高田のゲストハウスの朝、オーナーの大学時代の教授とその研究室の学生さんたちと少し話をしました。
大学教授は1年間休みをとってアメリカを車で旅して最近戻ったばかりだそうで、戦後アメリカ人が個人的に撮った写真を探して回ったということでした。そういう研究をしているようです。面白い先生で学生から慕われているようでした。
学生のひとりは十日町に通って、村落で大切にしている行事を人々がどのように守っているか、その裏方に焦点を当てて取材するなどのフィールドワークを行っているとのことでした。この話をするとき、それまで無口だった青年が急に雄弁になり、とてもいきいきとしているのが印象的でした。
話のあと、徒歩で少し街を散策しました。
高田の町は城下町で、町屋では雪よけの軒を連ねています。これを雁木(がんぎ)といい、雁木の町として保存しているようです。豪雪地帯なんですね。不便もあるでしょうが、こうして保存している住民の方々の努力のお陰で昔からの生活ぶりを垣間見ることができました。
次の目的地の能生までは距離が短いので高田でゆっくりしてから出発しました。
数日前の予報では雨だったので、移動距離を短くしたのですが、今朝の予報は晴れ。しかし散策中ににわか雨。雁木のおかげで濡れずにすみました。
まったくこの辺りの天気予報はあてになりません。しかし、その後晴れてくれたので助かりました。
海岸に出て少し行った久比岐というところから糸魚川まで、自転車歩行者道が続いています。車が通らないので安心して走れます。おまけに専用の小さなトンネルがいくつもあり、起伏があまりないように道が作られています。ここはとても走りやすく、楽しい道路でした。
能生でもゲストハウスを予約していました。その時はあまり場所を意識していませんでしたが、ナビに入れてみると海岸線から10キロちょっと山の方へ入ったところにあります。小さな扇状地のようなところの奥の方でした。最後に坂道を頑張って上りようやく宿に。ところが鍵がかかっていて誰も出てきません。
では、このへんで。
【データ】
11月6日(水)、曇り時々晴れ 上越市高田から糸魚川市能生 47.71キロ
(ここで一句)
高田城公園にて
敗荷(やれはす)の濠に波紋の膨らみぬ