ちょっと書き忘れたことから。
襟裳岬から新冠へ向かう向かい風の中、元気に応援してくれた方がいました。
すれ違いざまに大型トラックの運転手さんが窓を開けて
「ガンバレー」
と大きな声で言いながら手を振ってくれました。
「どうもー」
とっさの時、ありがとうはちょっと言いにくいですね。
また、追い抜きざまに助手席の奥さんらしき人が、
「ガンバッテー」
とコレまた大きな声で言いながら一生懸命手を振ってくれました。
こんな応援があると元気が出るものなのですね。頑張れました。
それから新冠から苫小牧に向かう途中の門別辺りで、めずらしく道の反対側から来るチャリダーに出会いました。
よく見ると外国人。
「どこからー」
と話しかけると
「ノースピークジャパニーズ」
一応英語でもう一度訊くとなんとスイスからという。この旅は10日目で、これから自分が来た方向に向かって行くそうなので
「寒いよ」
と言ったら、着ている服を触って、
「覚悟しているよ」
と言ったかどうかわかりませんが、テイクケアと言って別れました。
後から、写真を撮っておけばよかったと思いました。
そういえば、友人に教えてもらった翻訳アプリがあったっけ。
それでもちょっぴり英語で会話したことに満足です。
さて、苫小牧のフェリー乗り場の近くは荒涼としているといいましたが、それは30数年前にバイクで初めて北海道に来たときと変わっていないということです。
フェリーが港に近づいていくときの高揚感、上陸して初めて走る北海道の荒涼とした風景。あのときの「とうとう北海道までやってきたぞ」という感動が再びよみがえってきました。
苫小牧から室蘭に向かう道路は広く、さまざまな店が並んでいました。
しかし、さすが物流の拠点、大型トラックがビュンビュン走っていて、小さな自転車はかなり気をつけないと危険なところでした。
おまけにこの時期、あちこちで道路や電線の工事をしており、結構気を使いました。
そしてここからは反省です。
この日は少し距離を稼ごうと伊達市に宿を取っていました(この宿も何軒も電話してやっととれたところです)。それなのにちょっと寄り道して室蘭市の地球岬まで足を伸ばしました。さらに室蘭市から伊達市へ抜ける白鳥大橋が車専用だということをちゃんと調べていなかったため、4時半到着予定が7時になってしまいました。
暗い峠道を2時間も走ったので、景色も見えず馬鹿なことをしました。幸か不幸か車の通りが多かったお陰で自転車の小さなライトでも大丈夫でした。
それから最近スマホがSIMを認識しないことがたびたび起こり、この日も走り出して直ぐに通じなくなりました。9時頃ローソンでWi-fiに繋いだあと、偶然認識したので伊達市の宿を抑えることができたのでした。
しかしそれきり何度再起動してもダメでした。だから宿に、遅くなる旨を連絡するのに公衆電話使おうと思いました。最近はあまり置いてないだろうと期待せずに路肩を眺めていたら、なんと直ぐに見つかりました。そして念のためと思って持ってきたテレフォンカードが役に立ちました。
スマホについては、宿に入ってから、工具セットの中にあった針金を使ってSIMカードを出し、一応丁寧に(指で)おまじないをかけて戻したら認識するようになりました。
めでたし、めでたし。
では、このへんで。
【データ】
10月17日(木)、晴れ 苫小牧市から伊達市 124.61キロ
(ここで一句)
暮早しこされぬ橋に灯のともる