適度な間隔をとっていた。それはこれまでたくさんの山に登っていることを感じさせた。すぐにぼくもその女性に道を譲ることになった。

 

ぼくの前を進んで行くとすぐに姿が見えなくなった。やはり早い。

 

そのうちに先頭で登山口に入っていった若者に追いつく。休憩をしていたので追い越して進む。11時50分、茶臼山荘に着いた。

 

茶臼山荘

そこから5分ほどで茶臼岳に登頂。そこにさきほどの女性もいた。

「全然見えませんね」

そう、声をかけられる。こちらも「ダメだと思ってましたがやっぱりダメですね」と応じる。

 

茶臼岳山頂

茶臼岳山頂より

茶臼岳からふたたび山荘に戻り、ここでトイレを使わせてもらう。トイレは小屋の中にあり、しかも水洗であることに驚いた。とても清潔だ。

 

さきほどの女性もぼくの後からトイレに行ったようなので、先に進んでいった。

 

 

雲の中を歩く

そこからの道はこれまでとは違い、低木の樹林帯の中を行く、平坦で凸凹の岩が敷かれているような道で、窪んだところに水が溜まっていた。滑りやすいので慎重に足を置いていくが、やはりときどき滑ってしまう。

 

地図上では楽そうに思えたが、とても歩きにくく、ずっと気を張り詰めていたために結構疲れてしまった。

 

12時35分、黒谷地湿原展望デッキに到着。ここで少し休み、カロリー補給をする。

少し雨も降り出したので、ウインドブレーカーを脱いでレインジャケットを着た。ウインドブレーカーは、ずっと雲の中を歩いていたのでかなり湿ってしまっていた。

 

そろそろ歩き始めようと思っているところに先ほどの女性もやって来た。会釈をして先に行く。その後、その女性には追いつかれず、帰りのバスにもいなかったので別ルートを行ったものと思われる。

 

茶臼岳から黒谷地湿原に向かう

黒谷地湿原に入る

木道が現れる

黒谷地展望デッキ

 

深田久弥氏は、「日本百名山」の中で次のように八幡平について書いている。

「八幡平の真価は、やはり高原逍遥にあるだろう。一枚の大きな平坦な原ではなく、緩い傾斜を持った高低のある高原で、気持ちの良い岱を一つ横切るとみごとな原始林へ入ったり、一つの丘を越すと思いがけなく沼があったりして、その変化のある風景が面白い。」

 

さすが文筆家である。まさにその通りで、ぼくはいま原始林から湿原を通り、再び原始林の丘を越えているところである。次には沼が待っているはずである。丘に登っても景色は見えなかったが、雲の中を歩くのもオツなもので、ぼくはまさに雲の中を逍遥していた。

 

丘を登る

展望はゼロだった源太森

 

ガマ沼から八幡平頂上へ

沼地の端にやって来る

丘を下ると再び湿原になる。ここからは木道が雲の中に続いている。左手には八幡沼があるはずだが全く見えない。やがて右手に池塘がいくつも現れる。

 

ここではたくさんの人とすれ違う。また、ガイドが10数人連れて説明をしている。

やがて、小屋が見え、その下にガマ沼が見えた。

木道が雲の中に伸びていく

現れた池塘

池塘の説明書き

幻想的な風景

少し晴れてきて、八幡平頂上らしいものが見えて来る

陵雲荘という山小屋

ガマ沼がひっそりと横たわる

ガマ沼に着くとだいぶ霧が晴れてきた。どうやら雲を抜け出たようだ。ガマ沼の小高い縁は広い展望台になっていてベンチなどが置かれているが、今日は連休前の金曜日でしかも小雨混じりの天気のため人は少ない。

 

それでもこれまでの道ではほとんど人と会わなかったので、人が大勢がいるように感じた。この展望台からひと登りするとさらに高い場所から沼が見下ろせる。

 

そこから左に下っていくとバスの発着所になり、右手に行くと八幡平頂上だ。八幡平頂上に続く道は石畳の広い道で登山という感じではなく遊歩道という感じである。

 

そして数分も歩くと目の前に八幡平と書かれた大きな柱と展望台が見えて来る。

征服というものとは全く異なった八幡平登頂。ただ、ゴールに着いたという思いだけがあった。

 

八幡平頂上

www.hachimantai.or.jp

 

最後に

八幡平頂上からは20分ほどで頂上バス停に到着する。バスの出発は14時55分なので35分ほど余裕があった。雨は上がっていたがちょっと冷え込んできたため、買ったばかりの化繊のミドルウェアを着る。そして暖かい缶コーヒーを飲んだ(缶は持ち帰り)。

 

バスが走り始めると、一瞬雲が切れて南側の裾野が見えた。

岩手山と秋の空

バスが下っていくと空は少し明るくなり、岩手山が見えた。「ああ、いい山だな」。夏に登った時のことを思い出す。

 

八幡平は紅葉の盛りまでは後少しという感じだった。今回はずっと雲の中にばかりいたために八幡平の大きさを感じることはできなかったのが残念だった。

 

しかしながら、盛岡の街は美しく、そして昔の建物を大事に今も使い続けている人たちがいた。こうした自然な景観はとても感じが良い。そして盛岡名物も味わうことができ、酒屋の角打ちにも行けた。また、遊びに来たいと思った。

じゃじゃ麺(ともかく混ぜる)

ひっつみ(四角いすいとん)

冷麺(ピリ辛あっさり)

角打ちの酒屋(翌朝の風景)

街の水場

夕暮れの仙北町

 

では、このへんで

 

 

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