骨折のリハビリ
前にこのブログで書いた通り、2019年5月26日、自転車日本一周の旅の途中で転倒し、骨折してしまった。そしてしかたなく自宅へもどり療養することになる。
手術をして痛みがあるうちは何もする気にならなかった。けれど、動かさないかぎりは数日で痛まなくなる。なるべく早く、怪我をする前と同じように腕を動かすことができるようになるためには、ギプスをしていても動かせるところは動かす訓練(リハビリ)をする必要がある。動かせるのは手のひらくらいなのだが、幸いにも痛みはなかったので一生懸命グーパーをしていた。
ツール・ド・フランス
ところが暇である。毎朝散歩はしていたけれども一日中歩いているわけにはいかない。そこでユーチューブで面白そうなものを探した。ちょうどその頃ツールドフランスの真っ最中だった。今まで自転車には乗ってきたけれど、自転車のロードレースには興味がなかった。しかし、ツール・ド・フランスはそんな私でも知っているロードレースである。そしてユーチューブではハイライトで面白いところだけを流している。そうしたらこれにはまってしまったのである。しかもこのレースは1か月近く(途中2日の休養日を入れて23日間)続き、毎日最新の映像が流れるのである。
今年(2019年)のツールドフランス(と言ってもちゃんと見るのは初めてだけど)は中盤をフランス人のジュリアン・アラ・フィリップが連続してマイヨジョーヌを獲得した。マイヨジョーヌというのはその日のレース終了後、これまでのタイムの累計で一番早いものが獲得するのだそうだ。マイヨジョーヌを獲得すると黄色いジャージが与えられ、翌日はそのジャージを着て走るから誰が総合トップで今どこを走っているかが誰でもわかる。その黄色いジャージを14日間(実に全期間の3分の2)も守ったのですっかりジュリアン・アラ・フィリップの名前を覚えてしまった。
そんなわけでロードレースにはまってしまったわけである。ついでにツール・ド・フランスはステージレースと呼ばれ、グランツールのうちの一つであることもわかった。ステージレースとは何日もかけて長い距離を走るレースのことで、その中でも特に期間と距離が長いジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャをグランツールというそうだ。逆に1日だけのレースはワンデイレースといい、その中で歴史のあるレースをクラシックレースというらしい。クラシックレースで特に古いのはパリ〜ルーべでこれは石畳の上を走るので有名なのだそうだ。
(出典:ウキペディア・コモンズ)
2019総合優勝のエガン・ベルナル
自転車映画
次にユーチューブで見たのはアニメの「弱虫ペダル」これはロードバイクに乗ったこともない主人公が高校に入学してからロードレースで活躍する物語だ。ストーリーが面白い上にロードバイクやロードレースの勉強になった。するともっともっとロードバイクについて知りたくなり、ロードバイクやロードバイクの様々なイベントなどを紹介をするユーチューバーの動画を見るようになった。なにせ暇である。こうやって毎日毎日肘のリハビリをしながらテレビ画面(時にはパソコン)を見続けていたのである。頭の片隅には定年後何をするでもなくただテレビを流し続けているおっさんの後ろ姿が目に浮かび、「濡れ落ち葉」とういう言葉が浮かんできた。そして、「いやいや、俺は療養中なんだ」と言って聞かせる自分がいた。
ユーチューブをほどんど見尽くすと次は自転車の映画をアマゾンのプライムビデオで探してみた。まずは若い頃に見て印象に残っている「ヤングゼネレーション 」。これはロードバイクに魅せられた青年の物語だったと思うが、風を切り道路を走り抜ける姿がとても爽やかだったことを覚えている。そして、なぜかサイクルキャップが印象に残った。あいにくこの映画はDVDのみだったので他のを探す。日本映画で確か「メッセンジャー」という草彅くんが主演したやつがあったはず。しかしこれもDVDのみ。自転車関連で検索して「海すずめ」「疾走スプリンター」「南風」というのがあったのでこの3本を見た。ついでに「弱虫ペダル」の映画版もあったのでこれも見た。「海すずめ」は自転車で宅配サービスを行なっている図書館の自転車課の話。「疾走スプリンター」は香港のプロロードレースチームの友情と三角関係の恋の話。「南風」は台湾と日本の共作で日本人女性の雑誌記者と台湾の少女が取材をしながら数日間サイクリングをする話。「疾走スプリンター」以外の2本は町おこし的な映画だが、そこそこ楽しめた。
ロードバイクが欲しくなる
そしてとうとうロードバイクに乗りたくなったわけである。
しかし、そんなときに山形、新潟で強い地震が発生。なんと日本一周中の秋田で転んだ後に走ったところではないか。もしもあの海岸沿いのキャンプ中に地震が発生していたら大変なことになっていた。と、思いつつもこころはロードバイク。地震以外のニュースにはほとんど関心を持てなかったのである。
そうしてどんなロードバイクを買おうかといろいろ調べ始めたわけであるが、そのことはいずれまた。