私が行った自転車日本一周の旅では、ライダーハウス、ゲストハウス、ビジネスホテル、旅館、民宿など様々な宿に泊まりました。
そのなかで、親切が嬉しかったおもてなしの宿ベスト3とご迷惑をおかけして親身に対応してくれた、私にとって特別な宿をご紹介します。
どこもリーズナブルな価格帯のお宿ですので、自転車やオートバイの旅などでの宿泊先の情報の一つとして参考にしていただけたら嬉しいです。
【目次】
1 新発田市の民宿旅館「松原館」
新潟県村上市の碁石海岸から日本海沿岸を南下し、笹川流れという県下有数の景勝地を抜けて、ひたすら真っ直ぐ進みます。秋田で転倒し紫色に腫れ上がったままの腕に負担をかけないように。
午後から雨の予報。その日の朝に宿を探して、どうにか新発田市に宿を見つける。
予報どおり午後から雨が降り出し、サイドにつけたバッグが路肩の草を撫でていきます。雨の中をようやく宿に到着。そこは、いかにも田舎の旅館といった感じだけれど、近づくと意外と大きいのに驚く。声をかけると女将が現れ、受付を済ませると風呂場や食事の説明をしてくれた。
そのあと玄関先で、濡れた荷物を雑巾で拭いていたら、こんどは大女将が現れて、「荷物が多くて大変でしょう」と上の部屋から1階の玄関に近い部屋に変えてくれた。自転車も「屋根のある場所に停めなさい」と言ってくれて、玄関前の庇の下に移動。大女将の親切がとても嬉しい。出発する時も荷物を載せ終わるまでずっと玄関にいて見送ってくれた。
目の前の国道113号線は車やオートバイにとっては走りやすく、もし天気が良かったら眺めも良くて最高でしょう。ただし、自転車の場合は(歩く人も)、歩道も少なく路肩も狭いので車に気をつける必要があります。
食事は、海の幸がたっぷりでボリューム満点です。
コインランドリーもあります。
なお、4月から10月までツーリング割引があるそうです。
場所、行き方等
場 所:新潟県新発田市藤塚浜1154
行き方:日本海沿岸東北道中条IC―国道113号―藤塚浜 (車で約15分)
地図
「松原館」のホームページ
2 北九州市小倉のビジネスホテル「リコホテル小倉」

ホテルの前に立った時、格安の普通のビジネスホテルといった印象だった。けれど、ここからが違った。フロントマンが突然現れ、「どうぞ自転車を中に入れてください」と先導してくれる。荷物も「これをつかってください」と台車を用意してくれる。こちらが言う前に、こちらがして欲しいことに気づいてくれる。両替も嫌な顔一つしない。
なんという心遣い。これがおもてなしというものだと思った。期待していなかっただけにとても嬉しい。
翌日に担当が変わっても同じように接してくれる。食堂のスタッフも感じがいい。このホテルで働く職員全てに教育が行き届いている、そんな印象を受ける。
それだけでなく、サービスもいい。売店の割引券をくれたり、朝食にさらにプラスしてカレーが食べられる。これはお腹を空かせたチャリダーにはすごくありがたい。
出発時に自転車日本一周の話をしていたら、出発するときになんとスポーツドリンクのペットボトルをくれた。やられた。
なお、今回上の写真の使用許可をもらうために連絡したら、そのときのスタッフが私のことを覚えていてくれたそうで嬉しくなりました。
場所、行き方等
場 所:福岡県北九州市小倉北区船頭町3−31
行き方:JR小倉駅南口から徒歩3分
地図
「リコホテル小倉」のホームページ
3 南阿蘇のゲストハウス古民家「野わけ」
12月3日、大分側から阿蘇の麓に下るとぐっと冷え込んできた。コンビニに立ち寄ると、話しかけてきた人が「今日は1番の寒さだ」と言っている。
そこから阿蘇の底を這うように南下。ナビがあるのに迷いながら進み、外輪山の方へ少し上ると、薄暗くなった道路脇に[野わけ]という控えめな案内板を見つけた。
今日の宿は古民家のゲストハウス。昔ながらの玄関先に自転車を停めて呼び鈴を押すと、現れたのは猫。続いてオーナーの奥さんが現れる。入り口を潜ると、中は広くてまさに古民家。この古民家は高千穂近くにあったものを移築したのだそうだ。
ここは、オーナーご夫妻でやっている。だがこの日は奥さんだけ。
この奥さんの対応が付かず離れずで絶妙。夕食後、他のお客さんからいただいたトマトを、辛みもろみ味噌といっしょに出してくれたので、味噌の話などする。ずっと居間に残り、一緒にひたすら料理を作るだけのユーチューブを見ながら過ごす。そして時々会話。なんだか自分の家にいるようでとても落ち着く。
実はすぐ近くに温泉があったのだけれど先ごろの地震で休業中。でも、徒歩10分くらいのところに旅館「竹楽亭」の日帰り温泉がある。冷えた体をそこでしっかり温めた。とてもいい湯だった。
朝食も地元野菜のサラダでこれがとても美味しい。夏の時期までは自家製の野菜でサラダを作るそうだ。これにコーヒーとトースト。自家製のジャムが付いている。この日はブルーベリーと柿のジャム。熊本はブルーベリーの産地なのだそうです。(朝食はセットになっています。)
妙に落ち着く古民家のゲストハウスです。
洗濯もできます。
場所、行き方等
場 所:熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陰3617-8
行き方:阿蘇くまもと空港より車で約35分
地図
古民家「野わけ」の案内ページ(南阿蘇観光局)
プラス1 北海道大樹町のゲストハウス「旅うたり」
大平原の小さな家といった佇まい。洋館だが一部和風だったものをオーナー自身が改装。綺麗で快適な宿である。何がいいと言ってあの暖炉のやわらかい温もりはすべての緊張を解きほぐしてくれる。
ああそれなのに・・・
朝、胃のあたりが痛み出し、途中車に拾われて宿まで送り届けてもらい、病人の状態でチェックイン。翌未明、台風19号に襲われている嵐の中、オーナーを叩き起こして救急車を呼んでもらう。さらにそのお迎えまでさせてしまう迷惑な客となってしまった。
オーナーは「これからもこんなことがあるかもしれないので、いい経験になった」と言ってくれて、とてもやさしい。おまけにこれから走る道路の天気や風の状態などを調べて教えてくれた。ほんとうに頭が上がらない。
ご存知の通り、北海道大樹町はホリエモンロケットを打ち上げている場所だ。
今度は元気な状態で泊まりに行きたい。
あ、洗濯もできます。
場所、行き方等
場 所:北海道広尾郡大樹町字石坂453
行き方:広尾町より車で25分〜30分
地図
ゲストハウス「旅うたり」のホームページとブログ
ホームページ
http://mizumoto.html.xdomain.jp/tabiutari/index.html
ブログ
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたか。
これから旅に出るときの参考になれば幸いです。
小倉以外は少し交通の便が悪いところにありますので、公共交通機関を利用されるときは注意してくださいね。
それではコロナ対策を万全に良い旅を。